ワークマン
日本の東京都台東区・群馬県伊勢崎市にある企業
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株式会社ワークマン(英: WORKMAN CO.,LTD.[8])は、東京都台東区に東京本部、群馬県伊勢崎市に関東信越本部を置く日本の企業。総合スーパーのベイシア、ホームセンターのカインズなどを擁する流通大手であるベイシアグループの一員で[9][9]、主に現場作業や工場作業向けの作業服・関連用品の専門店として、日本最大手である[10]。
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| 種類 | 株式会社 |
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| 機関設計 | 監査等委員会設置会社[1] |
| 市場情報 | |
| 本部所在地 |
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| 設立 | 1982年8月19日[2] |
| 業種 | 小売業 |
| 法人番号 | 1070001013828 |
| 事業内容 | フランチャイズシステムによる作業服及び作業関連用品の専門店チェーンの運営 |
| 代表者 | 小濱英之(代表取締役社長)[3][4][5][6] |
| 資本金 |
16億2200万円 (2021年3月31日現在)[7] |
| 発行済株式総数 |
8184万6816株 (2021年3月31日現在)[7] |
| 売上高 |
単独: 1326億51百万円 (2024年3月期) |
| 営業利益 |
単独: 231億42百万円 (2024年3月期) |
| 経常利益 |
単独: 236億66百万円 (2024年3月期) |
| 純利益 |
単独: 159億86百万円 (2024年3月期) |
| 純資産 |
単独: 1254億28百万円 (2024年3月期) |
| 総資産 |
単独: 1483億62百万円 (2024年3月期) |
| 従業員数 |
単独: 332[95]人 (2021年3月31日現在)[7][注 1] |
| 決算期 | 3月31日 |
| 会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ[7] |
| 主要株主 | |
| 外部リンク |
www |
関東地方を中心に北海道から九州にかけて、フランチャイズ展開しているチェーンストアである。東証スタンダード市場TOP20の構成銘柄。JPX日経インデックス400の構成銘柄。キャッチコピーは「やる気ワクワク、ワークマン」。
概要
作業服の市場規模は法人6割・個人4割であるが、法人向けは競合他社が多く競争が熾烈で、1着注文や在庫管理などアフターサービスも負担となるため、あえて法人市場を捨て個人向けに特化しているのがワークマンの特徴である[10]。本社の「法人営業部」には3人しか配置されておらず、業務も業界の情報収集であり、営業活動は行っていないという[10]。個人向け作業服の競合他社は零細業者のため、大手のワークマンは事実上市場を独占している[10]。新入社員は直営店で2年間店長を経験するが現場を学ぶためであり、本部の業務は企画や経営サポートに特化し販売職は募集していない[11]。
2020年8月現在、日本全国に880店舗を擁し、上述のとおり工場・土木・建築現場向け用品の専門店としては、日本最大の売上高を誇る。2020年11月、宮崎県に出店し、全47都道府県への出店を達成[12]。
機能と低価格を両立させるため、海外工場の閑散期に生産し、流通のスピードを求めないことでコストを抑えている[13]。コストパフォーマンスの高さから「ユニクロの作業服の店版」とも呼ばれるが、売上高営業利益率は8%と高い。これは、主力購買層である現場作業員の勤務時間にあわせた営業時間の設定、メーカーとの技術提携・共同開発によるプライベートブランドの展開による営業努力、企業リソースを「個人向け・低価格・高機能」に集中した結果である[10]。ワークマンでは「商品は全て作業服」という考えから、利益率を上げるために価格を引き上げると「低価格・高機能」のイメージが崩れるため、商品や為替にかかわらず低価格帯を維持している[11]。
メーカー側にとっては、共同開発は世界に提携先を探すなどのリスクを抱えるものの、ワークマンは全国規模の販売網を持ち、売れ残りのメーカー返品といった、従来の商慣行の排除を行っているなど、メーカー側にとってのメリットも大きい。基本的に値引きは行わず、98%は定価で販売されている[14]。値引きされる2%の商品は終売間近になった非定番品、3LやSSなどの「端サイズ」が終売になる際のみである[14]。一方で売れ残りを発生させないために生産量を抑えていることから、一部の商品に関しては再生産までに時間がかかる[13]。
本来のユーザーである野外での建設・土木作業や工場作業に従事するブルーカラー向けの高機能な製品が安価に販売されていることから[11]、一部のインフルエンサーが目を付け、ソーシャル・ネットワーキング・サイトの口コミで広まり、オートバイの愛好家がライダースーツとして作業服や安全靴を利用したり、厨房用に開発された極めて滑りにくいソール(靴底)を備えた靴の安全性に注目した妊婦が購入するなど、想定していなかったユーザーが開拓された[11]。これを受けてワークマンでは既存の製品のデザインを改良したり[11]、オートバイやアウトドアなどに最適化した製品の開発を開始した[11]。先発の専門メーカーと比較しても機能的に劣らないが、作業服と同じ価格設定を維持しているため売り上げが伸びている[11]。
近年ではSNSを意識したアンバサダーマーケティングを開始したが、元鳶職や猟師など本来のユーザーに近い立場の人間を起用している[11]。新作作業服のファッションショーを開催しているが、機能性をアピールするため大雨や強風など再現するのが定番となっている[11][15]。
本来のユーザーである職人は、服はワークマン、工具はホームセンターで購入する傾向にあったことから、一部の店舗で工具の取り扱いを強化し取り込みを図っている[16]。
「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」は、この動きに対応すべくカジュアル色を強める形で生み出された新業態店舗で、その第1号店は2018年(平成30年)9月5日にららぽーと立川立飛(東京都立川市泉町に所在)内に開店し、その後、着実に数を増やしている(cf. 営業所)。2020年からは、新たに加わった女性ユーザー層を取り込むべく、作業服を扱わず女性層向きの商品を中心とした店作りを行う新業態「#ワークマン女子」を、神奈川県横浜市中区桜木町のコレットマーレに出店し、今後はショッピングセンターを中心に展開する。2022年からは、それまで来なかった女性客や一般客が増えたことで混雑したことから、既存の客層に特化した新業態「WORKMAN Pro」を開始、東京都板橋区前野町に第一店舗が2021年12月にオープンした。2023年12月には、人口5万人以下の地域向けに、WORKMAN Plusを主軸に#女子とshoesの品揃えを加えた中間店「WORKMAN Plus Ⅱ」を新たに出店した。
作業靴や安全靴など業務用の製品を中心としながら靴の国内市場4位の売り上げである[17]。2019年まで靴の売り上げ額は横ばいであったが「WORKMAN Plus」以降はカジュアル靴の売り上げが伸びたことで増額している[17]。2022年6月には池袋サンシャインシティにカジュアル靴専門店「ワークマンシューズ」をオープンした[17]。カジュアル靴ではあるが、靴擦れ対策など作業靴と同じく機能性を起点として開発するなど、作業靴のノウハウを取り入れている[17]。一方で靴は0.5cm刻みの商品であることから在庫管理が難しく、本業である作業靴の棚を圧迫することもあり、本格参入には慎重であった[17]。
以前から難燃素材の作業服が焚き木をするキャンプ愛好家に売れるなどしていたが、2022年2月からは本格的なキャンプ用品の販売を開始した[18]
取締役として中途入社した土屋哲雄は、個人向け作業服の市場がブルー・オーシャンであり、独占的な地位にあるワークマンはファイブフォースを全て満たす会社だと分析している[10]。土屋はさらに労働環境の改善や市場への集中などを目指す「しない経営」[19]、全社員がExcelによる簡単なデータ分析の手法を学ぶ「エクセル経営」などの改革で効率化を進めている[20]。作業服は安定した市場であったことから、土屋が「エクセル経営」を始めるまでは販売数や在庫数を集計せず「感と経験」に頼った経営が30年以上続いていたという[11]。土屋は担当者に高度なスキルが必要なAI分析の導入に否定的であったが、エクセル経営の浸透や2021年から開始したデータ分析の社内資格などで人材が揃ったため、2022年からはソニーのAI予測分析ツール「Prediction One」を導入した[21]。
女性向け事業を強化やユーザー目線を商品開発に活用するため、創業以来初の女性取締役としてアンバサダーの濱屋理沙を起用すると発表した[22]。
ベイシアグループに属しているが、同グループは一部企業を除き、株式の持ち合いなどによって、基本的にグループ内での親子関係を持たずに存在しており、ワークマンもその形態を取っている。ただし、間接保有株式なども含めた関係性により、株式会社カインズ(直接保有第3位株主)が親会社等にあたる「その他の関係会社」、カインズ及び株式会社ベイシアの会長ほか、カインズグループの要職に就いている土屋裕雅(直接保有第2位株主)が「支配株主」と位置付けられている[23]。
- ワークマン 和泉中央店
- ワークマン 泉大津店
- WORKMAN Plus 広島温品店
- ワークマン女子 前橋吉岡店
- Workman Colors イオンモール橿原ウエスト・ビレッジ店
施設
沿革
- 1979年(昭和54年)11月30日[2] - 群馬県伊勢崎市にて創業との情報があるも[2][31]、詳細は不明。
- 1980年(昭和55年) - 「職人の店 ワークマン」として群馬県に1号店を開業[11][32]。店の看板は青白赤であった[11]。
- 1982年(昭和57年)8月19日 - 株式会社ワークマンの設立[2]。
- 1986年(昭和61年)10月 - 群馬県伊勢崎市柴町1732にて[31]本部棟が竣工し、本部を移転する[32][31]。
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(昭和64年/平成元年) - POSシステムの導入[32]。
- 1991年(平成3年)1月 - 東京都台東区東上野4-8-1に東京本部ビルが竣工し[31]、東京本部を移転[32]。
- 1994年(平成6年)4月 - 伊勢崎流通センター(初代)の増床[31]。
- 1995年(平成7年)5月 - 愛知県小牧市にて、小牧流通センターが操業開始[31]。
- 1997年(平成9年)9月[31] - 日本証券業協会店頭市場(現・JASDAQ)にて株式を公開[32]。
- 1998年(平成10年)11月 - 埼玉県川口市弥平にて、第400号店「川口弥平店」の開店[31]。
- 2000年(平成12年)11月 - 奈良県大和郡山市小林町にて、第500号店「大和郡山店」の開店[31]。
- 2002年(平成14年)12月 - 千葉県船橋市みやぎ台にて、第600号店「船橋三咲店」の開店[31]。
- 2004年(平成16年)
- 2006年(平成18年)5月 - 宮城県仙台市太白区西多賀にて、第700号店「仙台西多賀店」の開店[31]。
- 2007年(平成19年) - 伊勢崎流通センター(初代)の増床、小牧流通センターの増床[32]。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年) - 700店舗の達成[32]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)3月 - 愛媛県今治市大新田町にて、第900号店「今治北インター店」の開店[31]。
- 2015年(平成27年)3月31日 - この時点で全国に749店舗を展開[29]。
- 2016年(平成28年) - 吉幾三を起用した企業CMの放映が終了し[33]、新業態店「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」を念頭に置いたカジュアルなCM展開が始まる[33]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)9月5日[34][35] - ららぽーと立川立飛(東京都立川市泉町に所在)内にて、新業態店「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の第1号店「WORKMAN Plus ららぽーと立川立飛店」の開店[36][9][gm 3]。
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 板橋前野本通り店
代表取締役社長
- 栗山清治(くりやま きよはる[3])
- 小濱英之(こはま ひでゆき[6])
広告宣伝
演歌歌手・吉幾三を長くCMモデルとして起用し続けた[33]。創業時からの顧客層であるブルーワーカー(ブルーカラーの職業従事者)に向けた内容となっている。企業コマーシャルソング『風に吹かれて…』も作られ、作詞・作曲ともに吉が担当した。最後に「行こうみんなでワークマン♪」と歌い上げるものである。テレビCMは2バージョンが存在し、一つは、吉が様々なブルーワーカーに扮して歌い上げるものである。『風に吹かれて…』は、2004年(平成16年)1月21日に発売された8cmCDシングル『男ってやつは…』に収録されている。
東海ラジオでオンエアされるCMに限っては宮地佑紀生と神野三枝が起用された。吉のバージョンとは違ってCMの最後は「やる気わくわくワークマン♪」で締める。また、宮地は一時期、『特選朝いち どですか!』出演時の衣装としてワークマン製のつなぎを着用していた。東海地方担当のバイヤーがラジオ番組『宮地佑紀生の聞いてみや〜ち』の人気・面白さなどをワークマンの社長に伝えたところ、社長が気に入り、同番組でラジオCMを放送し始めるようになったという[42]。
顧客層に大きな変化が生じた2016年(平成28年)、吉幾三を起用した旧来のCMは終了し[33]、新たな顧客層である一般消費者(女性を含む)に向けたCM展開が始まった[33]。旧来のCMは企業イメージを前面に押し出した内容であったが[33]、新たに始まったCMは、カジュアルなアウトドアウェアを着た若者が軽快に走り、商品が具体的に紹介されるものになった[33]。
テレビ番組
- 日経スペシャル カンブリア宮殿(テレビ東京)
- 日経スペシャル ガイアの夜明け(テレビ東京)
- 災害"関連死"を防げ! ウェルビーイングWEEK(第1207回、2026年3月13日)[45]
特記事項
東海ラジオのアナウンサー・源石和輝は、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の開催期間中、番組『源石和輝美味時間・万博三昧』でワークマン製のオレンジ色のつなぎを着用し、会場内から放送を届けていた。
『うさぎドロップ』の実写映画版(2011年公開)では、伊勢崎市にあるワークマンの本社ビルや工場がロケ地として使用された。
本社が在る位置は、かつてバイカーの聖地だった場所である。