位相空間の一覧

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数学における位相空間の一覧(いそうくうかんのいちらん)では、位相空間論および解析学において登場する主要な位相空間を、その構造や性質、分離公理などの分類に基づいて列挙する。

基本的な位相空間

教科書等において、位相の定義の直後に導入される標準的な空間である。

  • 密着位相空間 (Indiscrete space): 開集合が空集合 と全体集合 のみである空間。異なる点を位相的に区別することができない。
  • 離散位相空間 (Discrete space): すべての部分集合を開集合とする空間。任意の1点集合が開集合となる。
  • ユークリッド空間 (): 実数体の直積集合に、通常の距離から誘導される位相を入れた空間。
  • 有限位相空間英語版: 要素の数が有限である集合に定義される位相空間。組合せ論的トポロジーにおいて重要な役割を果たす。

距離と構造に基づく空間

集合の間に「距離」や「順序」、「線型構造」が定義されている場合に誘導される空間である。

  • 距離空間 (Metric space): 距離関数 によって、点からの距離が一定未満の集合(開球)を基本開集合として定義される空間。
  • 一様空間 (Uniform space): 距離空間における「一様連続性」や「一様収束」を定義可能にする構造(一様構造)を持つ空間。距離空間と位相空間の中間的な性質を持つ。
  • 線型位相空間: 線型空間の構造を持ち、和とスカラー倍の演算が連続である空間。
  • 順序位相空間英語版 (Order topology): 全順序集合において、開区間 を基本開集合として定義される空間。

分離公理による分類

空間の点や集合を、開集合によってどの程度「区別(分離)」できるかによる分類である。

  • T₀ 空間 (コルモゴロフ空間): 異なる2点に対し、片方を含みもう片方を含まない開集合が少なくとも一方存在する空間。
  • T₁ 空間 (フレシェ空間): 任意の1点集合が閉集合である空間。
  • T₂ 空間 (ハウスドルフ空間): 異なる2点を、互いに素な2つの開集合で分離できる空間。現代的な位相空間論における最も標準的な設定である。
  • T₃ 空間 (正則空間): 閉集合とその中に含まれない点を、互いに素な開集合で分離できる空間。
  • T₃.₅ 空間英語版(チコノフ空間): 完全正則空間とも呼ばれる。点と閉集合を実連続関数によって分離できる空間。
  • T₄ 空間 (正規空間): 互いに素な閉集合同士を、互いに素な開集合で分離できる空間。

特殊な性質を持つ空間

空間の「つながり方」や「被覆」に関する性質による分類である。

多様体と幾何学的な空間

  • 多様体 (Manifold): 局所的にユークリッド空間 同相な空間。
  • CW複体: 細胞 (cell) と呼ばれる円盤を順次貼り合わせて作られる空間。代数的位相幾何学においてホモトピー型を扱う標準的な対象である。
  • 関数空間: 関数そのものを点とみなし、関数列の収束(一様収束や各点収束)を位相として定義した空間。
    • Lp空間 (ルベーグ空間): 関数の可積分性に基づくノルムが定義された空間。

特殊な性質を持つ空間

空間の「つながり方」や「被覆」に関する性質による分類である。

多様体や関数空間

  • 多様体 (Manifold): 局所的にユークリッド空間 同相な空間。
  • CW複体: 細胞 (cell) と呼ばれる円盤を順次貼り合わせて作られる空間。代数的位相幾何学においてホモトピー型を扱う標準的な対象である。
  • 関数空間: 関数そのものを点とみなし、関数列の収束(一様収束や各点収束)を位相として定義した空間。
    • Lp空間 (ルベーグ空間): 関数の可積分性に基づくノルムが定義された空間。

特殊・反例として有名な空間

直感に反する性質を持ち、理論の限界や境界を調べるための例として用いられる。

  • ザリスキー位相 (Zariski topology): 代数幾何学において、閉集合を多項式の零点集合として定義する位相。通常、ハウスドルフ性を満たさない。
  • 補有限位相: 有限集合の補集合を開集合とする位相。
  • 補可算位相英語版: 補集合が可算集合であるものを開集合とする位相。非可算集合上では だが ではない例となる。
  • 長い直線 (Long line): 局所的には実数直線と同様だが、全体としては実数直線よりも「長い」空間。
  • シェルピンスキー空間英語版: 2点からなり、片方の点のみが開集合である最小の非自明な位相空間。
  • ゾルゲンフレイ直線 (Sorgenfrey line): 左閉右開区間 を基本開集合とする位相。自身は正規空間だが、直積空間は正規にならない典型例。
  • 重複点を持つ実数直線英語版 (Line with two origins): 原点を2つ持つ実数直線。局所的にユークリッド的だがハウスドルフではない多様体の反例。
  • 等質空間 (Homogeneous space): 任意の2点に対し、一方を他方に写す自同相写像が存在する、どこを見ても構造が同じ空間。

主要な位相の導入法

集合に対してどのように開集合を定めるかという、構成法に基づく概念である。

  • 相対位相 (Subspace topology): 部分集合に対して、元の空間の開集合との共通部分として定義される位相。
  • 積位相 (Product topology): 複数の空間の直積集合に定義される標準的な位相。
  • 商位相 (Quotient topology): 等価関係による商集合に対し、自然な射影が連続となる最小の位相。
  • 誘導位相 (Induced topology): 写像の族を連続にするように定義される、最も粗い、あるいは最も細かい位相。
    • 弱位相 (Weak topology): 特定の関数族がすべて連続になる最小の位相。関数解析学で多用される。
    • 強位相 (Strong topology): 弱位相に対比され、より開集合が多い(収束条件が厳しい)位相。
  • 位相の比較: 同じ集合上の2つの位相について、開集合の包含関係による「強い(細かい)」「弱い(粗い)」の区別。

位相空間の定義に当てはまらないもの

  • 前位相空間英語版: 近傍系の公理のうち、近傍の近傍に関するべき等性の公理を満たさない構造。
  • 距離の公理を欠く空間: 非対称な距離(擬距離準距離英語版)などは通常の距離空間の定義を満たさないが、それらに基づく位相構造の研究も存在する。

関連項目

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