光格子時計
光格子を利用した原子時計
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原理
利用
光格子時計を用いれば、人が歩く程度の速さや、わずか1 cmの高低差で生じる重力の違いによる時間の遅れを検出可能である。これにより、光格子時計は高度計や重力ポテンシャル計としての使用が可能となり、噴火や津波の予知に貢献できると考えられている[1]。また、衛星測位システムに代わる新たな測地技術にも貢献すると考えられている。2022年には、情報通信研究機構が世界で初めて光格子時計を用いた標準時の生成に成功した。標準時システムに光格子時計を加えることで、協定世界時(UTC)との時刻同期精度が±20ナノ秒以内から±5ナノ秒以内に向上された、とされる[3]。2030年(令和12年)までに予定されている1秒の定義の変更でも、光格子時計は有力な新定義の候補となっている[2]。
2020年(令和2年)に東京スカイツリーの地上階と展望台(高さ450 m)にそれぞれ光格子時計を設置し、2点の時間の流れの差を観測する実験が行われ、0.000 000 000 005 %のずれが検出された[4]。これは、一般相対性理論で示されている「重力源の近くでは時間の流れが遅くなる」ことの実証である[5]。
2025年(令和7年)3月5日、島津製作所が製品としては世界初の光格子時計「Aether clock OC 020」を1台5億円で発売開始。受注生産で納期は1年、国内外で3年間10台の受注を目指している[6]。 2026年(令和8年)、情報通信研究機構は島津製作所の商用機1機の購入を決定。購入価格は約4億円。機構自身が保有する光格子時計と2台体制で時刻の誤差修正に使う予定[7]。