君台観左右帳記 From Wikipedia, the free encyclopedia 『君台観左右帳記』(くんだいかんそうちょうき)は、室町時代、足利義政東山御殿内の装飾に関して、能阿弥や相阿弥が記録したものの伝書。唐絵鑑定、茶陶を中心とした美術工芸史、茶華香道の基礎史料。内容は3部構成。第1部は六朝から元迄の中国画人の品評(上、中、下)と簡解、第2部は書院飾、第3部は「茶湯棚飾」、「抹茶壺図形」、「土物類」、「彫物」の図解。 諸本 150を超える写本や刊本があるが原本はなく、能阿弥本と相阿弥本の2系統に分かれる。また、第1部のみを独立させたものや、関連した『君臺觀印譜』、座敷飾なども発刊され、室町期からの唐様文化の規範となった美術書の一つ。 能阿弥本 『群書類従』所収本。文明8年(1476年)3月11日、大内左京大夫(大内政弘)宛に能阿弥が奥書し、百花庵宗固(萩原宗固)が筆写した本を、大久保酉山の蔵本と校合し、1898年に塙保己一が編集したもの(『近代デジタルライブラリー』所収)[書影 1] 『群書類聚』新校版(『近代デジタルライブラリー』所収)[書影 2]。画品は次の通り。上50人、中38人、下68人、計156人(内1人重複) 相阿弥本 東北大学本 永正8年(1511年)、10月16日真相(相阿弥)の奥書と花押を模写した永禄期(1558年-1569年)の伝書で、諸本中最も信頼されている[脚注 1]。画品は次の通り。上49人、中41人、下87人、計177人 博物館本 永正8年(1511年)、10月16日真相(相阿弥)の奥書と花押を模写した写本(松翁居士写)を明治17年(1884年)に刊行した博物館蔵版がある[書影 3]。画品は次の通り。上44人、中41人、下87人、計172人 中国絵画鑑定本 第1部の部分や、他の画譜に収録された本、印譜を追加した本。 『君臺觀』(君臺觀印譜) 正保4年(1647年)の吉田傳右衛門開版(『百度文庫』所収)[書影 4]や、承応元年(1652年)の吉野屋権兵衛版(寛文7年(1667年)狩野安信朱筆書入れ『図絵宝鑑』巻5として所収)[書誌 1]等がある。これらの印譜は偽物が多いとされる[脚注 2]。安信は『君臺觀』[書誌 1]では、例えば呉道子の印譜には「閻立徳カワカレ 釈迦ニ見ル」など、「上繪」50名中79印、「中繪」36名中38印、「下繪」66名中67印を「~ニ有リ」と記している。 上品画人 上品に格付けされた画人の作品(伝承作品含む)の多くが国宝、重要文化財の指定、重要美術品の認定を受けている。以下、その画人を記す。 呉道子(呉道玄) 伝呉道子筆《釈迦三尊像》重要文化財, 東福寺蔵[脚注 3] 呉道子様式《八十七神仙卷》徐悲鴻記念館蔵, 画像と解説:維基百科[全文 1][出典無効] 王摩詰 池大雅筆《倣王摩詰漁楽図》重要文化財, 京都国立博物館蔵, 画像と解説:京都国立博物館[全文 2] 徽宗皇帝 徽宗筆《桃鳩図》国宝, 個人蔵, 画像:維基百科[全文 3][出典無効]、大観元年(1107年)の刊記あり国指定文化財等データベース。 伝徽宗筆《梅雀図》(唐絵手鑑「筆耕園」内)重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース)[全文 4] 李龍眠(李公麟) 李公麟筆《臨韋偃牧放圖》北京故宮博物院, 画像と解説:維基百科[全文 5][出典無効] 李公麟作と伝承されていた同郷舒城の別人 = 李氏作《紙本墨画瀟湘臥遊図巻》国宝, 東京国立博物館蔵(画像と解説:e国宝)[全文 6] 郭凞(郭煕) 郭煕筆《早春図》(国立故宮博物院蔵, 画像と解説:維基百科[全文 7][出典無効] 趙昌 趙昌筆《林檎花図》国宝, 畠山記念館蔵, 画像:畠山記念館[全文 8] 易元吉 伝易元吉筆《宋人枇杷猿戲圖軸》(国立故宮博物院蔵, 画像と解説:文化資産局[全文 9] 趙大年 伝趙大年筆《山水図》重要文化財, 大和文華館蔵, 画像:文化遺産オンライン[全文 10] 陳所翁(陳容) 伝陳容筆《五龍図巻》重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e国宝[全文 11] 僧牧渓(牧谿) 伝牧谿筆《煙寺晩鐘図》国宝, 畠山記念館蔵, 画像と解説:畠山記念館[全文 12] 牧谿(僧法常)筆《漁村夕照図》国宝, 根津美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 13] 伝牧谿(僧法常)筆《柳燕図》重要文化財, 徳川美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 14] 伝牧谿(僧法常)筆《虎図》(竜虎図のうち)重要文化財, 徳川美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 15] 伝牧谿(僧法常)筆《竹雀図》重要文化財, 根津美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 16] 玉澗 若芬玉澗筆《遠浦帰帆図》重要文化財, 徳川美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 17] 李唐 伝李唐筆《牛図》(唐絵手鑑「筆耕園」のうち)重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 18] 李迪 李迪筆《紅白芙蓉図》国宝, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 19] 李安忠 伝李安忠筆《鶉図》国宝, 根津美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 20] 蘇漢臣 伝蘇漢臣筆《侲童傀儡図》(唐絵手鑑「筆耕園」のうち) 重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e国宝[全文 21] 閻次平 伝閻次平筆《秋野牧牛図》国宝, 泉屋博古館蔵, 画像と解説:泉屋博古館[全文 22] 馬遠筆《寒江独釣図》重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e國寶[全文 23] 梁楷 梁楷筆《絹本墨画淡彩出山釈迦図/絹本墨画淡彩雪景山水図/絹本墨画淡彩雪景山水図》(3幅)》国宝、東京国立博物館蔵, 画像と解説:e國寶[全文 24] 夏珪 伝夏珪筆《風雨山水図》重要文化財, 根津美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 25] 毛益 伝毛益筆《鶏図》(唐絵手鑑「筆耕園」のうち)重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e国宝[全文 26] 馬麟 (画家)馬麟 馬麟筆《夕陽山水図》重要文化財, 根津美術館蔵, 画像:文化遺産オンライン[全文 27] 舜舉(銭選) 銭選筆《宮女図》(伝桓野王図)国宝, 個人蔵, 画像と解説:ウィキペディア[全文 28][出典無効]) 顔輝 伝顔輝筆《寒山拾得図》重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e国宝[全文 29] 孫君澤 孫君澤筆《雪景山水図》重要美術品,東京国立博物館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 30] 僧無準(無準師範) 無準師範自賛《無準師範像》国宝, 東福寺蔵[書誌 2] 西金居士(金大受と金處士の落款の誤読) 金大受筆《絹本著色十六羅漢図》重要文化財, 東京国立博物館蔵, 画像と解説:e国宝[全文 31] 胡直夫 胡直夫筆《布袋図》重要文化財, 徳川美術館蔵, 画像と解説:文化遺産データベース[全文 32] 卒翁(直翁の誤読か) 直翁筆《六祖挟担図》国宝, 五島美術館蔵, 画像:[全文 33] 全文 ↑ zh:八十七神仙卷 ↑ 池大雅. “倣王摩詰漁楽図”. 京都国立博物館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 桃鳩図 ↑ “梅雀図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 臨韋偃牧放圖 ↑ 李. “瀟湘臥遊図巻”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。舒城李生作のト書あり ↑ 早春図 ↑ 趙昌 (1197年). “林檎花図”. 畠山記念館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 易元吉. “宋人枇杷猿戲圖軸”. 文化部文化資産局. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “山水図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 陳容. “五龍図巻”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “煙寺晩鐘図”. 畠山記念館 (1197年). 2014年10月28日閲覧。 ↑ 牧谿. “漁村夕照図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 牧谿. “柳燕図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 牧谿. “虎図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 牧谿. “竹雀図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 玉澗. “遠浦帰帆図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “牛図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 李迪 (1197年). “紅白芙蓉図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 李安忠. “鶉図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “侲童傀儡図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “秋夜牧牛図”. 泉屋博古館. 2014年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月28日閲覧。 ↑ 馬遠. “寒江独釣図”. 東京国立博物館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 梁楷. “絹本墨画淡彩出山釈迦図/絹本墨画淡彩雪景山水図/絹本墨画淡彩雪景山水図”. 東京国立博物館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 夏珪. “風雨山水図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “鶏図”. 国立文化財機構. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 馬麟. “夕陽山水図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 宮女図ト書:「銭選之印」の印あり ↑ “寒山拾得図”. 東京国立博物館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 孫君澤. “雪景山水図”. 文化庁. 2014年10月28日閲覧。 ↑ 金大受. “十六羅漢図”. 東京国立博物館. 2014年10月28日閲覧。に「大宋明州車橋西金大受筆」トアリ ↑ 胡直夫. “布袋図”. 徳川美術館. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “六祖挟担図”. 五島美術館. 2014年10月28日閲覧。 書影 ↑ 能阿弥(撰述) (1898年). 塙保己一(編)、萩原宗固(筆写): “君臺觀左右帳記(群書類聚. 第三百六十一)”. 経済雑誌社. 2014年10月28日閲覧。コマ330-344. ↑ 能阿弥(撰述) (1929年). 屋代弘賢所、塙保己一(集)、上田萬年(他監修): “君臺觀左右帳記(群書類聚:新校.巻第三百六十一)”. 内外書籍. p. 767. 2014年10月28日閲覧。コマ426-432. ↑ 相阿弥(撰述) (1511年). “君臺觀左右帳記”. 有隣堂. 2014年10月28日閲覧。 ↑ “君台観印谱”. 百度 (1647年). 2014年10月28日閲覧。 脚注 ↑ 山田孝雄 (1934年). “典籍説稿”. 西東書房. p. 305. 2014年10月28日閲覧。コマ312. ↑ “江戸時代が見た中国絵画(3) いくつもの「中国絵画史」へ:江戸の中国絵画研究”. 東京国立博物館 (2014年). 2014年10月28日閲覧。 ↑ “釈迦三尊像”. 東福寺. 2014年10月28日閲覧。『君台観印』には「釈迦ニ見ル」とある図に推定されるが、国指定文化財等データベースでは「伝呉道子筆」とは記載されていない 書誌 1 2 夏文彦 (1667). 君臺觀. 吉野屋権兵衛. http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=997449 安信書入本の書写 ↑ “無準師範像”. 東福寺. 2014年10月28日閲覧。 典拠管理データベース: 国立図書館 日本 Related Articles