天元術
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内容
天元術は代数学の問題の解法であり、算木・算盤とを使う(籌算)。
問題の答えとして求める数を仮に 0+x の形で設け、これを「天元の一」(てんげんのいち)と言う。天元術は「天元の一を立て、何々とす」という言い回しから始まり、これが西洋数学でいう「何々を x と置く」にあたる。それから論を進めて算盤上に1元代数方程式を求め、その根を導いて答えを得る。
天元術は1元代数方程式のみを扱うが、多元連立方程式を扱う二元術・三元術・四元術も生まれた。ただしこれらはほとんど広まらず、四元術の書である朱世傑の『四元玉鑑』は19世紀に再発見された。この中で二元術・三元術の書についても言及しているが、これらは現存しない。
沢口一之は、佐藤正興の『算法根源記』の遺題に答える形で、日本で初めて天元術を本格的に理解して扱った『古今算法記』を1671年に著し、その中に天元術では解けない問題を遺した(遺題継承)[2]。
その問題を解くために関孝和は天元術を発展させた。筆算表記法の傍書法によって多変数の方程式を表した。その際、連立方程式の変数を消去する必要があるが、関は消去の一般論を重視して、終結式の理論を完成させた[3]。さらにそれを解く点竄術を編み出し、和算を大いに進展させた。四元術とは異なる形で、独創的な文字係数の扱いを確立した[4]。