審判 (1963年のラジオドラマ)
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汽船・ホーアン丸と汽船・トーコー丸の衝突事件、ならびに汽船・第三ワカバ丸の安全阻害事件の裁判の審判が、審判官・神山伸一から言い渡された。受審人・木村修一船長は、事件の回想をする。
その日、昭和38年9月6日、台風が近づいてきていたが、会社は出航をおくらせると損失がかかるので、再三出航の見込みを船長に問い合わせていた。台風の進路がまだ定かではなかったので、出航の見きわめは難しかった。来年停年となる船長は今まで二度、出航用意を取り消したことがあったが、台風が進路を変えて取り越し苦労だったことがあった。
今回船長は、間抜けな臆病者と思われたくない気持もあって出航を指令した。二等航海士のミスで接続ピンの確認に手間どり、やや遅れてホーアン丸は横浜港を出航した。航路は混んでいた。小さな汽船・第三ワカバ丸の横切りにより進路を狂わされたホーアン丸は、狭い通路を進んでいたが、停泊船の影からやって来た大型船と衝突してしまう。衝突までの間、船長の脳裡には自分の責任の所在のことなどが様々に錯綜する…。