お気に召すまま (1962年のテレビドラマ)
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『お気に召すまま』(おきにめすまま)は、1962年(昭和37年)7月14日 - 11月24日の土曜日21:30 - 22:00に日本教育テレビ(現:テレビ朝日)で放送された、全20回のテレビドラマシリーズ。「前衛ドラマ・シリーズ」という副題のオムニバスドラマシリーズであり、安部公房が企画・構成・監修・原案を務めた。提供はレナウン。広告代理店は電通[1]。
本シリーズについて安部公房は事前告知で、「前衛的でわかりやすく、おもしろいというドラマを作るのがねらいです。われわれの欲望が実現しすぎる悲喜劇を風刺的にとり扱うつもりで、オチのはっきりしたたのしめるもの」と説明している[2]。
なお、第5回のドラマ「幽霊会社」に対してスポンサーからクレームがつき、第6回は予定を変更し、安部公房がタッチしない単発ドラマ「新婚旅行」が放映された[3][4]。
あらすじ
第2回・水いらず
第3回・天才の秘密
第4回・不満処理します
第5回・幽霊会社
第6回・新婚旅行
1962年(昭和37年)8月18日放映。
当初放送予定・フランキーの完全犯罪
作:安部公房。
- 出演予定:フランキー堺(フランキー)、(沼田圭子)、(岡野春雄)
- ※ 第5回の「幽霊会社」にスポンサーがクレームをつけたことと、主演を予定していたフランキー堺のスケジュールの都合で実現されなかった[4]。
あらすじ
- 建設会社の会計主任をしている39歳の独身サラリーマン・岡野春雄と、バーのホステスで26歳の独身の沼田圭子は、アパートの隣り同士。フランキーはここに目をつけ、圭子を利用し、社員の給与284万円分を銀行から下ろす岡野から、金をせしめようと画策する。しかし、実は岡野と圭子は悪党夫婦で、岡野は名前を変え建設会社にもぐりこみ、会計主任の椅子にありつき、悪事を企んでいたところだった。フランキーは完全犯罪も目論んだが、逆に彼らの手中に自ら飛んできたカモだった。2人はフランキーよりも上手の悪党たちであった。
第7回・トツトツ・クラブの紳士たち
第8回・生活の知恵
第9回・挑戦者
第10回・セールスの秘訣
第11回・悪銭
第12回・時間貿易商
第13回・零
第14回・催眠術の秘密
第15回・友遠方より来たる
第16回・ダイヤモンドを作った男
第17回・ヒッチハイク
第18回・羊腸人類
1962年(昭和37年)11月10日放映。
- 安部の脚本テキストは、1970年(昭和45年)6月5日に大光社より刊行の『現代文学の実験室1 安部公房集』に収録。
- 短編小説『盲腸』をテレビドラマ化したもの。のち戯曲化されて『緑色のストッキング』となる。
あらすじ
世界の食糧危機に対処するため、大学病院で、或る男Aに羊の盲腸を移植する実験が行なわれた。人類が草や藁を自由に消化できる体になれば、飢えも戦争もなくなるという目算だった。実験の成功を宣伝するために、男はマスコミに紹介された。男の腹は消化のため変な音を常に鳴らし、低カロリーの藁を絶えず噛んでいるためアゴが腫れるほどだったが、世間に注目され満足していた。しかし医者は、食べることの解放どころか、朝から晩まで咀嚼で、人間の精神の欲望までも無くしてしまう、この実験が失敗だということに気づいた。医者は、学会に発表する前に、藁に下剤を混ぜて失敗してみせようと提案するが、男は、「こいつはもう私の盲腸なんだ」と拒否した。
男は病院が手配する酵素加工されている藁を食べずに、箒の先を切って作った自家製のエサを食べ、3日後に腹痛を起こした。男は病院に運ばれ、移植盲腸は切除された。医者はマスコミに、男は移植のアレルギー症状を起こしたと説明した。羊腸切除に怒る男に対して医者は、君はおかげで精神の飢えからは逃れられたと言った。男は、精神なんかくそくらえだ! いらんおせっかいをしやがって! と怒った。そして弱々しく、「あのままにしておいてくれりゃ、動物園だって引き受けてくれたかもしれないのに」と言った。