川青線
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川青線(せんせいせん、中国語: 川青铁路, 拼音: )は中華人民共和国西部の四川省成都市と甘粛省蘭州市を連絡する中国国鉄の鉄道路線である[1]。青白江~黄勝関間は営業中、黄勝関~西固城間は2028年の開通を予定している。また、途中で分岐して、西寧市に至る成西線(せいせいせん、中文表記: 成西铁路)も2020年に着工された。本線並びに支線の最高速度は200 km/hであり、旅客列車と貨物列車双方の運行に対応している[2]。合作から蘭州までの区間(唐尕昂〜西固城)は蘭合線とも呼ばれる。最速列車は、成都~茂県間を1時間以内、成都~鎮江関間を1時間26分、成都~黄勝関間を1時間54分で結んでいる[3][4]。
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成都~黄勝関間
岷江地震断層や龍門山断層を通るため、建設は非常に困難である。旅客列車の設計最高速度は200 km/hである。
概要
成都~黄勝関間は、以前は成蘭線成都~黄勝関間と呼ばれていた。路線の全長は730.549 kmである。同区間は青白江東駅(青白江東~三星堆間は青三連絡線を介して接続)/青白江駅から分岐し、成都市青白江区、徳陽市広漢市・什邡市・綿竹市、綿陽市安州区、アバ・チベット族チャン族自治州茂県を経由し、松潘県の黄勝関駅に至る全長275kmの路線である[1]。複線電化されており、線路規格は国鉄Ⅰ級、旅客列車の設計最高速度は200 km/h(成都駅~黄竜九寨駅間の設計速度は174 km/h)である。工程の総投資額は619億3900万人民元で、2011年2月26日に着工された。当路線の完成後、鉄道による蘭州~成都間の移動距離は従来の1172 kmから730 kmへと短縮され、旅客列車の運行時間は約5時間に短縮される。 初期の設計案では、当路線は川主寺(黄勝関)駅の先で岷山山脈を貫通し、九寨溝県を経て甘粛省内に入り、白龍江を渡って哈達鋪駅で蘭渝線と合流し、その先は蘭渝線と経路を共用して終点の蘭州東駅へと向かう予定であった[5]。なおその後の計画修正により、蘭渝線とは接続しないことになった。新路線は黄勝関駅から北西方向へ延伸し、若爾蓋県を経て甘南チベット族自治州に入り、合作市で蘭合線と接続する。その後、臨夏回族自治州、夏河県を経て西寧へと至り、成都~西寧間を連絡する[6]。
沿革
成都と蘭州を結ぶ新路線の建設は四川省政府や民間において以前から議論されていた[7]。当路線は2008年1月に、全国鉄道網中長期計画に組み込まれた。この鉄道建設は、成都~貴陽間の新線建設と共に、四川省西部に交通ハブを構築する上での重要な施策であった[7]。また、重慶市も蘭州を結ぶ蘭渝線を計画しており、2008年9月25日に先行して着工していた。当路線の建設計画は、2008年の四川大地震発生後に実質的な進展を見せた。同年9月19日、国務院が「国务院关于印发汶川地震灾后恢复重建总体规划的通知」を公布し、当路線の建設には震災復興という重要な意義が与えられた[8]。同年10月、国務院が「中長期鉄道網計画(2008年調整版)」を承認し、当路線(甘粛省哈達鋪~成都間)が正式にその構成要素となり、北西地域と南西地域を結ぶ新たな鉄道路線として位置づけられた。
年表
- 2009年1月9日:実現可能性研究の審査を通過[9]。
- 同年2月21日:四川省アバ・チベット族チャン族自治州松潘県青雲郷で着工式が行われる[10]。
- 2010年4月:中国環境保護部が環境影響報告書を承認。
- 同年6月28日:国家発展改革委員会が実現可能性研究報告書を承認[11]。
- 2011年2月26日:アバ・チベット族チャン族自治州と成蘭鉄道公司が松潘県黄勝関で建設決起大会を開催。同日、三星堆~綿竹南間、川主寺~黄勝関間、池溝大橋、花児坡中橋など、複数の工区(計50 km余り)が先行して一斉に着工した[12][13]。
- 2012年12月18日:環境保護部が成都~黄勝関段の建設ルート変更における環境影響報告書を「承認一時保留予定」とする[14]。
- 2013年8月14日:松潘トンネルの出口側が着工。四川7・9特大豪雨災害により、躍竜門トンネル2号横坑の坑口で河床の土石流が10 m以上上昇したため、最終的に2号横坑工区が取り消され、長さ2025 mの3号斜坑と長さ1970 mの排水トンネルの追加整備が決定した。
- 同年10月16日:変更後ルートの環境影響報告書が環境保護部から正式に承認された。設計変更では、自然保護区への影響、騒音問題、汚染問題の軽減が主に反映された[15]。
- 2016年1月18日:躍竜門トンネル3号斜坑の排水トンネルが貫通。
- 同年1月21日:柿子園トンネルの出口側が貫通。
- 同年4月29日:成都~川主寺間の元灞子岷江複線特大橋の連続梁の工事が完了。
- 同年6月16日:全線で最初となる横梁の架設が完了[16]。
- 同年7月21日:全線で最初に貫通するトンネルとなる黄勝関トンネルが貫通。
- 2017年2月16日:中国南西地域で最長となる鉄道トンネル、平安トンネルが貫通。
- 同年9月22日:全長12,773 mの金瓶岩トンネルが貫通[17]。
- 2018年3月:什邡~綿竹間の軌道敷設・架線架設工事が完了[18]。
- 同年8月9日:四川省内の区間で新設旅客駅の建設が開始[19]。
- 同年12月26日:成都~川主寺間で最も標高の高い紅橋関トンネルが貫通[20]。
- 2019年3月19日:成蘭鉄道で最初となる架線架台(硬横梁)が三星堆駅で架設される。
- 同年7月:当路線の建設工程に含まれている車両基地の運用が開始[21]。
- 2020年1月12日:龍門山後山活断層帯を貫通する茂県トンネルが貫通[22]。
- 同年11月5日:全線で最も標高が高く、全長8,048 mに及ぶ松潘トンネルが貫通[23]。
- 2021年4月26日:榴桐寨トンネルが貫通[24]。
- 同年10月3日:松潘駅の外装が完成[25]。
- 同年11月28日:躍竜門トンネルの左線が貫通[26]。
- 2022年4月25日:全長約20 kmの躍竜門トンネルが貫通[27]。工期はおよそ10年。
- 同年9月19日:成都~川主寺(黄勝関)間の高地区間におけるT型梁の架設が完了[28]。
- 2023年1月8日:成都~川主寺(黄勝関)間の全線で架線の架設が開始[29]。
- 同年7月14日:青白江~鎮江関間で、通電状態での試運転が開始[30]。
- 同年7月15日:青白江~鎮江関間が総合調整・試験の段階に入る[31]。
- 同年9月14日:青白江~鎮江関間で運行試験が開始[32]。
- 同年11月28日:青白江東~鎮江関間が開通し、営業運転を開始[33]。
- 2024年5月11日:鎮江関~黄勝関間の徳勝トンネルが貫通[34]。
- 同年6月29日:鎮江関~黄勝関間の軌道敷設工事が完了[35]。
- 同年7月21日:鎮江関~黄勝関間が総合調整・試験の段階に入る[36]。
- 同年8月13日:鎮江関~黄勝関間が試運転の段階に入る[37]。
- 同月8月30日:鎮江関~黄勝関間が開通し、営業運転を開始[3]。
黄勝関~西寧間
概要
黄勝関~西寧間は、以前は成寧線または西寧~成都鉄道黄勝関~海東西間と呼ばれていた。同区間は海東西駅から分岐し、青海省海東市・黄南チベット族自治州、甘粛省甘南チベット族自治州を経て、四川省アバ・チベット族チャン族自治州の黄勝関駅に至る、全長499.1 kmの路線である。これに成都~黄勝関間の307.75 kmと、蘭新旅客専用線の26.3 km(海東西~西寧)が接続する[38]。路線の設計時速は200 km/hであり、郎木寺~紅原間は将来的な250 km/hへの速度引き上げに対応できる条件が確保されている。17の駅が新設され、プロジェクトの総投資額は814億9000万人民元である。そのうち四川省内の新設区間は172.615 km、甘粛省内の新設区間は183.408 km、青海省内の新設区間は143.046 kmであり、計19の駅が設置される。また、車両基地なども同時に建設される。全線の総工期は7年半で、2028年の完成を予定している。開通後は、西寧~成都間の所要時間が約4時間半に短縮される見込みである[39]。
沿革
- 2019年5月14日:西寧~黄勝関間の環境影響評価に関する第1次情報公示が行われる[40]。
- 2020年1月9日:国家発展改革委員会が当路線の実現可能性研究報告書を承認[41]。
- 同年3月5日:同区間の四川省部分が着工[42]。
- 同年9月28日:残りの区間が着工[43]。
- 2021年1月22日:西寧~黄勝関間の工程設計案変更に伴う環境影響評価の第1次情報公示が行われる[39]。
- 同年3月8日:第2次公示が行われる[40]。
- 同年5月14日:環境影響評価報告書の全文が公示[44]。
- 2022年5月29日:生態環境部が環境影響報告書を承認。
- 2022年8月23日、路線の初期設計が、国鉄集団及び甘粛・青海・四川の3省人民政府による共同承認を受けた[45]。
- 同年10月29日:海東西~黄勝関間が着工[46]。
- 2023年9月7日:西営壩トンネルと新荘3号トンネルが貫通[47]。
- 2025年6月15日:尖扎黄河特大橋のケーブル用タワーの最上部が完成[48]。
蘭州~合作間
概要
全長は184.42 kmであり、新設区間の全長は147.42km、概算投資額は229億1600万人民元、建設工期は6年、設計最高速度は200 km/h(平面曲線半径は250km/hの条件を確保)である。動車組列車、客車列車、少数の貨物列車の運行が想定されている。路線は全体として南北に走っており、蘭新線の西固城駅付近から分岐し永靖県、東郷県を経て臨夏市から土門関に至り、大夏河峡谷地域に入って夏河県で本線に合流し、合作市に至る。全線に5つの駅が設置され、2027年に完成する予定である[49]。
沿革
- 2009年6月:鉄道部と甘粛省が国家発展改革委員会へ建設計画の提案書を共同で提出した。
- 2014年7月30日:実現可能性研究報告書が専門家による審査を通過。国鉄集団と甘粛省政府による『关于报送新建兰州至合作铁路可行性研究报告的函』(鉄総計統函[2014]804号)。
- 同年11月:国家発展改革委員会は『国家发展改革委关于新建兰州至合作铁路可行性研究报告的批复』(発改基礎[2014]2246号)に基づき、新路線の主な建設計画を承認した。総投資額は104億5700万人民元で、そのうち工程投資が103億人民元、機関車・車両購入費が1億5700万人民元であった。計画における自己資本金は総投資の50%を占める。そのうち甘粛省が立ち退き・土地収用費用として9億600万人民元を負担して地方株式に算入し、残りは国鉄集団が鉄道開発基金および中央予算内投資の13億2700万人民元を利用する。建設工期は4年半とされた [50]。
- 同年12月:建設計画に基づき着工したが、2015年5月に鉄道設計基準の調整が行われたため、東郷県の黄家嶺トンネルの建設を除いて全線で施工が一時見合わされた。
- 2015年12月28日:路線の設計基準が、当初の単線120 km/h方案から複線200 km/hへと調整された。
- 2016年6月23日~24日:国鉄集団工程設計鑑定センターが主宰する実現可能性研究調整審査会が北京市で開催された。
- 2017年7月:黄家嶺トンネルの工事が中断。
- 同年9月25日:黄家嶺トンネル建設動員会が臨夏回族自治州東郷県河灘鎮団結村で開催され、工程の調整を経て正式に建設が再開された[51]。
- 2020年7月3日:国鉄集団と甘粛省政府が計画調整後の実現可能性研究報告書を共同で承認[52]。
- 2021年9月17日:計画調整後の初期設計が国鉄集団と甘粛省政府による共同承認を受ける[49]。
- 同年12月17日:全線で建設が開始される[53]。
- 2022年3月23日:全線で最初となる杭基礎のコンクリート打設が完了[54]。
- 2023年12月28日:尕張家特大立体交差橋のアーチ部分が接続される[55]。
建設目的
当路線の建設目的として、災害発生時の救助活動及び復興事業における役割、地域間の連携強化、鉄道網全体の強化、西部大開発による沿線の観光業の発展、持続可能な開発などが挙げられている[56]。