恋人たちの時刻
1979年の寺久保友哉の短編小説集
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短編小説集
映画
角川春樹事務所の製作、東宝の配給により1987年3月14日に公開された日本映画[2][3][4][5]。同時上映は崔洋一監督の『黒いドレスの女』。
「翳の女」を再構成し[5]、主人公の西江洸治の北大生という設定を予備校生に変更し、美しく少し物悲しいエピソードを後半に加え、洗練された恋愛映画となっている[5]。
あらすじ
東京の実家から出て、札幌の予備校に通って北大医学部を目指す西江洸治は、サーフィンの場所であった小樽市銭函の海岸で、乱暴されている女性を助ける。後日、札幌の歯科医院で、アルバイトをしているその女性とばったり会う。女性の名前は、村上マリ子で、彫刻家の桑山輝芳のところで、住み込みで彫刻モデルをしているという。洸治は、マリ子をデートに強くさそうが、待ち合わせ場所の旧道庁赤レンガ庁舎前にマリ子は来ても姿を見せずにその場から去った。その日の夜、洸治は、マリ子が住んでいるといっていた桑山邸に行くが、窓越しに抱き合っている男と女の影を見る。洸治は、ソープランドへ行き、心のもやもやを晴らす。洸治の見た女の影は、桑山輝芳の愛人の更科利加子のものであった。桑山には、乳がんの妻、啓子がいた。
予備校の寮にマリ子がたずねてくれる。誤解がとけ仲直りし、初めてのデートが実現する。おたる水族館を歩くが、そこで、マリ子は、幼なじみで行方知れずの親友の山崎典子を探してくれるよう、洸治に頼む。洸治は、典子の暮らしていた小樽をたずね、通っていた理容学校や喫茶店そして小樽商科大学にいき、彼女の知人に会い、典子の奔放な生活を知ることとなる。付き合った男の純情を傷つけているがごとく非難されている典子の、優しさという別の魅力に洸治が惹かれてしまう。そのことを、マリ子に話すが、今度はさがさないように強く頼まれてしまう。すごく気になり、典子の故郷の道東の標津に行く。
スタッフ
キャスト
製作
製作発表は1986年秋にあり、澤井監督が既に1986年8月中に北海道をロケハンし[6]、1986年9月中旬クランクイン[6]、11月上旬クランクアップと発表された[6]。
脚本
キャスティング
ヒロインの村上マリ子役には渡辺典子が内定していたが[5][7]、シナリオにきついヌードシーンがあるなどの理由で辞退し[5]、直前になって河合美智子が抜擢された[7][8]。河合は澤井監督・仙元撮影コンビで前年、『Apartment Fantasy めぞん一刻』に出演していたことからの起用[5]。2020年代の番線映画ではほぼ見られないヒロインが冒頭から乳房を露出したまま長回し演技を行うインパクトあるシーン[5][9]。当時としても「脱ぎすぎで痛々しい」と評された[10]。本作はほとんど北海道での撮影だが[5]、この冒頭の海岸シーンは千葉県で撮った[5]。河合は出演の話がきたとき、澤井監督に「おなか出てるし、胸もび〇こだし、ムリです」と断ったが[11]、結局、出演した[11]。演じた村上マリ子について「映画見た後イヤだなって思った。あの子キライです。わたし洸治クンの役がやりたかったな。いい役ですよ。最後までマリ子にコケにされるけど…」などと話した[11]。江口洋介が小樽商科大学のアメフト部員役で1シーン登場している。
撮影
撮影は1986年10月から約1か月間行われ、同年11月7日クランクアップ[8]。ただ仙元誠三の著書に載るクランクアップの集合写真には「1986年12月」と書かれている[5]。冒頭のナンパシーンは、同じ野村宏伸が絡む『メイン・テーマ』同様荒い。アメフト部の学生役で1シーン出演する江口洋介が、野村とそこそこの長回しをこなす。ほぼ江口一人で話し、滑舌が悪い。濡れ場シーンは全て澤井監督が「声は息を吸うときに出すんじゃなくて吐くときに出すんだ」などと声の出し方から何もかも先に演じてくれた[11]。河合は吹き出しそうになるところを何とか耐えたという[11]。おたる水族館で「東京に行きたい」というマリ子(河合)が言う場面でマイ・ペースの「東京」が水族館の場内放送から流れる。ラストカットは澤井監督がグレーのスーツの上下にフリルの付いたブラウスとレースのストッキングを用意していたが、河合が「学校の先生みたいでイヤ」と拒否し、自身で「後ろ姿はカッコよくありたい」と黒のタイトスカートを選んだ[11]。
ロケ地
宣伝
興行
東宝洋画系で全国公開[7]。東宝本番線は『ドラえもん のび太と竜の騎士』『プロゴルファー猿 甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!』『オバケのQ太郎 とびだせ! 1/100大作戦』の春休み興行。
ソフト状況
作品の評価
主題歌
- 発売日:1987年2月11日
- 規格品番: MIS-20
- 発売元:Dear Heart / ミディ
収録曲
- 「恋人たちの時刻」は大貫のアルバム『A Slice of Life』に収録されているが、シングルとはバージョンが異なっている。