次リン酸

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次リン酸
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
UNII
性質
H4P2O6
モル質量 161.98 g/mol
外観 白色の固体 (二水和物)
融点 54 °C (129 °F; 327 K)
酸解離定数 pKa 2.2, 2.8, 7.3, 10.0[1]
共役塩基 次リン酸イオン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

次リン酸(じリンさん、英語: Hypophosphoric acid)は、化学式H4P2O6で表される鉱酸であり、リンの酸化数は +4 である。固体は二水和物H4P2O6·2H2Oとして存在する。次リン酸中のリン原子は同一であり、P-P結合によって直接結合している。イソ次リン酸HPO(OH)-O-PO(OH)2は次リン酸の構造異性体であり、一方のリン原子に水素原子が直接結合するとともに、他方のリン原子に酸素架橋によって結合することで、亜リン酸/リン酸混合無水物を形成する。2つのリン原子は、それぞれ酸化数が +3 と +5 である。

次リン酸は赤リン亜塩素酸ナトリウムを常温で反応させることで得られる[2]

2 P + 2 NaClO2 + 2 H2O → Na2H2P2O6 + 2 HCl

次リン酸、亜リン酸H3PO3、リン酸H3PO4の混合物は、白リンが水に浸かった状態で、空気中で部分的に酸化されることで生成される[2]

四ナトリウム塩Na4P2O6·10H2O は、pH 10で結晶化し、二ナトリウム塩Na2H2PO6·6H2OはpH 5.2で結晶化する[1]。二ナトリウム塩は、イオン交換カラムを通すことで酸二水和物H4P2O6·2H2Oを生成する[2]

酸無水物は五酸化リンの真空脱水や、硫化水素と次リン酸鉛Pb2P2O6の反応によって生成される[1]

次リン酸は四価の酸であり、酸解離定数はpKa1 = 2.2, pKa2 = 2.8, pKa3 = 7.3 and pKa4 = 10.0である[1]

無水物を放置すると、再配列と不均化反応を起こし、イソ次リン酸とピロリン酸H4P2O7、ピロ亜リン酸の混合物を形成する[1]

次リン酸は熱塩酸中で不安定であり、4 MのHCl中では加水分解して亜リン酸とリン酸を生成する[1]

構造

次リン酸はオキソニウムイオンを含み、正確には[H3O+]2 [H2P2O6]2−と表すことができる。これは[HOPO2PO2OH]2−を含むジアンモニウム塩と等構造であり、P-P結合の結合長は219 pmである[2]

Na2H2P2O6·6H2O中の[HOPO2PO2OH]2−は、対称的なエタン様構造をとり、P-P結合の結合長は219 pmである。それぞれのリン原子は2つの151 pmのP-O結合と、159 pmのP-OH結合を持つ[3]

次リン酸塩

以下のような様々な次リン酸塩が知られている。

K4P2O6·8H2O, Ca2P2O6·2H2O, K3HP2O6·3H2O, K2H2P2O6·2H2O, KH3P2O6.

空気中に放置すると、次リン酸塩は酸化し、リン原子の酸化数が +5 のP2O4−
7
を含むピロリン酸塩になる傾向がある。次リン酸塩は水酸化アルカリに対して安定であるが、溶融水酸化ナトリウム中では、速やかにPO3−
4
を含むオルトリン酸塩となる[2]

ポリ次リン酸塩

脚注

関連項目

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