次亜リン酸

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次亜リン酸[1]
互変異性体であるホスフィン酸の構造
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.026.001 ウィキデータを編集
KEGG
UNII
国連/北米番号 UN 3264
性質
H3PO2
モル質量 66.00 g/mol
外観 無色で潮解性のある固体または油状液体
密度 1.493 g/cm3[2]

1.22 g/cm3 (50 wt% aq. solution)

融点 26.5 °C (79.7 °F; 299.6 K)
沸点 130 °C (266 °F; 403 K) 分解
混和
溶解度 アルコールエーテルに極めて可溶
酸解離定数 pKa 0.89±0.05
共役塩基 次亜リン酸塩
構造
擬四面体型
危険性
引火点 不燃性
安全データシート (SDS) JT Baker
関連する物質
関連物質 次亜リン酸ナトリウム
次亜リン酸バリウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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次亜リン酸: Phosphinic acid)は化学式H3PO2で表される無機化合物である。リンオキソ酸の一つであり、強力な還元剤として作用する。無色で融点の低い化合物であり、アルコールジオキサンなどに溶解する。この塩は次亜リン酸塩と呼ばれる。

次亜リン酸は1816年フランス化学者ピエール・ルイ・デュロンにより合成された[3]

工業的には以下の二段階の工程で製造される。まず白リンアルカリ金属アルカリ土類金属水酸化物と反応し、次亜リン酸塩の水溶液が得られる。

P4 + 4 OH + 4 H2O → 4 H2PO
2
+ 2 H2

生じる次亜リン酸塩はカルシウム塩で処理することにより選択的に沈澱させることができる。その後、硫酸のような強酸で処理することで遊離酸を得る。

H2PO
2
+ H+ → H3PO2

次亜リン酸は通常50%水溶液として供給される。次亜リン酸は容易に酸化されて亜リン酸リン酸となるため、無水物は水分を蒸発させるだけでは得ることができない。純粋な無水物は水溶液をジエチルエーテルで連続的に抽出することで得られる[4]

性質

次亜リン酸HP(OH)2はホスフィン酸 HOP(O)H2と互変異性の関係にある。通常P=O型のホスフィン酸が優先して存在する[5]

90℃程度で加熱すると水と反応してリン酸と水素ガスを生じる。

H3PO2 + H2O → H3PO3 + H2

110℃以上で加熱すると不均化反応が進行してリン酸とホスフィンが生成する[6]

3 H3PO2 → 2 H3PO3 + PH3

反応

有機化学

有機化学において次亜リン酸は還元剤として使用される。芳香族ジアゾニウム塩Ar–+
N≡NAr–Hまで還元し、芳香族化合物からアミン置換基を除去することができる[7]。還元剤および酸素除去剤として機能するため、不純物となる着色成分の生成を防止する目的で、フィッシャーエステル合成反応の添加剤といて用いられることがある。

ホスフィン酸誘導体の合成にも用いられる[8]

無機化学

次亜リン酸は酸化クロム(III)酸化クロム(II)に還元する。

H3PO2 + 2 Cr2O3 → 4 CrO + H3PO4

次亜リン酸はその高い還元性から金属イオンを還元する傾向があるため、金属との複合体はほとんどが不安定である。しかし、ニッケル塩[9] [Ni(H2O)6](H2PO2)2などのいくつかの例が報告されている[10][11]

応用

脚注

関連項目

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