渡部穏寛
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来歴
北海道美唄市に生まれ、小学校時代に札幌市へと移り住んだ[2] 。幼少期より絵を描くことを好み、アニメや漫画に親しむ生活を送っていたが、アニメ制作の道を志す契機となったのは高校2年生の時である[1][2]。春休みに偶然視聴した『ふしぎの海のナディア』に感銘を受け、同作の監督を務めた庵野秀明の影響を受けて演出家を志望するようになった[1]。
高校卒業後は、当時札幌における唯一の選択肢であった代々木アニメーション学院へ進学した[1][2]。将来的にアニメ監督となることを見据え、演出を学ぶにはアニメーター科が適していると誤認して同科に入学したが、結果としてそこで学んだ技術が業界入り後の即戦力として役立つこととなった[1]。両親からは大学生活に相当する4年間の猶予を与えられており、専門学校卒業後は周囲の動向に合わせて上京し、下請けの作画スタジオに所属した[2]。
新人時代は動画として参加した劇場アニメ『人狼 JIN-ROH』において、厳しい叱責やリテイクを繰り返す過酷な現場を経験している[1]。当初は生活が困窮し、2年間にわたりアルバイトを掛け持ちしながら修行生活を送っていた[2]。作画職として10年のキャリアを積んだ後、演出家へ転身[2]。2016年放送の『侍霊演武:将星乱』で初めて監督を務めた[1]。
作風・演出術
監督としての姿勢について、渡部はスタッフへ自らの意図を具体的に伝えるため、自ら全話数の絵コンテを担当することがある[2][3]。テレビアニメ『東京喰種トーキョーグール:re』では、前シリーズの成功を意識しすぎず独立した作品として構築することを目指し、エンターテインメント性を重視して戦闘シーンの増量を図った[3]。また、アニメーションは総合芸術であるとの認識から、キャストや作画など特定の要素に頼りすぎないバランスを重視している[1]。あだち充原作の『MIX MEISEI STORY 〜二度目の夏、空の向こうへ〜』を担当した際は、前作『タッチ』へのオマージュとして昭和の雰囲気を随所に散りばめる手法を選択した[2]。
また、自身の演出術に影響を与えた人物として、過去に助監督として参加した『ログ・ホライズン』第2期で監督を担当した石平信司や、『侍霊演武:将星乱』で総監督を務めた静野孔文を挙げている[1]。石平からは周囲の提案を柔軟に受け入れつつ作品に昇華させる手法を学び、静野からは作品の質を追求するために自らの心身を削って戦う姿勢を学んだと述べている[1]。
人物像・嗜好
読売テレビ放送の諏訪道彦によれば、渡部は映像制作においてクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』や、テレビアニメ『シティーハンター』などの作品から大きな影響を受けたことを明かしている[2]。嗜好面ではビールや食べ歩きを趣味としており、故郷の味であるジンギスカンを好物として挙げているという[2]。
渡部は自身の仕事について、関係者試写で自らの関わった映像を観た際の感動がアニメーターを続ける原動力になったと語っており、未来のクリエイターに対しても、まずは行動に移し、合わないと感じればその時に判断すればよいという考えを述べている[1]。
参加作品
テレビアニメ
- 1999年
-
- 火魅子伝(原画)
- 魔術士オーフェン Revenge(原画)
- BLUE GENDER(原画)
- 今、そこにいる僕(原画)
- ワイルドアームズ トワイライトヴェノム(原画)
- 2000年
-
- ブギーポップは笑わない(原画)
- 銀装騎攻オーディアン(原画)
- 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(原画)
- 無敵王トライゼノン(原画)
- 2001年
-
- 爆転シュート ベイブレード(原画)
- 破邪巨星Gダンガイオー(原画)
- 魔法少女猫たると(原画)
- 2002年
-
- 爆転シュート ベイブレード 2002(原画)
- フルメタル・パニック!(原画)
- ちょびっツ(原画)
- プリンセスチュチュ(原画)
- 超重神グラヴィオン(原画)
- 灰羽連盟(原畫)
- ヴァイスクロイツ グリーエン(原画)
- 2003年
-
- スクラップド・プリンセス(原画)
- R.O.D -THE TV-(原画)
- 2004年
-
- 愛してるぜベイベ★★(原画)
- サムライチャンプルー(原画)
- 舞-HiME(原画)
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY(2004年 - 2005年、原画)
- 2005年
-
- ギャラリーフェイク(原画)
- エレメンタルジェレイド(原画)
- 今日からマ王! 第2章(原画)
- 交響詩篇エウレカセブン(原画)
- ソルティレイ(原画)
- BLACK CAT(原画)
- 舞-乙HiME(原画)
- 銀牙伝説ウィード(原画)
- 2006年
-
- 学園ヘヴン(原画)
- シムーン(原画)
- 獣王星(原画)
- Angel's Feather(原画)
- ツバサ・クロニクル(第2期、アニメーション制作担当)
- シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜(原画)
- はぴねす!(原画)
- BLACK LAGOON The Second Barrage(原画)
- 2007年
-
- 天元突破グレンラガン(原画)
- アイドルマスター ゼノグラシア(原画)
- モノノ怪(原画)
- 名探偵コナン(原画)
- 2008年
-
- コードギアス 反逆のルルーシュR2(原画)
- 隠の王(原画)
- 鉄腕バーディー DECODE(原画)
- とらドラ!(原画)
- とある魔術の禁書目録(原画)
- 2009年
-
- 咲-Saki-(原画)
- とある科学の超電磁砲
- 2010年
-
- 薄桜鬼(原画)
- 薄桜鬼 碧血録(原画)
- 探偵オペラ ミルキィホームズ(原画)
- とある魔術の禁書目録II(原画)
- 2011年
-
- Rio RainbowGate!(原画)
- IS 〈インフィニット・ストラトス〉(原画)
- TIGER & BUNNY(原画)
- 世界一初恋(原画)
- セイクリッドセブン(原画)
- ちはやふる(原画)
- Persona4 the ANIMATION(原画)
- 世界一初恋2(原画)
- 未来日記(原画)
- 2012年
-
- ジョジョの奇妙な冒険(原画)
- 2014年
-
- ログ・ホライズン(アニメーションコーディネート[1]・絵コンテ・演出)
- ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(原画)
- 2015年
-
- ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編(原画)
- 下ネタという概念が存在しない退屈な世界(原画)
- ノラガミ ARAGOTO(原画)
- 2016年
-
- SUPER LOVERS(助監督・絵コンテ・演出)
- 侍霊演武:将星乱(監督[1]・絵コンテ・演出)
- 2017年
-
- NARUTO -ナルト- 疾風伝(監督[1][注 1]・絵コンテ・演出・原画)
- SUPER LOVERS 2(助監督[4]・絵コンテ・演出)
- BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-(絵コンテ)
- 2018年
-
- りゅうおうのおしごと!(OP原画)
- 東京喰種トーキョーグール:re(監督[5]・絵コンテ・演出)
- 2019年
- 2020年
-
- 遊☆戯☆王SEVENS(絵コンテ)
- 文豪とアルケミスト 〜審判ノ歯車〜(監督[7]・絵コンテ・演出・原画)
- 2021年
-
- ログ・ホライズン 円卓崩壊(アニメーションコーディネート・絵コンテ・演出)
- EDENS ZERO(絵コンテ)
- 古見さんは、コミュ症です。(絵コンテ)
- ヴィジュアルプリズン(絵コンテ)
- 2022年
-
- 佐々木と宮野(絵コンテ)
- かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-(絵コンテ)
- サマータイムレンダ(絵コンテ)
- てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!(監督[8]・絵コンテ・演出)
- 2023年
-
- NieR:Automata Ver1.1a(絵コンテ)
- 逃走中 グレートミッション(絵コンテ)
- EDENS ZERO(第2期、監督[9]・絵コンテ・演出)
- 2024年
-
- ただいま、おかえり(絵コンテ)
- 黄昏アウトフォーカス(監督[10]・絵コンテ・演出)
- FAIRY TAIL 100年クエスト(2024年 - 2025年、監督[11]・絵コンテ・演出)
- 2025年
- 2026年
-
- DIGIMON BEATBREAK(絵コンテ)
- 一畳間まんきつ暮らし!(監督[13]・絵コンテ・演出・OP絵コンテ・OP演出・OP原画・ED絵コンテ)
劇場アニメ
- 人狼 JIN-ROH(2000年、原画)
- 犬夜叉 鏡の中の夢幻城(2002年、原画)
- 名探偵コナン 迷宮の十字路(2003年、原画)
- 名探偵コナン 天空の難破船(2010年、原画)
- 劇場版 明治東亰恋伽 〜弦月の小夜曲〜(2015年、原画)
- 劇場版 明治東亰恋伽 〜花鏡の幻想曲〜(2016年、絵コンテ・演出・原画)
OVA
- 快刀乱麻 THE ANIMATION(1999年、原画)
- メーテルレジェンド 交響詩 宿命(2000年、原画)
- 殺し屋1 THE ANIMATION EPISODE.0(2002年、原画)
- コゼットの肖像(2004年、原画)
- 鴉 -KARAS-(2005年、原画)
- Hybrid Child(2014年、演出)
Webアニメ
- 陰陽師(2023年、絵コンテ・演出)