一切経音義 (玄応)
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成立
内容
玄応『一切経音義』は25巻からなり、450部以上の仏典に対する音義を記している。
梵語の音写については、玄応から見て不正確な場合には「梵音訛也」として、正しい音写を漢字で示す。漢語については反切で音を示し、伝統的な読み方を「旧音」と呼んで修正している箇所が多い。異体字についても指摘することが多い。多様な書物を引用し、また各地の方言についてもしばしば指摘している。
仏典のみならず、『蒼頡篇』・『埤蒼』・『爾雅』・『広雅』・『説文』・『方言』・『字林』・『通俗文』・『釈名』など広く漢籍から引用を行っているため、佚書や古籍の校訂の目的に使うこともできる。
梵語の音写や反切を含むため、中国語の音韻史上重視される。周法高によれば、声母は『切韻』にほぼ一致し、韻については「脂・之」「咸・銜」「庚2・耕」「尤・幽」などの区別をしないものの、9割が一致するという[6]。玄応は韻書としてしばしば李登『声類』・呂静『韻集』などを引くが、『切韻』は引用しておらず、また反切の用字も『切韻』とは異なる。周法高によるとこれは『切韻』の音韻体系が人工的に作られたものではなく、広く行われていたことを示すものだという。