磐越道マイクロバス事故

2026年5月6日、福島県郡山市熱海町の磐越道上り線で発生した交通事故 From Wikipedia, the free encyclopedia

磐越道マイクロバス事故(ばんえつどうマイクロバスじこ)は、2026年(令和8年)5月6日日本福島県郡山市内の磐越自動車道で発生したバス事故 [3][1]マイクロバスの運転手X過失運転致死傷罪で逮捕された[2]

座標 北緯37度30分21.9秒 東経140度16分28.8秒
日付 2026年5月6日
7時40分ごろ
概要 マイクロバスが衝突衝撃緩衝具に衝突したのちガードレールに突っ込み、せり出したガードレールに後続のワゴン車が追突した[1]
概要 磐越道マイクロバス事故, 場所 ...
磐越道マイクロバス事故
事故発生現場
場所 日本の旗 日本福島県郡山市内の磐越自動車道磐梯熱海インターチェンジ付近[1]
座標 北緯37度30分21.9秒 東経140度16分28.8秒
日付 2026年5月6日
7時40分ごろ
概要 マイクロバスが衝突衝撃緩衝具に衝突したのちガードレールに突っ込み、せり出したガードレールに後続のワゴン車が追突した[1]
死亡者 1名
負傷者 26名
容疑者 運転手(68歳)[1]
容疑 過失運転致死傷罪[2]
対処 福島県警察が運転手Xを逮捕
管轄 福島県警察
国土交通省北陸信越運輸局
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概要

5月6日7時40分ごろ、北越高等学校ソフトテニス部が練習試合を目的として遠征先の福島県双葉郡富岡町に向かうべく乗車していたレンタカーのマイクロバスが衝突衝撃緩衝具(クッションドラム)に衝突し、道路脇のガードレールに突っ込む事故が発生した[1]。この事故で同部の3年生部員1名が失血死により死亡、運転手Xや生徒、走行車線にせり出したガードレールに追突した後続のワゴン車の搭乗者など26名が負傷した[4]

事故の経緯

発生まで

事故当日の朝5時半ごろ、部員20人とXを合わせた計21人を乗せたマイクロバスが富岡町に向かうために出発した[1]。マイクロバスは学校側から依頼を受けた蒲原鉄道が手配したレンタカーであった[5]。蒲原鉄道の営業担当者Kは学校側から、「貸切バスを使わずにレンタカーを使って送迎をしたい」、「安いものを探して」と依頼を受けたといい、Kの免許証を示してレンタカー業者からマイクロバスを借り、知人の知人Xを運転手として紹介した[5]。KとXに面識はなく、Xの運転歴は確認していなかった。また、引率教員は、マイクロバスが満員であったことで荷物を運搬するため、自己所有車で1km程前で先導を行っていた[6][7][4]

マイクロバスにはドライブレコーダーが搭載されていなかった[8]。乗車していた一部の生徒は「運転が危険だと思っていた」、「荒かった」、「事故前にもトンネルでぶつかって擦っていた」、「車の片側にこすったような跡があった」と証言した[8]。また、別の生徒はXの運転に身の危険を感じ、保護者に対し、マイクロバスの走行時の様子を撮影した動画と一緒に、「死ぬかもしれない」という趣旨のメッセージを送った[9]

なお、出発の1時間前、学校に向かうXの運転するバスが防犯カメラに映っており、既に危ない運転だったと報道されている[10]

事故発生

7時40分ごろ、福島県郡山市内を走る磐越自動車道上り線磐梯熱海インターチェンジ付近の片側二車線の緩やかな右カーブで、マイクロバスが路側帯の衝突衝撃緩衝具(クッションドラム)に衝突し、道路わきのガードレールに突っ込んだ[1][4]。ガードレールが車両に突き刺さった状態で20メートル - 30メートル先まで走行した[8]。また、マイクロバスの衝突の衝撃により折れ曲がったガードレールに、追い越し車線を走行していた6人が乗るワンボックスカーが追突した[4]。この際に3年生部員1名が衝撃で対向車線に投げ出され、その後失血死により死亡、Xや生徒、追突したワゴン車など他26名が負傷し、また10代男性2名が重傷を負った[1]。現場の鑑識で、マイクロバスは衝突衝撃緩衝具にぶつかったあと、真っすぐガードレールに突っ込んだとみられている[11]

15時過ぎ、マイクロバスは高速隊郡山分駐隊前の敷地に移され、警察官が車両の確認を行った[4]。前方部は大破し、前輪がなく、ガードレールが後ろのガラスを突き破っていた[4]

事故後、7時50分から磐梯熱海ICと猪苗代磐梯高原IC間の上下線で一時通行止めとなり、14時40分に下り線、20時40分に上り線の通行止めが解除された[12][13]

状況

Xは調べに対し、制限速度80km/hのところを「90 - 100km/hで走行し、(カーブの道路を)曲がりきれなかった」などと供述しているという[14]。事故前の数か月間で5、6回の物損事故を起こしており、5月1日には代車で追突事故を起こしていた[8]。事故前日に飲酒していた事や、当日は衰弱しており運転出来るような状態ではなかった[15]。また免許証を返納したい旨を自動車の修理業者に話していた[16]。Xは居眠り運転を否定しており、体に不安はなく運転にも支障はなかったと話した[17]

顧問は「所持荷物が増えてしまってバスに乗り切れなくなってしまい、同乗しなかった事が判断ミスである」と詫びており、「同乗してれば運転手の異変に気づきその場で運行停止が出来た」と後悔している[18]

これまでに同校では遠征のため、2025年度は蒲原鉄道に車の手配を12回依頼しており、そのうち5回が貸し切りバス、3回はレンタカーのマイクロバス、4回はレンタカーのワゴン車が用意され、ワゴン車については顧問教員が運転したという[19]。過去に蒲原鉄道から受け取った請求書には「貸し切りバス」と「レンタカー代 人件費」の二種類があった[19]。なお、蒲鉄トラベルは、2024年1月に旅行業を休止している[20]

11日には、顧問教員らが事故現場に散乱した部員の荷物を回収し確認したところ、持ち主不明のカバンの中から、Xの名字と「手当」、「高速代 カードにて」、「ガソリン」と書かれ、中に現金3万3千円が入った封筒が見つかったことが明らかにされた[21][19]。学校側は10日に行われた2回目の会見では蒲原鉄道から3万3000円という金額の提示や請求はされていないと説明した[22]バスチャーター1回あたり約20万円から30万円であり、レンタカーは貸切バスと比べて少し安かったという[23]

説明の食い違い

Xを派遣した蒲原鉄道と学校側の説明に食い違いがある[24][25]。以下に主な説明の食い違いを記述する。

学校側
  • 費用を抑えようとした事実はない[19]
  • バス運行会社には人数、時間、行き先を伝え、貸切バスを手配したものの[26]、レンタカー手配や運転手紹介はお願いしていない[19]
  • 過去にも遠征で蒲原鉄道にバスを依頼した際にレンタカーが使われていたケースがあったが、学校側から依頼したことは一度もなく、いずれもレンタカーが手配されていたと気づいていなかった(5月10日の2度目の記者会見における説明)[27]
蒲原側
  • 予算を抑えるため、貸し切りバスではなくレンタカーの依頼があった[19][26]
  • 運転手紹介の依頼もあり、会社名義でレンタカー会社からマイクロバスを手配した[19]

対応

警察

7日夜、福島県警察はXを自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)5条に基づく過失運転致死傷罪の容疑で逮捕した[2][28]。また、Xは業として旅客を輸送して対価を得る第二種運転免許」を持っていないことも判明[28]。更にXは新潟県内の強豪校を指導する陸上競技の名コーチとして過去に名を馳せていた人物でもあったと言われる[29]新潟県警察は立て続けに事故を起こしていたXに返納する様に促していた[30]

国土交通省

国土交通省北陸信越運輸局は7日、蒲原鉄道道路運送法に違反しているか立ち入り検査を実施[31]。また、11日には道路運送法に基づき監査を実施している[31]

12日には学校に対して支払い実態の調査のために立ち入り検査を実施している[32]

学校

校長は、「生徒が亡くなったということについては痛恨の極み」、「ケアがしっかりできるような形で、我々がいま知っている段階での事実関係を説明したい」と話した[6]。また、学校は、7日朝、生徒の心理的なケアを行うために全校集会を開催し、同日夜には保護者説明会を開き、事故の状況と再発防止について説明した[25]。治療費・入院費は学校側で立替・負担すると言う[33]

反応

  • 杉村太蔵は「強豪校で練習試合の申込が多いのは分かるが、早朝5時集合の往復7時間の遠征は活動範囲を超えている。公共交通機関で行ける範囲内で遠征すべき」と批判している[34]

影響

  • 福岡県では遠征にレンタカーは禁止しており、自校所有車か貸切バスを使う様に指導されている。やむなくレンタカーを使う場合は、教職員が運転することになっている。福岡第一高等学校では教職員に大型運転免許を取得させていて原則、教職員が運転している[35]
  • この事故を受けて、東京都は値引き交渉はせずに、下限運賃を下回らない契約をし、顧問や先生が必ず同乗する様に改めている[36]
  • 静岡県富士市は2018年から県外への遠征を原則禁止している。特に中学生は近隣市町村にとどめるようになっている[37]

脚注

関連項目

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