般若経
大乗仏教経典の中でも特に般若波羅蜜を強調して説く経典群の総称
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歴史
内容
如幻論
→「マーヤー」も参照
般若経では一般的に、全ての法(現象)は、幻(māyā; マーヤー)、夢 (svapna)、蜃気楼 (gandharvapura) のようなものであると述べられている[5]。金剛般若経では以下の様に説かれる。
即非の論理
『金剛般若経』では「A は A ではない、したがってAである」という形式の文章が使われる。研究者は、この否定を「即非の論理」と呼んでいる[7][8]。金剛般若経にはこの即非の論理が約30回記載されている[8]。
主な般若経典
- アシュタサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)
- 紀元前後1世紀ころ成立し大乗仏教初期に編纂され後の仏教発展の基礎となったと考えられている。
- 現存サンスクリット本に対応する残存する漢訳は、『道行般若経』支婁迦讖訳(179年)、『(小品)摩訶般若波羅蜜経』鳩摩羅什訳(408年)、のほか計4本である。
- 『二万五千頌般若経』(にまんごせんじゅはんにゃきょう、梵: Pañcaviṃśatisāhasrikā-prajñāpāramitā Sūtra
- パンチャヴィンシャティサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)
- 『十万頌般若経』(じゅうまんじゅはんにゃきょう、梵: Śatasāhasrikā-prajñāpāramitā Sūtra
- ヴァジュラッチェーディカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)
- プラジュニャーパーラミター・フリダヤ)
- 『大般若波羅蜜多経』(だいはんにゃはらみったきょう、大般若経)
- 唐の玄奘が西域から関連経典を持ち帰って漢訳し、集大成したとされる。16会600巻。
- 『第一会』(第1-400巻)は、『十万頌般若経』の類本とされるが、その対応は明確でない。
- 『第二会』(第401巻-第478巻)は、『二万五千頌般若経』に相当する。
- 『第四会』(第538巻-第555巻)及び『第五会』(第556巻-第565巻)は、『八千頌般若経』に相当する。
- 『第九会 能断金剛分』(第577巻)は、『金剛般若経』に相当する。
- 『第十会 般若理趣分』(第578巻)は、真言宗で重用する『理趣経』即ち『大楽金剛不空真実三摩耶経 般若波羅蜜多理趣品』不空訳(720年 - 774年)と比較的近いサンスクリット本の翻訳とされている。
- 『第十六会 般若波羅蜜多分』(第593巻-第600巻)は、登場する菩薩の名に因んで『善勇猛般若経』(ぜんゆうみょうはんにゃきょう)として知られる。
日本語訳
- 坂本幸男、中村元、長尾雅人『大般若波羅蜜多経』(1970年 <國譯一切經印度撰述部 般若部 1-6巻 大東出版社 ISBN 978-4-500-00020-3
- 椎尾辨匡『國譯訳摩訶般若波羅密經』(1918年 國譯大藏經 經部 2~3巻 解題・原文 国民文庫刊行会、原文は弘教藏より収録、1974年第一書房から復刊)、 2) ISBN 978-4-8042-0243-3、 3) ISBN 978-4-8042-0244-0
- 長尾雅人、戸崎宏正訳注『金剛般若経 善勇猛般若経 大乗仏典 般若部経典1』(中央公論社、新版・中公文庫)。ISBN 978-4122038639
- 梶山雄一、丹治昭義訳注『八千頌般若経 大乗仏典 般若部経典2・3』(同上)
- 平井俊榮訳注『般若経 般若心経 金剛般若経 大品般若経(5品のみ)』(1986年 筑摩書房〈仏教経典選〉/2009年 ちくま学芸文庫)- 大正蔵からの訳注文献 ISBN 978-4-480-09247-2
- 中村元、紀野一義訳注『般若心経 金剛般若経』(岩波文庫〈改版〉)、ワイド版も刊
- 中村元訳・解説『現代語訳大乗仏典1 般若経典』(東京書籍 新版2003年) ISBN 978-4487732814