若田部昌澄
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| 生誕 |
1965年2月26日(61歳) |
|---|---|
| 国籍 |
|
| 研究機関 |
日本銀行 早稲田大学政治経済学術院 |
| 研究分野 | 経済学史 |
| 母校 |
トロント大学経済学大学院博士課程 退学 早稲田大学政治経済学部大学院経済学研究科 修了 早稲田大学政治経済学部経済学科 卒業 |
| 学位 | 経済学修士(トロント大学、1994年) |
| 受賞 |
2004年 第47回日経・経済図書文化賞受賞 2010年 石橋湛山賞受賞 |
若田部昌澄 (わかたべ まさずみ、1965年<昭和40年>2月26日[1] - )は、日本の経済学者。専門は経済学史[2]、中央銀行論[3]。早稲田大学政治経済学術院教授。前日本銀行副総裁(2018年3月から2023年3月)。学位は経済学修士(トロント大学、1994年)。
1930年代の世界恐慌や1970年代のインフレーション、1990年代からはじまる日本の大停滞といった、経済危機の時代を主に研究している[4]。2000年前後の経済政策論争においては、岩田規久男や野口旭らと共に、リフレーション政策支持の論陣を張る。著書『経済学者たちの闘い』では経済学史を紹介し、現代の経済政策論争の文脈に位置付けている。
神奈川県出身。1983年、神奈川県立藤沢西高等学校卒業。1987年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業[5]、同大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院博士課程単位取得退学。なお、父・聖悟も早稲田大学政治経済学部と経済研究科修士課程を修了し、経済学史を専攻していた[6]。その後、早稲田大学にて助手や助教授を経て、2005年から早稲田大学政治経済学術院教授。ケンブリッジ大学、ジョージ・メイソン大学、コロンビア大学にて客員研究員も務めた[5]。
2018年(平成30年)2月16日、政府は、衆参の議院運営委員会理事会に、若田部を次期日本銀行副総裁の候補者とする人事案を正式に提示した[7]。3月5日、衆議院で所信聴取[8]、3月6日、参議院で所信聴取[9]が行われ、3月16日、衆議院と参議院で採決が行われ、賛成多数で同意。3月20日、日本銀行副総裁に就任[10]。
2023年3月19日、任期満了のため日本銀行副総裁を退任し[2]、同月20日、早稲田大学政治経済学術院教授に復帰[11][12]。
主張
- リフレ派の学者として量的金融緩和政策の強化を早くから唱えていた[14]。インフレターゲットについて「日銀法を改正して、物価目標を入れ込むべきである」と述べている[15]。
- 日本の経済について「経済成長が必要ないという主張は、本当に考えられない話である。日本は十分に豊かになっているというけれども、実際には名目GDP(国内総生産)が停滞し、日本は貧しくなっており貧困層も増えている。名目経済成長率が上がらないと、日本は財政が破綻するような方向にいかざるを得ない[16]」「名目経済成長率が上がれば、多くの課題が解決しやすくなる[17]」と主張している。
- 日本の財政については「大事なのは債務残高そのものよりも債務残高とGDPの比率である。財政支出を切り詰め増税をすれば、政府のGDP比債務残高が減るかといえば、そうはならない。財政を縮小すると不況がやってくるが、それから景気はよくなるというのが財政再建派のロジックである。しかし、不況で経済が縮小してしまうと、縮小がさらに景気の悪化を招きかねないため、税収が減少していって財政再建はうまくいかない公算が大きい」と主張している[18]。
- 原発について「経済活動のためにはエネルギーは必要であるが、経済成長と原発には具体的に何の因果関係もない」と述べている[16]。
- TPP推進派であり、反TPP派である中野剛志の主張を批判しているが、中野の議論もきちんと経済学に基づいたもので、立つ経済学が違うのだということを説明している[19]。経済学者の森永卓郎は「国内市場の保護のために最も強力な手段は為替である」という点に関しては、若田部と中野の立場は一緒であると述べている[19]。
- 2015年11月、安倍晋三首相に、2017年4月に予定していた消費税率の引き上げの延期を提案した[20]。2019年10月に予定している消費増税も延期すべきという立場を取る[20]。
受賞歴
著書
単著
- 若田部昌澄『経済学者たちの闘い : エコノミックスの考古学』東洋経済新報社、2003年2月1日。ISBN 978-4492370971。 NCID BA60613103。
- 若田部昌澄『経済学者たちの闘い : 脱デフレをめぐる論争の歴史』東洋経済新報社〈増補版〉、2013年4月1日。ISBN 978-4492371138。 NCID BB12289577。
- 若田部昌澄『改革の経済学 : 回復をもたらす経済政策の条件』ダイヤモンド社、2005年11月5日。ISBN 978-4478210598。 NCID BA74294535。
- 若田部昌澄『危機の経済政策 : なぜ起きたのか、何を学ぶのか』日本評論社、2009年8月20日。ISBN 978-4535555747。 NCID BA91089372。
- 若田部昌澄『「日銀デフレ」大不況 : 失格エリートたちが支配する日本の悲劇』講談社、2010年7月1日。ISBN 978-4062163941。 NCID BB02863304。
- 若田部昌澄『もうダマされないための経済学講義』光文社〈光文社新書 601〉、2012年9月14日。ISBN 978-4334037048。 NCID BB10171984。
- 若田部昌澄『解剖アベノミクス : 日本経済復活の論点』日本経済新聞出版社、2013年4月26日。ISBN 978-4532355630。 NCID BB12465217。
- 若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点 : レジームチェンジの貫徹で日本経済は復活する』PHP研究所〈PHP新書 973〉、2015年2月14日。ISBN 978-4569824222。 NCID BB18016602。
- Masazumi Wakatabe (2015-04-23) (英語). Japan's great stagnation and Abenomics : lessons for the world. Palgrave Macmillan. ISBN 978-1137438843. NCID BB18964785
共著
- 薮下史郎、秋葉弘哉、永田良、若田部昌澄『経済学入門』東洋経済新報社、2000年4月1日。ISBN 978-4492312773。 NCID BA46457165。
- 石井安憲、永田良、若田部昌澄『経済学入門 第2版』東洋経済新報社、2007年4月1日。ISBN 978-4492313749。 NCID BA8153669X。
- 金子昭彦、田中久稔、若田部昌澄『経済学入門 第3版』東洋経済新報社、2015年4月3日。ISBN 978-4492314562。 NCID BB18564288。
- 金子昭彦、田中久稔、若田部昌澄『経済学入門 第4版』東洋経済新報社、2026年3月18日。ISBN 978-4492315705。 NCID BD18101138。
- 田中秀臣、野口旭、若田部昌澄『エコノミスト・ミシュラン』太田出版、2003年10月1日。ISBN 978-4872337952。 NCID BA64507505。
- 岩田規久男、若田部昌澄ほか『昭和恐慌の研究』東洋経済新報社、2004年3月19日。ISBN 978-4492371022。 NCID BA66507200。
- 須賀晃一、若田部昌澄、藪下史郎(監修)『再分配とデモクラシーの政治経済学』東洋経済新報社、2006年3月1日。ISBN 978-4492313619。 NCID BA76366433。
- 野口旭、浜田宏一、若田部昌澄ほか『経済政策形成の研究 : 既得観念と経済学の相克』ナカニシヤ出版、2007年9月1日。ISBN 978-4779501968。 NCID BA83063908。
- 若田部昌澄編著『日本の危機管理力』PHP研究所、2009年10月2日。ISBN 978-4569773827。 NCID BA91773319。
- 浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代『伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』東洋経済新報社、2010年6月25日。ISBN 978-4492395332。 NCID BB02441584。
- 平井俊顕(監修)、浅田統一郎、若田部昌澄ほか『危機の中で「ケインズ」から学ぶ : 資本主義とヴィジョンの再生を目指して』作品社、2011年12月1日。ISBN 978-4861823572。 NCID BB07767851。
- 井上琢智、栗田啓子、若田部昌澄ほか『古典から読み解く経済思想史』ミネルヴァ書房、2012年5月1日。ISBN 978-4623063178。 NCID BB09236200。
- 若田部昌澄、栗原裕一郎『本当の経済の話をしよう』筑摩書房〈ちくま新書 973〉、2012年8月1日。ISBN 978-4480066787。 NCID BB09901026。
- 岩田規久男、浜田宏一、原田泰編編著、安達誠司、若田部昌澄ほか『リフレが日本経済を復活させる : 経済を動かす貨幣の力』中央経済社、2013年3月18日。ISBN 978-4502478208。 NCID BB12151831。
- 飯野公一、ティモシー・スール、若田部昌澄『英語で政治経済学 (ポリティカル・エコノミー) しませんか』有斐閣〈有斐閣ブックス466〉、2014年4月25日。ISBN 978-4641184091。 NCID BB15398003。
- 若田部昌澄、飯田泰之、松尾匡『いまだからこそわかりたい!経済の教科書』洋泉社〈洋泉社mook〉、2015年5月7日。ISBN 978-4800306180。 NCID BB18615990。
- 岩田規久男、浜田宏一、若田部昌澄ほか『日本経済の再生と新たな国際関係 : 中央大学経済研究所創立50周年記念』中央大学出版部、2016年2月26日。ISBN 978-4805722572。 NCID BB20862835。
- 山上信吾、若田部昌澄ほか 著、高市早苗 編『国力研究 : 日本列島を、強く豊かに。』産経新聞出版、2024年8月30日。ISBN 978-4819114417。 NCID BD0846124X。
翻訳・解説
- トッド G. バックホルツ 著、上原一男、若田部昌澄 訳『テラスで読む経済学物語』日本経済評論社、1999年6月1日。ISBN 978-4532140359。 NCID BN06429450。
- C.ハムデン-ターナー、A.トロンペナールス 著、上原一男、若田部昌澄 訳『七つの資本主義 : 現代企業の比較経営論』日本経済評論社、1997年3月1日。ISBN 978-4532145521。 NCID BA30055832。
- ポール・クルーグマン 著、大野和基 訳『危機突破の経済学 : 日本は「失われた10年」の教訓を活かせるか』若田部昌澄(解説)、PHP研究所〈Voice select〉、2009年6月2日。ISBN 978-4569709604。 NCID BA90270061。
- ヴァーツラフ・クラウス 著、住友進 訳『「環境主義」は本当に正しいか? : チェコ大統領が温暖化論争に警告する』若田部昌澄(監修)、日経BP、2010年2月25日。ISBN 978-4822247980。 NCID BB0124603X。
- デイビッド・ウェッセル 著、藤井清美 訳『バーナンキは正しかったか? : FRBの真相』若田部昌澄(解説)、朝日新聞出版、2010年4月7日。ISBN 978-4023308046。 NCID BB02105882。
- ウィリアム・J・バーバー 著、藤田菜々子 訳『グンナー・ミュルダール : ある知識人の生涯』若田部昌澄(監修)、勁草書房〈経済学の偉大な思想家たち 1〉、2011年5月31日。ISBN 978-4326598915。 NCID BB05798719。
- タイラー・コーエン 著、池村千秋 訳『大停滞』若田部昌澄(解説)、NTT出版、2011年9月22日。ISBN 978-4757122802。 NCID BB06844174。
- ルイジ・ジンガレス 著、栗原百代 訳『人びとのための資本主義 : 市場と自由を取り戻す』若田部昌澄(監修、翻訳)、NTT出版、2013年7月26日。ISBN 978-4757123076。 NCID BB13040745。
- ナイアル・キシテイニー 著、小須田健 訳『経済学大図鑑』若田部昌澄(監修、翻訳)、三省堂、2014年1月21日。ISBN 978-4385162225。 NCID BB14595916。
- タイラー・コーエン 著、池村千秋 訳『大格差 : 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』若田部昌澄(解説)、NTT出版、2014年9月11日。ISBN 978-4757123267。 NCID BB16614829。
- マーク・ブライス 著、田村勝省 訳『緊縮策という病 : 「危険な思想」の歴史』若田部昌澄(監訳)、NTT出版、2015年9月18日。ISBN 978-4757123410。 NCID BB19575927。
- ゴードン・フレッチャー 著、下平裕之 訳『デニス・ロバートソン』若田部昌澄(監修)、勁草書房〈経済学の偉大な思想家たち 2〉、2015年11月28日。ISBN 978-4326598922。 NCID BB20236361。
- トマ・ピケティ 著、山本知子、山田美明、岩澤雅利、相川千尋 訳『格差と再分配 : 20世紀フランスの資本』若田部昌澄(解説)、早川書房、2016年9月21日。ISBN 978-4152096210。 NCID BB22128519。
- D.ウェイド・ハンズ 著、高見典和、原谷直樹、若田部昌澄(監訳) 訳『ルールなき省察 : 経済学方法論と現代科学論』慶應義塾大学出版会、2018年3月30日。ISBN 978-4766425086。 NCID BB25790367。