要求能力モデル
From Wikipedia, the free encyclopedia
要求能力モデル(ようきゅうのうりょくモデル、英: Demands and Capacities Model、略称: DCM)は、1990年頃にC. ウッドラフ・スタークウェザー(C. Woodruff Starkweather)によって開発された吃音への理論および介入法である。自己や周囲から課される発話上の要求を調整・軽減すると同時に、子ども自身の発話に関わる能力を発達的に支援することで、より楽に、自然に話せる状態を目指すものである[1]。
DCMでは、子どもが現在有している発話スキルよりも、周囲や本人からの「話さなければならない」という要求レベルが高くなった場合に、発話の流暢性が維持できなくなり、吃音が出現すると説明される[1]。
ここでいう「能力(Capacities)」とは、流暢な発話を支える運動的、言語学的、情緒的、認知的な機能を指す。これらの能力は、生得的要因や神経学的基盤、発達段階の影響を受けながら形成される。一方、「要求(Demands)」には、周囲が速いスピードで話したり、複雑な質問を投げかけたり、子どもの話を遮ったりすることによる外からのプレッシャー(外的要求)や、「早く話したい」「難しい内容を伝えたい」「完璧に話さなければならない」「間違えてはいけない」といった子ども自身による内的要求が含まれる[1]。
DCMでは、吃音を構成する4つの次元を以下のように定義する[2]。
- 運動面:発話筋肉のコントロールや話す速さ、時間的圧力など。
- 言語面:語彙の選択、文の長さや複雑さ、音韻の組み合わせなど。
- 社会・情緒面:興奮、不安、感受性、情緒の安定度など。
- 認知面:思考の整理、注意の配分、状況理解、メタ言語能力、会話のルールの理解など。