越後味噌

From Wikipedia, the free encyclopedia

越後味噌(えちごみそ)は、新潟県旧・越後国地域で作られる味噌。同じ県内の佐渡味噌とは区別される。

精白した丸米を使っているため、特に上越地方のものは米粒が味噌の中で浮いているように見え、浮麹味噌とも呼ばれる[1][2]

越後味噌は赤色系の辛口味噌に分類される[3]CIEのxyY表色系のx値が高い、色調がきれいで冴えた赤みのものが品評会では高く評価される[2]。市販品の同Y値は17 - 18%程度である[2]。また、発酵香が重視され、アルコール量が1.5%以上だと過発酵、0.5%以下だと発酵不足とされ、異臭は嫌われる[2]。塩なれしてうま味と甘味のバランスが良く、ザラつきのない食感のものが好まれる[2]

蒸し煮した大豆を冷却せずに食塩と混ぜて濾し網で粉砕し、製麹後に塩切り(塩との混合)を行わずに温度を下げて余分な水分を飛ばす事により、麹の抜け殻が生じて「浮麹」が得られる[2]。浮麹は、麹菌の菌糸が米粒の組織と絡まって袋状になったもので、味噌10gあたり40個ほどの麹の完全粒があると目視で十分に確認できる[2][4]

上越地方では大豆と米麹の混合比が10:9 - 1:1と後者の比率を高めにしており、さらに全体の赤みを薄くしていたため、麹がよりはっきりと浮いて見える傾向があった[5]明治時代にはこの比率が5:6となる場合もあり、黄金味噌と呼ばれていたという[5]新潟市など下越地方では大豆と米麹の比率が10:7程度という時期もあり、鮮やかな赤色が特徴的だった[5]

製法

大粒で炭水化物含有量が多く、吸水性が高く日本産の大豆が原料として適している[6]。精選、研磨、洗浄を行った後に、蒸し煮する[6]。40まで放冷された大豆30 - 50粒の硬度は500g程度が適正で、それより高いと味噌がザラつき、低いと粘りが出て発酵が遅くなる[6]。また大豆の水分が65%以上だとおから臭の発生やうま味減少、57%以下だと色調のくすみなどの問題がそれぞれ生じるため、水分は58 - 64%の範囲となる事が望ましい[6]。大豆は1 - 3mm目の濾し網で粉砕し、この粉砕工程が越後味噌の特徴である[6]

原料米には様々な品種のものが使われる[7]精米後に洗浄して夾雑物を除き、3時間から1晩かけて浸水させ、デンプンの糊化が完全に進行するよう十分な水分を含ませる[7]。水切り後の吸水率は25 - 28%が理想的とされる[7]。この米を蒸し、芯がなくなり香味が良く、適度な弾力を有する状態に蒸し上げる[7]インディカ米など吸水性の低い原料米を用いる場合は、二度蒸しなどが行われる[7]

種麹は製造者ごとに設備に適合したものが選ばれ、蒸米と混合して温度30°C前後、湿度90 - 93%で40 - 45時間かけて製麹を行う[8]。得られた米麹のアミラーゼは通常は越後味噌醸造に十分な量があるが、pH=6程度の微酸性プロテアーゼは米麹1gあたり100 - 120単位が必要となる[8]

蒸し煮大豆と米麹を5:4の比率で、さらに塩分濃度12.5%となるようにも混合して仕込み、30°Cなら80 - 90日、35°Cなら30 - 40日を目安に発酵・熟成を行う[2]。混合の際に塩分濃度のバラつきを±0.5%以内に抑える事が酸敗を防ぐ要点となるが、混合時間を長く取り過ぎると粘りが出て色調が悪くなる[8]

歴史

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI