マスムーブメント
斜面において地形物質が重力によって下方へ移動する現象
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分類
マスムーブメントの分類には複数の見解がある[6]。マスムーブメントの分類時には、動きの速度とメカニズム、物質の種類、動き(変形)の様式、移動体の形状、物質の含水比の5点に着目して行われることが多い[4]。
Varnes (1978)では、落下(fall)、転倒(topple)、すべり(slide)、流動(flow)に分け、それら複数の組み合わせによる分類も考慮されている[6]。これは、ヨーロッパの地すべり地形学のほか世界的に共有されている考え方である[6]。
鈴木 (2000)では、運動の様子をもとに、匍行[注釈 1]、落石、崩落、地すべり、土石流、陥没、地盤沈下、荷重沈下として8つに分類している[4]。
原因
マスムーブメントは素因と誘因の双方により発生するものであり、原因を考察するときは素因と誘因に分けることが多い[10]。
素因には、地形条件、地質条件、水文条件が挙げられる[10]。地形条件としては、例えば斜面の傾斜が挙げられる[11]。地質条件では、斜面を構成する物質の違いが挙げられる(砂質土[注釈 2]では山崩れが、粘性土[注釈 3]では地すべりが発生しやすい)[11]。この他地質構造も重要な素因となり、例えば砂岩泥岩互層の層理面でマスムーブメントが発生することもある[11]。
誘因には、降雨、地震、火山活動などが挙げられる[14]。この中でも最も主要な誘因は降雨であり、降雨が土中に浸透することにより、土や岩石の含水比の上昇によるせん断強度の低下および、地下水位の上昇による安定度の低下を引き起こす[11]。
マスムーブメントの力学

発生条件
マスムーブメントが起こるのは、斜面における駆動力が抵抗力を上回ったときである[15]。このためには、せん断力が増加したり、せん断強度が減少したりすることが求められる[15]。具体的には、前者は河川の侵食による斜面の傾斜や高さの増大、後者は降雨や風化が挙げられる[16]。
なお、を安全率(safety factor)とよび、ならば安全斜面と判定することができるものの、のときは斜面が危険であると判断される[17]。安全率はマスムーブメントの発生の有無の判定に使用できる[17]。
駆動力
重力を、斜面の傾斜をと表すとき、駆動力は
と表せ、これは重力の斜面方向の成分である[18]。
抵抗力
をせん断強度、を粘着力(定数)、を垂直応力、をせん断抵抗角(定数)とする[19]。潜在破壊面の長さを、奥行きをとする場合、抵抗力は
と表せる[17]。なお垂直応力はと表されることから、最終的に
が導かれる[17]。
