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山峡の章

松本清張の小説 From Wikipedia, the free encyclopedia

『山峡の章』(さんきょうのしょう)は、松本清張の長編推理小説。『氷の燈火』のタイトルで『主婦の友』に連載され(1960年6月号 - 1961年12月号)、1965年8月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。

国 日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
概要 山峡の章, 作者 ...
山峡の章
山峡として描写される作並付近の広瀬川渓谷
山峡として描写される作並付近の広瀬川渓谷
作者 松本清張
国 日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出 『主婦の友』 1960年6月号 - 1961年12月号
初出時の題名 『氷の燈火』
出版元 主婦の友社
挿絵 下高原健二
刊本情報
刊行 『山峡の章』
出版元 光文社
出版年月日 1965年8月25日
装幀 伊藤憲治
挿絵 下高原健二
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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これまで4回テレビドラマ化されている。

あらすじ

朝川昌子は阿蘇から耶馬渓をめぐる九州旅行の途中、霧の山中で、官公庁に勤める堀沢英夫とその友人の吉木に出会う。堀沢は昌子に交際を申し出、昌子はやがて堀沢と結婚する。

しかし新婚旅行の時から、エリート意識を感じさせる堀沢の性格の中に、昌子は違和感をおぼえ始める。昌子の妹・朝川伶子は、堀沢さんはお役人向きの人ね、と言う。耶馬渓以来、堀沢は妙に吉木の話を避けるようになった。そんなある日、昌子のアパートで女性の自殺事件が発生、堀沢はアパートを引っ越すと急に言い出す。

活発な伶子は、会社社長の大友了介や雑誌記者の小野喜久子を昌子に紹介するが、堀沢は小野の名刺を昌子から取り上げる。絶えず夫との間に冷たい風を感じる中、今度は不思議な盗難事件に遭うものの、なぜか堀沢は警察に届け出るのを嫌がる。

そんな中、結婚生活は不意に終焉を迎える。堀沢と伶子が失踪、二人の遺体が宮城県の作並温泉付近で発見された。情死行を報じるマスコミ。二人の不倫関係を信じられない昌子は、真実を掴もうと究明に乗り出す。

主な登場人物

  • 原作における設定を記述。
朝川昌子
女子大を卒業して一年ほどの若い主人公。
堀沢英夫
九州旅行中の昌子が出会った青年。官庁に勤務。
吉木
堀沢英夫と同行していた青年。新聞記者。
朝川怜子
昌子の妹で大学生。昌子とは対照的に、明るく行動的な性格。
大友了介
怜子が最近知り合った会社社長。
小野喜久子
婦人雑誌の家庭欄を担当する嘱託の記者。
竹村
堀沢の勤める経済企画庁の上司で課長。
野地
竹村課長に付き従っている課長補佐。
森本
昌子のアパートに闖入してきたB新聞の記者。
お浜
都内の料亭「滝田」の女中。四十近いシングルマザー。

エピソード

カッパ・ノベルス版(初版)
  • 小説冒頭、阿蘇の麓の中腹の温泉近くで、昌子が後ろから牛に尾けてこられる場面があるが、清張は1956年に発表したエッセイで、阿蘇中腹の湯の谷温泉近くでの経験について「阿蘇の温泉群は諸所にあるが、私の好みからいえば赤水駅から山に登る中腹の湯ノ谷が、一番阿蘇らしい感じがする」「春の雨の晩、私が宿から出て草原の山径を歩いていると、暗がりから放牧の牛が五、六頭出てきてあとをつけられ、気味の悪かったことを覚えている。が、こういう情趣は他の温泉にはない」と記している[1]。なお昌子は宿泊していないが「近代的な大きなホテル」は、当時の湯の谷の著名ホテルであった阿蘇観光ホテルを指す。
  • 深耶馬渓の宿は短編「青春の彷徨」にも登場するが、本作では「老人夫婦だけでやっていた」設定。深耶馬渓から、昌子が堀沢・吉木と断崖の間を登って頂上の広い高原の集落まで歩く場面があるが、清張は1958年に発表したエッセイで、「私は深耶馬渓から巌を匍い上って、この(森町の)街道を見に行ったが、まことにうらぶれた村落であった。しかし、六百メートルばかりの高原だから、久住山塊が手にとるように見えて眺望は大へんよい。世に知れ渡った渓谷の美もよいが、その上にある忘れられたような古い村を見にゆくことも、別な興趣がある。耶馬渓に遊ぶ人にすすめたいくらいだ」と記している[2]。
  • 文芸評論家の権田萬治は、「推理小説的なストーリーが展開するまでの昌子の心理の陰影を、松本清張は、とくに力をこめて描いているように私には思われる」と評している。また、本作15節以降で描かれる諜報部員ボロゾフのアメリカ逃亡事件に類似する、現実の事件としてラストヴォロフ事件を挙げている[3]。

関連項目

テレビドラマ

1970年版

ドラマタイトル「霧氷の影」。1970年12月4日から1970年12月25日まで、フジテレビ系列の「おんなの劇場」枠(21:30-22:26)にて全4回の連続ドラマとして放映。同じ松本清張による『中央流沙』の設定を加えたもの。

キャスト
スタッフ
さらに見る フジテレビ系列 おんなの劇場, 前番組 ...
フジテレビ系列 おんなの劇場
前番組 番組名 次番組
青春の挽歌
(1970.11.6 - 11.27)
霧氷の影
(1970.12.4 - 12.25)
昼と夜の巡礼
(原作:黒岩重吾)
(1971.1.8 - 1.29)
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1972年版

概要 山峡の章, ジャンル ...
山峡の章
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『山峡の章』
企画 小坂敬
脚本 田村多津夫
監督 野村孝
出演者 大空眞弓ほか
製作
プロデューサー 高倉三郎
山口剛
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1972年11月14日 - 12月26日
放送時間22:00 - 22:55
放送枠火曜日の女シリーズ
回数7
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1972年11月14日から1972年12月26日まで、日本テレビ系列の「火曜日の女シリーズ」枠(22:00-22:55)にて全7回の連続ドラマとして放映。

キャスト
スタッフ
さらに見る 日本テレビ系列 火曜日の女シリーズ, 前番組 ...
日本テレビ系列 火曜日の女シリーズ
前番組 番組名 次番組
木の葉の家
(1972.10.3 - 11.7)
山峡の章
(1972.11.14 - 12.26)
男と女と
(原作:笹沢左保)
(1973.1.2 - 2.6)
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1981年版

概要 松本清張の山峡の章 みちのく偽装心中, ジャンル ...
松本清張の山峡の章
みちのく偽装心中
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『山峡の章』
脚本 吉田剛
監督 井上芳夫
出演者 音無美紀子ほか
製作
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1981年10月10日
放送時間21:02 - 22:51
放送枠土曜ワイド劇場
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「松本清張の山峡の章」。1981年10月10日21:02-22:51、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠で放映。サブタイトル「みちのく偽装心中」。視聴率は28.0%を記録し(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[4]、松本清張原作テレビドラマ最高視聴率作品の一つとなっている。建設省の汚職を事件の背景としている。

キャスト
スタッフ
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テレビ朝日系列 土曜ワイド劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張の山峡の章
みちのく偽装心中
(1981.10.10)
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2010年版

概要 松本清張ドラマスペシャル 山峡の章, ジャンル ...
松本清張ドラマスペシャル
山峡の章
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『山峡の章』
企画 水野綾子
脚本 渡辺千穂
演出 木下高男
出演者 菊川怜
岡田義徳ほか
製作
プロデューサー 保原賢一郎
小池秀樹
森安彩
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2010年1月29日
放送時間21:00 - 22:52
放送枠金曜プレステージ
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「松本清張ドラマスペシャル『山峡の章』」。2010年1月29日21:00-22:52、フジテレビ系列の「金曜プレステージ」枠で放映。長野県を舞台に設定、軽井沢でロケが行われた。事件の背景に麻薬密輸をおく点は原作同様[5]。

キャスト
信用金庫で働く普通のOL。
ジャーナリスト。堀沢の大学の同級生。
外務省アジア開発協力課勤務のキャリア官僚。
警視庁の刑事。
怜子の知人で英会話教室の経営者。
堀沢英夫の同僚。
昌子の父で教員。
レポーター。
クラブ「TAKITA」のホステス。
昌子の5つ年下の妹。
昌子の母で専業主婦。
堀沢英夫の上司。

他

スタッフ
  • 企画(編成担当):水野綾子(フジテレビ)
  • プロデューサー:保原賢一郎(フジテレビ)、小池秀樹・森安彩(共同テレビ)
  • 脚本:渡辺千穂
  • 演出:木下高男(共同テレビ)
  • 撮影協力:カシオビジネスサービス、軽井沢ホテル ロンギングハウス、ヴィラ北軽井沢 エルウィング、三井リハウス湘南横浜(三井のリハウス)緑園都市店、群馬県浅間家畜育成牧場、函館ラーメン船見坂、四万温泉 積善館、浩庵、軽井沢町、Bar LAG、CLUB CHICK、東札自動車、千代田区役所、オニキス稲城
  • 制作協力:共同テレビ
  • 制作著作:フジテレビ
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フジテレビ系列 金曜プレステージ
前番組 番組名 次番組
所轄刑事5
(原作:逢坂剛)
(2010.1.22)
松本清張ドラマスペシャル
山峡の章
(2010.1.29)
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脚注

外部リンク

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