顧歓
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夷夏論
『夷夏論』とは、「夷」(異民族)の法である仏教と、「夏」(中華民族)の法である道教との、優劣関係を論じたものである。そこでは、消極的に破悪を実践する仏教よりも、積極的に興善を行なう術である道教の方が、優れているとする立場に立っており、夷狄の法である仏教に従う要のないことを論じている。
南北朝時代には、三教の優劣を論じる議論が活発であったが、その一種が夷夏論争と呼ばれるものであり、その論の代表的な著作が本書である。本書の場合は道教を中華の思想として論を展開しているが、儒教倫理を標榜する立場から夷狄の風俗である仏教を糾弾することも行なわれた。その様は、既に後漢代の著作とされる「牟子理惑論」にも見出すことが出来る。