馬雲騄

中国の小説『反三国志演義』の登場人物 From Wikipedia, the free encyclopedia

馬 雲騄(ば うんりょく、拼音: Mǎ Yúnlù簡体字: 马 云騄)は、中国後漢末から三国時代を描いた白話小説『三国志演義』をモチーフにした、周大荒の小説『反三国志演義』(反三国志/反三国演義)に登場する架空の人物[1]

繁体字 馬雲騄
簡体字 马云騄
拼音 Mǎ Yúnlù
登場作品 反三国志演義
概要 馬雲騄, 繁体字 ...
馬雲騄
『反三国志演義』馬雲騄肖像画
(民国20年:1931年)
敦煌公主・揚威将軍
繁体字 馬雲騄
簡体字 马云騄
拼音 Mǎ Yúnlù
登場作品 反三国志演義
詳細情報
主君 独立勢力→劉備
家族 父:馬騰、兄:馬超、夫:趙雲
テンプレートを表示
閉じる

後漢末期の武将・馬騰の娘で、兄は馬超、夫は蜀漢の将軍・趙雲[2]

日本では「」という漢字が一般的ではなく、機種依存文字であるため、『三国志』をモチーフとした作品では「馬雲リョク[3]や「馬雲緑[4][5]という表記が使われることもある。

事績

西涼の女武将

反三国志演義』(通称『反三国志』)第八回、馬雲騄は馬騰の娘(三男一女)として登場する。天女にも比される美貌と、男子に勝る武勇を兼ね備えた人物として描かれ、早くに母を失ったこともあって馬騰から深く愛されていた。馬騰は娘に相応しい英傑を配偶者に選ぼうと考えていたため、作中登場時の雲騄は、旧時代にはめずらしく22歳になっても未婚のままであった[6][7]

仇討ちと婚姻

曹操によって馬騰が殺害されると、雲騄は父の復讐を誓い、兄の馬超と共に西涼軍の将として各地を転戦した。そののち馬超が劉備に帰順すると、忠義一徹に仕えて妻帯せず、己の身を全て公に捧げる趙雲を案じていた劉備は、その報恩として馬超の妹である雲騄との縁談を画策した。劉備から相談を受けた諸葛亮が馬超に縁談を持ちかけると、馬超もまた、妹が適齢期を過ぎても独身でいる将来を懸念していたため、これを快諾。雲騄と趙雲も、相まみえた当初より互いに敬慕の念を抱いていたことから、劉備が主宰、諸葛亮と法正がそれぞれの媒酌人(仲人)として、成都にて三日三晩に渡る盛大な婚礼を挙げた。二人は諸将に祝福される中で正式に夫婦となり、馬超と趙雲は義兄弟となった[8][9]

覇業と大団円

婚姻後は夫の趙雲と共に蜀漢の将として出陣し、各地で武功を挙げて天下統一の覇業に貢献した。劉備が皇帝に即位すると、その功績により敦煌公主に封じられ、揚威将軍の官職を授けられた[10][11]荊州揚州の第三軍区を領することになった趙雲・雲騄夫妻は、建業で大宴を催し、故郷西涼へ凱旋する馬超との名残を惜しみつつ、その門出を盛大に見送った[12][13]

創作背景

『反三国志』は「蜀漢が天下を統一する」という歴史IFもの(架空戦記)である[14]。馬雲騄は、以下の背景から創造された。

二大英雄の念

『反三国演義』
趙雲(左)と馬超(右)肖像画

作者の周大荒は、『三国志演義』(以下『演義』)における蜀漢の英雄たちの扱いに不満を抱いていたといい、特に周の弟が馬超の熱心な支持者で、幼少期に物語の中で馬超が敗北・不遇のまま没する描写に憤慨し、絶食したというエピソードが本作執筆の原動力の一つとなったことを楔子(導入部)で明かしている[15]

また、本作の批評を担当した曹問雪(異史氏:小説家の意)[16]は第一回評において、趙雲が長坂坡で阿斗(劉禅)を救ったことで、蜀漢が42年間に渡り存続できたという最大の功績がありながら、劉禅が凡庸な主君であったことから、これを「趙雲の地下の遺恨」と捉えているように[17]、本作では馬超・趙雲ら「英雄の不平を鳴らす」ことを目的として、物語の主人公として二人が据えられた[14]

馬雲騄の誕生

『反三国演義』第三十回挿絵
夫婦で協力して軍と戦う

周大荒は本作の執筆中、友人と「馬超に妹を作って趙雲に嫁がせてはどうか」という冗談を交わし、その際どのような響きの名が相応しいかという話になり、同席していた友人の妻が、当時デビューしたばかりの人気京劇女優にちなんだ「馬艶雲」(ばえんうん)という名を提案した。しかし周は「趙雲と同じ〈雲〉の字が入っていると、まるで趙雲が(馬家の)婿養子に入るようだ」と難色を示したが、思案の末、最終的に「馬雲騄」と命名した。なお、友人の妻が馬艶雲の名を挙げたのは、周が「名優・小月英によく似ている」と彼女を常々高く評価していたためだという[18]

曹問雪は第八回(馬雲騄初登場回)評において、徐庶の母や曹后辛憲英などの女性は「気高さ」はあっても戦場の英雄ではなく、貂蝉孫夫人は英雄的な面はあっても「武人」としての活躍に欠けると指摘し、「一人の英雄的な女性を書き加えなければ女性が活躍する余地がなくなり、〈歴史のIF〉という好機を無駄にしてしまう」として、馬雲騄を「三国志全編を通じて一人も存在しなかった、真の女英雄を補うための必然的な造形」だと高く評価した[19]

また、第十回(趙雲と馬雲騄の婚姻回)評において、『演義』では趙雲の二人の子供(趙統趙広)が登場するものの、その妻は不明のままで描かれなかったことに疑問を呈した上で、本作では絶世の美女である馬雲騄と結ばれ、読者が二人を羨み、あるいは妬むほどの相思相愛の仲として描かれたことについて「(著者は)罪作りなことをしたものだ」とユーモアを交えて評している[20]

関連作品

正史『三国志』や『演義』をモチーフとしたさまざまな創作作品に設定が導入されている。

小説

  • 張国良 長編平話三国
南方講談大家・張国良(1929年 - 2013年)による1983年刊行の説話(平話)作品。馬超の妹・馬雲禄として登場。本作では、劉備と同年生まれの設定になっている55歳の趙雲と結ばれる顛末になっている(雲禄は28歳の設定)[21]

テレビドラマ

中国のテレビドラマ。馬超の妹として馬玉柔の名で登場する。

ゲーム系

コーエーテクモゲームス(旧:光栄)のシミュレーションゲーム。馬超の妹として登場する[22]
Yoka Games中国語版のカードゲーム。『反三国志』の設定をほぼそのまま踏襲して登場する[23]
  • Three Kingdoms Zhao Yun
中国のコンピュータゲーム『趙雲伝』のリメイク作品[24]。原題は『趙雲伝:雲漢騰龍』[25]。3人のヒロイン(公孫瓚の娘:公孫玥、趙雲の幼馴染:樊娟)の一人・馬雲禄の名で登場する(DLCページ参照[26])。

出典

参考文献

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI