黒海地方は険しい地形で、岩肌の海岸線に、急流が渓谷からながれている。川はポンティス山脈を削り、広い川には多くの支流が注ぎ込む。広い川では砂州も多く見られる。
西部カッカル山脈の3000mクラスの山脈、東部の1525~1800m級の山は内陸から海岸線まで麓が続いているため、内陸から海岸への交通は山によって狭い谷を通る道に限られている。東部ではこの山地は低い場所まで伸びており、1500mを超えることはめったにないが、東部ほど標高が高くなり、リゼの南では3000mを超える山も多い。
この地域の夏は湿度が高く暑い。北部の黒海海岸からの湿潤な空気によって北に面する山々では雨量が多く、森林が非常に濃い。これらの森林では常緑樹と落葉樹が混生している。冬には雪もよく降り、スキーなどが盛んである。これに比べ南部のアナトリア高原方面を向く山の南麓は木が少ない。北部北アナトリア山脈は黒海海岸に折り重なるように沿う高地を遮っている。長い地溝に似た渓谷と盆地がこの山地の特徴になっている。
これらの自然によって、黒海地方は他のアナトリアとは異なった独特の歴史を歩んできた。