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27クラブ

27歳で死亡したミュージシャン、アーティスト、俳優たち From Wikipedia, the free encyclopedia

27クラブ(英: The 27 Club、トゥエンティセブンクラブ、にじゅうななクラブ)は、27歳で死亡したポピュラー音楽のミュージシャン、アーティスト、俳優の一覧である[1]。薬物乱用やアルコール依存症、殺人、自殺、交通事故など暴力的な手段によって死亡していることが多い[2]。

歴史

ロックバンドドアーズのリードボーカル、ジム・モリソン。

1969年から1971年の間、ブライアン・ジョーンズを嚆矢とし、その後ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンと続いた後にジム・モリソンが全員27歳で死亡した。当時、この偶然の一致によって不吉な噂が生まれ[3][4]、四半世紀後、カート・コバーンが同じく27歳で死亡すると「27クラブ」の概念が公衆の認識のなかで定着した[5]。

ジョーンズやヘンドリックスに先立つこと30年も前の1938年にブルース歌手のロバート・ジョンソンが27歳で死亡している。

ヘンドリックスとコバーンの伝記記者チャールズ・R・クロスによると、インターネット、テレビ番組、雑誌などのメディアの重要性の高まりと、コバーンの母親のインタビューへの反応が、理論の原因となった。コバーンの母親ウェンディ・フレイデンバーグ・コバーン・オコナーはワシントン州アバディーンの新聞「デイリー・ワールド(英語版)」に次のように語った。「今、彼は去ってしまって、あの愚かなクラブに加わってしまった。私はあの愚かなクラブに参加しないように彼に言っていたのに」。クロスは彼女が言う「クラブ」とは、同じ年齢で死亡したヘンドリックス、ジョプリン、モリソンを指していると指摘している[6] 。他の著者も彼の見解を共有している[7]。一方、ジョシュ・ハンターとエリック・シーガルスタッドは著書「The 27s: The Greatest Myth of Rock & Roll」の中で、コバーンの母親は2人の叔父と大叔父(全員自殺している)の死に言及していたのではないかと指摘している[8]。クロスは「カート・コバーンが27クラブに加わるために意図的に死ぬタイミングを計ったという陰謀論者たちの不条理な考え」を否定した[5]。

コバーンが死亡してから17年後の2011年、エイミー・ワインハウスが27歳で亡くなった。これはクラブに再び大衆メディアの注目が集まるきっかけとなった[9]。死の3年前、彼女は、その年齢で死ぬことの恐れを表明していた[10]。

27クラブのメンバーとしての資格を得るには、必ずしもミュージシャンである必要はない。「ローリング・ストーン」には、2003年に自殺したテレビ俳優ジョナサン・ブランディスが、27クラブの「メンバー」のリストに含まれていた[11]。パンクロックバンドで演奏していたが、主に映画俳優として知られていたアントン・イェルチンは、2016年に死亡したときにクラブのメンバーとも言われていた[12]。同様に、グラフィティ・アートの分野で著名なジャン=ミシェル・バスキアも27クラブのリストに含まれている[13][14]。

検証

1969年から1971年の短期間に複数の人気ミュージシャンが集中してこの年齢で死亡したことにより、死はこの年齢でよく起こるとする信念に繋がった。

「27クラブ」は音楽雑誌、新聞、デイリープレスで繰り返し引用されている。いくつかの展示は小説、映画、舞台芸術などのアイディアに捧げられている[15][16][17][18][19]。このような早期死亡の原因とその可能性のある関係に関する多くの異なる理論と推測がなされてきた。上記の伝記作家クロスは、下記のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの研究が発表される4年前に「27歳で死亡したミュージシャンの数はどの標準でも著しく目立っている。(もっとも)人間はどの年齢でも定期的に死亡するが、27歳で死亡するミュージシャンの為の統計的な波形がある」と書いている[5]。

統計学的研究では、25歳や32歳と比較しても27歳の死亡者の異常なパターンを発見することは出来ていない。2011年12月にブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表された調査は、27歳の時点でミュージシャンの死亡リスクは増加していないと結論に達した。調査のために選ばれた無作為のミュージシャンは、20代と30代で死亡リスクが増加していたが、それは27歳に限定されていなかった[20][21][22][注釈 1]。インデペンデントの2015年の記事でも、ポピュラー音楽のミュージシャンは27歳で死亡する可能性は低い統計的な証拠が示されている[23]。

引用

音楽

ジョン・クレーギー(英語版)のアルバム「Montana Tale」の収録曲「28」は、クラブのことを指している。歌詞では、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーンの死に言及されている。

エリック・バードンの2013年のアルバム「ティル・ユア・リヴァー・ランズ・ドライ(英語版)」に27クラブをテーマにした曲「27フォーエヴァー」を収録[24]。

レットライブ(英語版)のアルバム「The Blackest Beautiful」の収録曲に27クラブの名前を引用[25]。

マゼンタ(英語版)は、27クラブをテーマにしたスタジオ・アルバム「The Twenty Seven Club」を発表している。各収録曲で、クラブのメンバーへ賛辞を送っている[26][27]。

フォール・アウト・ボーイはアルバム「フォリ・ア・ドゥ」の収録曲「27」でクラブを引用。この曲は、ロックンロールで一般的な快楽的な生活様式を探求している。フォール・アウト・ボーイの作詞家ピート・ウェンツは、同じような危険な生活をしていると感じたため、この曲を書いた[28]。

SUPER BEAVERは、アルバム「27」を発表しており、同名タイトル曲「27」を収録している。歌詞では27クラブにまつわる内容を含んでおり、27歳を過ぎてもアーティストとして生きていく自分達及び人生をテーマとしている[29][30][31]。

ヨルシカのアルバム「だから僕は音楽を辞めた」の収録曲「八月、某、月明かり」に、「人生、二十七で死ねるならロックンロールは僕を救った」の歌詞がある。インタビューでコンポーザーのn-bunaは「人生27で死ねるならのくだりが最高ですよね。」とインタビュアーから問われて「トゥエンティセブンクラブ」と応えている[32]。

チャーリー・ガルシアは、ダヴィド・レボンとともに、2024年のアルバム『La lógica del escorpión』[33]に収録されている「El club de los 27」という曲を発表し、その中で、ブライアン・ジョーンズやカート・コバーンといったメンバーについて触れている。[34]

いもと。は旧名義Mimikakiとの合同アルバム「UNPUBLISHBD」の収録曲「Twenty-seven Club」にて、題名通り27クラブの内容が歌われている[35]。カート・コバーンの自殺やメインストリームへの葛藤まで描かれており、本人もSNS上で27クラブについての言及がある。

映画

2018年にイギリスで『27クラブ(原題:27: Gone Too Soon)』が公開。監督はサイモン・ネピア=ベル。日本では未公開だが、Netflixで配信されている[36]。

書籍

キッスのジーン・シモンズ[注釈 2]は『才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?』[37](原題『27: The Legend and Mythology of the 27 Club』)[38]を上梓し、早世する才能を称賛する風潮を批判している[39][40]。彼は冒頭で「私たちは愛するものを萎れる前に捨てたがる。それがアメリカのポップ・カルチャーの心理学だ。まだ二十歳を越えたばかりのブランド・ニュー・スターのレコードや映画を手に入れ、次の金でタブロイド紙を買い、彼らの中毒症状や離婚や肥満や鬱状態や自殺の記事を読みあさる。おだてあげろ、そして、叩き落とせ」と指摘している。

コンピュータゲーム

2016年に発売された『HITMAN』に、「27クラブ」のミッションがあり、27歳の誕生日を迎えるロック歌手を暗殺する内容になっている。

漫画

長田悠幸と町田一八による漫画『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』では、ジミ・ヘンドリックスをはじめ27クラブのミュージシャンが亡霊として複数登場する。

特定されているメンバー

さらに見る 名前, 死亡日 ...
名前 死亡日 公式発表による死因 名声 年齢 出典
アレシャンドリ・レヴィ(英語版) 1892年1月17日 不明 作曲家、ピアニスト、指揮者 27年 + 98日 [41]
ルイ・ショーヴァン(英語版) 1908年3月26日 多発性硬化症 ラグタイムミュージシャン 27年 + 13日 [41][42]
ロバート・ジョンソン 1938年8月16日 中毒(ストリキニーネ) ブルース歌手及び音楽家。29曲の非常に影響力のある曲を録音した。 27年 + 100日 [41][42][43][13][44][14]
ナット・ジャフィ(英語版) 1945年8月5日 高血圧による合併症 スウィング・ジャズピアニスト 27年 + 216日 [41]
ジェシー・ベルヴィン(英語版) 1960年2月6日 自動車による交通事故 R&B歌手、ピアニスト、ソングライター 27年 + 53日 [41][42][13]
ルディ・ルイス(英語版) 1964年5月20日 オーバードーズ ドリフターズのボーカル 27年 + 271日 [44]
ジョー・ヘンダーソン(英語版) 1964年10月24日 心筋梗塞 R&B、ゴスペル歌手 27年 + 183日 [45]
マルコム・ヘイル 1968年10月31日 一酸化炭素中毒 スパンキー&アワ・ギャングのオリジナルメンバー及びリードギタリスト 27年 + 166日 [41][13]
ディッキー・プライド(英語版) 1969年3月26日 オーバードーズ(睡眠薬) ロックンロール歌手 27年 + 156日 [46]
ブライアン・ジョーンズ 1969年7月3日 溺死[47] (検死官の報告書によると「不運な死」)[48] ザ・ローリング・ストーンズの創設者及びギタリスト 27年 + 125日 [41][42][13][44][14][49]
アレキサンドラ(英語版) 1969年7月31日 交通事故 ドイツのシュラガー(英語版)歌手 27年 + 73日 [50][51]
アラン・ウィルソン(英語版) 1970年9月3日 オーバードーズ(バルビツール酸系) キャンド・ヒートのリーダー、歌手及び主要作曲家 27年 + 61日 [41][42][13][44][14]
ジミ・ヘンドリックス 1970年9月18日 窒息[52] エレクトリック・ギターの先駆者、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスとバンド・オブ・ジプシーズのメンバー 27年 + 295日 [41][42][13][44][14][49]
ジャニス・ジョプリン 1970年10月4日 オーバードーズ(恐らくヘロイン)[53] ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー(英語版)のリードボーカル及びソングライター。 27年 + 258日 [41][42][13][44][14][54]
アレスター・"ダイク"・クリステン 1971年3月13日 殺害 ダイク・アンド・ザ・ブレイザーズ(英語版)のフロントマン、ボーカル及びベーシスト。 27年 + 273日 [41]
ジム・モリソン 1971年7月3日 心臓発作[55] ドアーズのリードボーカル、ソングライター、リーダー。 27年 + 207日 [41][42][13][44][14][49]
リンダ・ジョーンズ(英語版) 1972年3月14日 糖尿病からの合併症 ソウル歌手 27年 + 91日 [56]
レスリー・ハーヴェイ(英語版) 1972年5月3日 感電 ストーン・ザ・クロウズのギタリスト。兄はアレックス・ハーヴェイ(英語版) 27年 + 233日 [42][13][14]
ロン・"ピッグペン"・マッカーナン(英語版) 1973年3月8日 胃腸出血 グレイトフル・デッドのキーボード、ボーカル。 27年 + 181日 [41][42][13][44][14]
ロジャー・リー・ダーラム 1973年7月27日 落馬による負傷 ブラッドストーン(英語版)のボーカル 27年 + 163日 [41][13]
ウォーリー・ヤン 1974年8月12日 飛行機の墜落事故 チェイスのオリジナルプレイヤー 27年 + 212日 [41]
デイヴ・アレクサンダー(英語版) 1975年2月10日 肺水腫 ザ・ストゥージズのベーシスト 27年 + 252日 [41][42][13][44][14]
ピート・ハム 1975年4月24日 首つり自殺 バッドフィンガーのキーボーディスト及びギタリスト、リーダー 27年 + 362日 [41][42][13][44][14]
ゲイリー・セイン(英語版) 1975年12月8日 オーバードーズ(ヘロイン) ユーライア・ヒープ、キーフ・ハートリー・バンドのベーシスト。 27年 + 207日 [41][42][13][44]
セシリア(英語版) 1976年8月2日 自動車による衝突事故 歌手 27年 + 296日 [57][58]
ヘルムート・ケーレン(英語版) 1977年5月3日 一酸化炭素中毒 1970年代のプログレバンド、トリアンヴィラート(英語版)のベーシスト 27年 + 62日 [41][13]
クリス・ベル(英語版) 1978年12月27日 自動車の衝突事故 シンガーソングライター、ビッグ・スターのギタリスト 27年 + 349日 [41][42][13]
ゼノン・デ・フラワー 1979年3月17日 自動車の衝突事故と負傷による合併症 カウント・ビショップス(英語版)のギタリスト 27年 + 189日 [59][60]
ジェイコブ・ミラー 1980年3月23日 自動車の衝突事故 インナー・サークルのリードシンガー 27年 + 324日 [42][44]
D・ブーン(英語版) 1985年12月22日 自動車の衝突事故 ミニットメンのギタリスト、リードシンガー。 27年 + 266日 [41][42][13][14]
Alexander Bashlachev 1988年2月17日 飛び降り自殺の疑い 詩人、ロック・ミュージシャン、ソングライター 27年 + 266日 [57]
ジャン=ミシェル・バスキア 1988年8月12日 オーバードーズ(スピードボール(英語版)) 画家 27年 + 234日 [13][44][14]
ピート・デ・フレイタス(英語版) 1989年6月14日 オートバイによる衝突事故 エコー&ザ・バニーメンのドラマー 27年 + 346日 [41][42][13][44]
クリス・オースティン(英語版) 1991年3月16日 飛行機の墜落事故 リーバ・マッキンタイアのバンドのギタリスト 27年 + 20日 [61]
ジョーイ・シガネロ 1991年3月16日 飛行機の墜落事故 リーバ・マッキンタイアのバンドのキーボーディスト 27年 + 169日 [61]
ディミタール・ヴウ 1992年9月5日 癌 ブルガリアのグループ、ニュー・ジェネレーションの創設者 27年 + 107日 [62]
ミア・ザパタ(英語版) 1993年7月7日 殺害 ギッツ(英語版) 27年 + 316日 [41][42]
カート・コバーン 1994年4月5日 c. 銃による自殺[63] ニルヴァーナのボーカル、ギター、ソングライター。 27年 + 44日 c. [41][42][13][44][14][54]
クリステン・パーフ(英語版) 1994年6月16日 オーバードーズ(ヘロイン) ホテル、ジャニター・ジョー(英語版)のベース 27年 + 21日 [41][42][13][44][14]
リッチー・エドワーズ 1995年2月1日 失踪。2008年11月23日に公式に失踪による死亡宣告 マニック・ストリート・プリーチャーズの作詞家、ギタリスト 27年 + 41日 [41][13][14]
ストレッチ(英語版) 1995年11月30日 自殺 ラッパー 27年 + 236日 [64][65]
ファット・パット(英語版) 1998年2月3日 射殺 ラッパー、スクリュード・アップ・クリックのメンバー 27年 + 61日 [41][42]
フリーキー・ター(英語版) 1999年3月28日 自殺 ロスト・ボーイズ(英語版)のメンバー 27年 + 318日 [41]
ロドリーゴ(英語版) 2000年6月24日 自動車の衝突事故 クアルテート(英語版)歌手 27年 + 31日 [57]
ショーン・パトリック・マッケーブ 2000年8月28日 窒息 インク・アンド・ダガー(英語版)のリード歌手 27年 + 289日 [41][42][13]
マリア・セラーノ・セラーノ 2001年11月24日 飛行機の墜落事故(クロスエア3597便墜落事故) ダンスミュージックグループ、パッションフルーツのメンバー 27年 + 363日 [41]
ジェレミー・ウォード(英語版) 2003年5月25日 オーバードーズ(ヘロイン) マーズ・ヴォルタとディ・ファクト(英語版)のサウンドマニピュレーター 27年 + 20日 [41][42][13]
ジョナサン・ブランディス 2003年11月12日 首つり自殺 映画・テレビ俳優 27年 + 213日 [11]
ブライアン・オットソン 2005年4月19日 オーバードーズ(処方薬) アメリカン・ヘッド・チャージ(英語版)のギタリスト 27年 + 32日 [41][42][13]
Davor "Moskri" Bobić 2005年8月25日 オーバードーズ Prti Bee Geeのオリジナルメンバー 27年 + 274日 [66]
バレンティン・エリザルデ 2006年11月26日 自殺 メキシコのバンド歌手 27年 + 297日 [41]
アチキン・スピン 2010年4月17日 交通事故 ポップ・グループ、スピンのメンバー 27年 + 290日 [67]
エイミー・ワインハウス 2011年7月23日 アルコール依存症[68] シンガーソングライター 27年 + 312日 [42][13][44][14][49]
リチャード・ターナー 2011年8月11日 心停止 フレンドリー・ファイアーズのトランペット奏者[69] 27年 + 12日 [42]
ニコール・ボグナー 2012年1月6日 病気(病名未公表) ヴィジョンズ・オブ・アトランティス(英語版)の歌手 27年 + 290日 [70]
Slađa Guduraš 2014年12月10日 交通事故 ボスニアのポップ歌手、俳優 27年 + 213日 [71]
トーマス・ロウ 2016年2月13日 自動車事故 ビオラ・ビーチ(英語版)のベーシスト 27年 + 70日 [72]
トーマス・フェケテ 2016年5月31日 胃がん サーファー・ブラッドのギタリスト 27年 + 335日 [73]
アントン・イェルチン 2016年6月19日 偶発的な鈍的外傷性窒息[74] 俳優。「スター・トレック」のパヴェル・チェコフ役で有名。バンド、ハンマーヘッドのギタリストでもあった。 27年 + 100日 [75][12]
ジェームズ・ローレンス 2017年 不明 フレンドゾーンの音楽プロデューサー 27年A [76]

[要出典]

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脚注

関連項目

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