Biomass

From Wikipedia, the free encyclopedia

Biomass
Biomass衛星のイラスト
出典: ESA, CC BY-SA IGO 3.0
所属 ESA
主製造業者 エアバス・ディフェンス・アンド・スペース
公式ページ
国際標識番号 2025-090A
カタログ番号 63772
状態 運用中
目的 森林のバイオマス量計測
観測対象 地球表面の植生
設計寿命 5年
打上げ場所 ギアナ宇宙センター
打上げ機 Vega-C
打上げ日時 2025年4月29日
物理的特長
本体寸法 10m x 12m x 20m
(アンテナ展開時)
質量 1,250kg
発生電力 1,500W
姿勢制御方式 3軸姿勢制御
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期軌道
高度 (h) 660km
軌道傾斜角 (i) 98度
軌道周期 (P) 102.6分
回帰日数 3日
降交点通過
地方時
6時/18時
観測機器
P-SAR Pバンド合成開口レーダー
テンプレートを表示

Biomass(バイオマス)は、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星ミッション。Pバンドレーダーを搭載する史上初の人工衛星である。二酸化炭素の吸収源として重要な森林バイオマス量を計測するため2025年に打ち上げられた。

二酸化炭素の大気蓄積による地球温暖化への影響を考える上では、大気中の炭素を取り込んで蓄える森林・植生の役割が変数として大きく、その総質量(炭素蓄積量)・地域分布・季節動態、また人間の活動によって起きる森林減少の経年変化について知ることが重要である。グローバルな衛星観測で炭素循環に占める森林の役割を解明することを目的としてシェフィールド大学のショーン・クエガン(Shaun Quegan)教授らにより提案されたBiomassは、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測計画「Living Planet Programme」における、先進的な観測機器で環境問題の研究を行うEarth Explore衛星シリーズの第7ミッションとして2013年5月7日に選定された[1]。 衛星の製造はエアバス・ディフェンス・アンド・スペースUKが2016年4月に主製造業者として2億2900万ユーロで受注[2]。 ミッションの全体の経費は4億2000万ユーロと見積もられている。

国連による森林保全の取り組みであるREDD+プログラムの運営において、Biomassによって取得される定量的な森林の観測データは重要な役割を持つと期待されている [3]

打ち上げ

Biomassは2023年の打ち上げが計画されていたが [4] 、最終的にギアナ宇宙センターよりヴェガCロケットを使って2025年4月29日に打ち上げが行われた [5] 。 地球の明暗境界線上を周回する高度660kmの太陽同期ドーンダスク軌道に投入され、観測開始後は地球全球の森林マッピングを7~9ヵ月で更新する。衛星の管制はドイツの欧州宇宙運用センター (ESOC)で行われ、観測データはスウェーデンキルナ地上局で受信された後、イタリアの欧州宇宙研究所(ESRIN)にて情報処理およびアーカイブされる。Biomassによる観測データは2026年1月に一般へ公開が開始された [6]

観測機器

波長が短い従来のマイクロ波レーダーでは森林の樹冠でレーダー波が反射するため、森林の分布と面積を知ることは出来るものの、森林の高さについて十分な情報を得ることが出来なかった。Biomassの搭載レーダーは樹冠を透視してその下の幹や枝を観測するために、マイクロ波の中で最も波長が長いPバンド(周波数435MHz、波長70cm)を使用し、その合成開口による観測によって水平方向200mの解像度で森林の三次元マップを作成する。レーダーの増幅器(パワーアンプ)は従来の真空管またはシリコントランジスタでは必要性能を満たせないため、人工衛星PROBA-Vで宇宙での動作を技術実証したバンドギャップの大きい窒化ガリウム製トランジスタを採用している [7]。 直径12mにおよぶ大型のメッシュアンテナは、アメリカのL3ハリス・テクノロジーズによって製作された。

関連項目

脚注

参考文献・外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI