OD (ビデオゲーム)

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『OD』は、コジマプロダクションが開発し、Xbox Game Studiosより発売予定のホラーゲームである。

監督・プロデュース・脚本・ゲームデザインなどを務める小島秀夫のもとに、クリエイティブパートナーとして映画監督のジョーダン・ピールをはじめとする、様々なストーリーテラーが集い、共同で制作される[1][2][3]

DEATH STRANDING』シリーズに続く、コジマプロダクションにとって2つ目となるオリジナルIP。

マイクロソフトクラウド技術を活用し、ユニークで没入感のある、全く新しいスタイルのゲームの創造を目指している[2][4]

本作は「恐怖の閾値をテストする」コンセプトに掲げている[3]。キャッチコピーは「FOR ALL PLAYERS AND SCREAMERS」(すべてのプレイヤーと絶叫者たちへ)

単一のゲームではなく、サブタイトルが付与された複数の作品群で構成される、アンソロジー形式に近いプロジェクトであることが特徴となっている[5]。作品ごとに異なるストーリーテラーが参加する予定で、判明している共同制作者の一人として、映画監督のジョーダン・ピールが名を連ねている。

小島は本作を「小さな規模のとんがったゲーム」とも説明しており、「おそらく論争を呼び、人によって好き嫌いがはっきり分かれるだろう」と述べている[2][4][6]。さらに、その真価が問われるのは「10~20年後になるだろう」との見解も示しており、短期的な評価に留まらない作品を目指していることを示唆している[6]

小島が本格的に手掛けるホラーゲームとしては、2014年に配信された『P.T.』以来となる。

登場人物・キャスト

作品一覧

発売年 タイトル ディレクター プロデューサー シナリオ
TBA OD - KNOCK 小島秀夫
(タイトル未定) 小島秀夫 小島秀夫

ジョーダン・ピール

開発とマーケティング

2019年

  • 4月15日 - 小島はクラウドゲーム技術に対する見解を示した。記者から「クラウドゲームの登場でゲームの競争軸が変わるのか」と問われた際、小島は「変わるというより広がるイメージ」と述べ、映画が視聴体験を拡張させてきたように、ゲームも「1人で遊ぶもの」からネットワークを通じて共有される体験へ変化してきたことに言及した。今後はストリーミング技術により「サーバー側で1フレームごとの画像処理が可能になる」と説明し、その先にさらなる新たな体験が生まれ得ると語った。さらに、クラウド技術を前提とした「大きな仕掛け」を構想しているとしつつ、「話すとネタバレになる」と詳細は明かさなかった。「常に『1匹目のドジョウ』を狙っているが、そういった作品は(映画などを含めて)そんなに売れない。2匹目、3匹目のドジョウを狙う人はすごく儲かる。だけど、ストリーミングで新しい一撃は自分で決めたい。儲けるためにゲームを作っているわけではない。」と創作姿勢を強調した[7]
  • 10月16日 – 小島は、将来的に本格的なホラーゲームを手がけたい意向を示し、「新しいアイデアはいくつかある」と述べる一方で、ホラーとゲームのインタラクティブ性が抱える難しさについても言及した。映画やアトラクションと異なり、ゲームはプレイヤー自身が操作して進めなければ終わらないため、恐怖が強すぎると途中でプレイを中断されてしまうというジレンマがあるとし、この問題に対する明確な解決策は当時の時点ではまだ見つかっていないと語っていた。(2025年9月時点において小島は新作『OD』について「怖くても一人でできる」と発言しており、この長年の課題に対する一つの答えを提示した可能性がある)開発中止となった『SILENT HILLS』では「本当に漏らすほどの恐怖」を目標にしていたが、あまりに過激な恐怖表現はプレイヤーが先に進めなくなる恐れがあることも認識していたという。それでも小島は、あえてその極限の領域に挑戦したかったと振り返っている[8]
  • 11月16日 - 小島は、ゲーム配信やストリーミング文化の発展を踏まえ、「開発者がゲームを作り、それを誰かがプレイし、その様子を第三者が視聴する」という現在の構造が、今後さらに拡張されていくと指摘した。その次の段階として、視聴者が単に観るだけでなく、視聴体験の中から新たなコンテンツやゲーム体験を“生み出す側”へ移行する未来を想定。それは、配信・視聴という受動的な関係を超えて、視聴者自身が創作プロセスに参加し、ゲームそのものの在り方を変えていくようなインタラクションであると示唆した[9]

2020年

  • 5月29日 - 公開されたインタビューで、小島は新たな企画構想を明かした[10]。彼は、従来のAAAタイトルとは別に、少人数で手掛ける実験的な新企画が存在していることを示唆した。その実現方法として、テレビシリーズのようにエピソード単位でコンテンツを制作・配信するスタイルを提唱。この手法は、かつて開発中止となった『Silent Hills』で計画されていたものである。
  • 8月8日 – Comic-Con@Home 2020 において、漫画家伊藤潤二は、小島秀夫から「新たなホラーゲームを計画しているので、機会があれば協力してほしい」と声をかけられていたことを明かした。ただし、具体的な企画段階には至っておらず、実現するかどうかは不明であると補足している[11]。なお、伊藤は2015年に開発が中止された『SILENT HILLS』にも参加予定だった人物である[12]

2022年

  • 1月23日 - 小島は『DEATH STRANDING 2』の開発本格化に触れ、並行して「小規模でとんがったタイトル」の企画・実験を進めていることを明かした[1]
  • 3月2日 – 小島は『J-WAVE INNOVATION WORLD』に出演し、新作の企画について言及した。小島によれば、同企画は「4~5年前から存在していた」が、技術だけでは実現できず、一般に浸透した市場環境が整わなければ成立しないタイプの作品であったため、着手のタイミングを見極めていたという。近年ようやく必要な環境が整いつつあると判断し、「そろそろ実行に移そうかと思う」と述べた。また、内容が“尖った”ものであることから、「大規模開発ではなく、インディー的な小規模体制で進める」と説明した。インタビュアーがPS5などの高性能ハードの進化を意識した作品かどうかを尋ねると、小島はそれを否定し、「垂直方向への進化ではなく、水平方向の広がりを目指したアプローチ」であるとコメント。家庭用ゲーム機から携帯機、オンラインへと拡張してきたゲーム体験の流れを踏まえ、「今回はそのさらに先を目指す」と語った[13]
  • 6月13日 - 「Xbox & Bethesda Games Showcase 2022」にて、コジマプロダクションとXbox Game Studiosのパートナーシップ締結が発表された[14]。小島は、「マイクロソフトのクラウド技術」と「市場の変化」によって、自身が長年構想していたゲームの開発が可能となったと語った。
  • 12月22日 - 小島はマイクロソフトと進めているプロジェクトについて補足した。従来にないインフラを必要とする内容であったため、当初は複数の大手企業に提案しても「正気ではない」と判断されることが多かったという。最終的にマイクロソフトが意図と技術要件を理解し、インフラ面を含めて共同で開発を進める体制が整ったと述べた[15]

2023年

  • 10月 - 本作の特別企画合宿が熱海市で実施された[16]
  • 12月1日 - コジマプロダクションが「OD」および「Social Scream System」の商標を出願した[17][18]
  • 12月8日 - 「The Game Awards 2023」にて、ティザートレーラーと共に本作のタイトル『OD』が正式に発表される[19]。ステージには小島と共に、共同制作者として映画監督のジョーダン・ピールが登壇した。また、ピールの他にも複数のホラー分野のクリエイターが「クリエイティブパートナー」として参加することも示唆された。主要キャストとしてソフィア・リリスハンター・シェイファーウド・キアの3名が紹介された。
  • 12月9日 - 小島は自身のSNSで、以前から語っていた「小規模でとんがったタイトル」の正体が、本作『OD』であることを明言した[20]

2024年

  • 1月4日 - 小島はX(旧Twitter)にて、『OD』は“太陽光を使って屋外でヴァンパイアを倒すゲーム”(ボクらの太陽)と同じくらい、変わった企画であると述べた。この太陽光を利用したゲーム案は当時社内でも強い反発を受けたといい、本作もそれに匹敵するほど実験的な方向性を持つことを示唆した。

2025年

  • 9月23日 - コジマプロダクションの設立10周年記念イベントにて、新たなティザートレーラー『OD - KNOCK』が公開された[21]。小島は、本作が複数の作品群からなるプロジェクトであると説明。自身が手掛ける『OD - KNOCK』のほか、ジョーダン・ピールらが参加する別テーマの作品が存在することを示した。また、SAG-AFTRAによるゲーム業界に対するストライキの影響で、俳優の3Dスキャンは完了しているものの、本格的なパフォーマンスキャプチャーはこれから開始される段階であることが公表された。
  • 10月24日 - 公開されたインタビューにおいて、Xbox責任者のフィル・スペンサーが本作について語った[22]。スペンサーは、小島との最初の話し合いで、彼から非常に大胆なアイデアが共有されたこと、そして彼が「すごく怖いゲームを作りたい」という意志を持っていたことを振り返った。また、開発協力の側面にも触れ、Xbox Game Studiosは本作がUnreal Engine 5を採用していることから、主にUnreal Engine 5に関する技術的な知見を提供していると説明。さらに、ゲームプレイとテクノロジーの両面において、両社のメンバーが密接に連携を取りながら開発を進めていることも明かした。
  • 10月31日 - 本作をモチーフにしたハロウィンアートがコジマプロダクションのSNSで公開された。ティザー映像に登場する赤ん坊と、マッチ箱に描かれた飛行機がデザインの基になっている[23]
  • 出演予定だった俳優ウド・キアが逝去。SAG-AFTRAによるストライキの影響で長期間撮影を再開できず、当初は2026年に撮影再開予定とされていた。
  • 12月7日 - 小島は、トレーラーを見る限りは「普通のホラー」に見えるかもしれないが、実際には従来にない形式の作品になると説明した。これまで「見つかってはいけないゲーム」や「配達を主題としたゲーム」など独自性の強い作品を手がけてきたが、それらはシステム的には一般的なゲームと共通していたとし、システムから違うサービス形態にしようとしていると述べた。また、トレーラー内には多くのヒントを仕込んでおり、観察を続ければ気づける可能性があると示唆した[24]

『P.T.』『Silent Hills』との関連性

本作『OD』には、2015年に開発が中止されたコナミのホラーゲーム『Silent Hills』から継承されたと見られる構想が複数存在する。

『Silent Hills』は、サイレントヒルシリーズの完全新作として、当時コナミに在籍していた小島秀夫が開発を主導しており、その"遊べる予告編"として2014年に配信されたインタラクティブティーザー『P.T.』は、批評家から絶賛された。同作は後続のホラーゲームに多大な影響を与えたが、諸事情により『Silent Hills』本編は開発中止に至った経緯がある。

具体的な共通点としては、以下のような点が挙げられる。

極限の恐怖の追求
一般的なホラーゲームが商業的な理由から意図的に恐怖を抑制しているのに対し、両作は「プレイヤーが途中でプレイを放棄することも覚悟の上で、極限の恐怖を追求する」というコンセプトを共有している[25]。小島は、『Silent Hills』構想時(2014年)と『OD』発表後(2025年)の双方で、「(比喩として)失禁してしまうほど怖いゲームを目指している」という趣旨の発言を繰り返している[26][5]
他分野の著名クリエイターとの協業
ゲーム業界の枠を超え、他分野のクリエイターと協業する制作スタイルが共通している。『Silent Hills』では映画監督のギレルモ・デル・トロと漫画家の伊藤潤二が参加予定であったのに対し、『OD』では映画監督のジョーダン・ピールが共同制作者として参加することが発表されている[3][27]
エピソード形式での開発・配信構想
小島は『Silent Hills』の構想として、従来の大型ゲームのような一括開発ではなく、テレビシリーズのようにエピソード単位で制作・配信する手法を提唱していた。これは、開発リスクを低減しつつ、ユーザーの反応や時代性を迅速に作品へ反映させることを目的としたものであった。加えて小島は、特にホラーというジャンルと大規模開発の相性の悪さについて言及している。大作になると、商業的な理由からより多くのユーザーに訴求するための様々な要素を追加する必要が生じ、それが結果として純粋な恐怖を「崩壊」させてしまうと述べている。エピソード形式は、こうした問題を回避し、恐怖表現に妥協しない作品作りを可能にするための方法論でもあった[28]。『OD』も複数の独立した作品で構成されるプロジェクトであることが明かされており、この構想との共通点が見られる[5]

評価

関連作品

参考文献

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