TEAD2

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TEAD2(TEA domain transcription factor 2、別名: ETF、ETEF-1、TEF-4)は、TEAD1などとともに、進化的に高度に保存された転写因子ファミリーであるTEADファミリーを構成するタンパク質である[5][6]。TEADファミリータンパク質は、ショウジョウバエ(Scalloped)、線虫Caenorhabditis elegans(egl-44)、出芽酵母コウジカビの一種アスペルギルス・ニデュランスのものがよく知られている。TEAD2に関する研究はTEAD1と比較して少ないが、発生過程に関与していることが明らかにされている。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号TEAD2, ETF, TEAD-2, TEF-4, TEF4, TEA domain transcription factor 2
染色体19番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
TEAD2
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

3L15, 5DQE, 5DQ8, 5EMV, 5HGU

識別子
記号TEAD2, ETF, TEAD-2, TEF-4, TEF4, TEA domain transcription factor 2
外部IDOMIM: 601729 MGI: 104904 HomoloGene: 19662 GeneCards: TEAD2
遺伝子の位置 (ヒト)
19番染色体 (ヒト)
染色体19番染色体 (ヒト)[1]
19番染色体 (ヒト)
TEAD2遺伝子の位置
TEAD2遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点49,340,595 bp[1]
終点49,362,457 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
7番染色体 (マウス)
染色体7番染色体 (マウス)[2]
7番染色体 (マウス)
TEAD2遺伝子の位置
TEAD2遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点44,865,177 bp[2]
終点44,883,068 bp[2]
遺伝子オントロジー
分子機能 DNA-binding transcription factor activity
DNA結合
血漿タンパク結合
transcription factor activity, RNA polymerase II distal enhancer sequence-specific binding
sequence-specific DNA binding
transcription coactivator binding
protein heterodimerization activity
disordered domain specific binding
DNA-binding transcription factor activity, RNA polymerase II-specific
細胞の構成要素 核質
細胞質基質
細胞内膜で囲まれた細胞小器官
細胞核
transcription regulator complex
生物学的プロセス transcription initiation from RNA polymerase II promoter
regulation of transcription, DNA-templated
Hippo経路
transcription, DNA-templated
脈管形成
embryonic heart tube morphogenesis
regulation of stem cell differentiation
notochord development
negative regulation of cell death
neural tube closure
paraxial mesoderm development
lateral mesoderm development
cellular response to retinoic acid
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
embryonic organ development
positive regulation of transcription, DNA-templated
protein-containing complex assembly
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_001256658
NM_001256659
NM_001256660
NM_001256661
NM_001256662

NM_003598

NM_001285498
NM_001285500
NM_011565
NM_001379272
NM_001379273

RefSeq
(タンパク質)
NP_001243587
NP_001243588
NP_001243589
NP_001243590
NP_001243591

NP_003589

NP_001272427
NP_001272429
NP_035695
NP_001366201
NP_001366202

場所
(UCSC)
Chr 19: 49.34 – 49.36 MbChr 19: 44.87 – 44.88 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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機能

TEAD2は哺乳類のTEAD転写因子ファミリー(当初はTEFファミリーと呼ばれていた)の一員であり、TEA/ATTS型DNA結合ドメインを有する[7]。哺乳類においてこのファミリーに属するメンバーには、TEAD1、TEAD2、TEAD3英語版TEAD4英語版がある。

組織分布

TEAD2は、小脳精巣、四肢の肢芽英語版の遠位部や尾芽など一部の胚組織に選択的に発現しているが、基本的に成体組織では発現していない[8]。TEAD2は2細胞期など発生の極めて初期段階にも発現していることが示されている[9]

オルソログ

TEADタンパク質は多くの生物種でさまざまな名称がつけられており、さまざまな機能を有することが反映されていると考えられる。出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおけるホモログであるTEC-1タンパク質はトランスポゾンTY1を調節しており、また偽菌糸(pseudohyphae、栄養不良条件下で生育された酵母が形成する伸長した形状)の形成に関与している[10]アスペルギルス・ニデュランスAspergillus nidulansでは、TEAドメインタンパク質AbaAは分生子柄の分化を調節している[11]ショウジョウバエでは、Scallopedが翅原基の発生、生存、細胞成長に関与している[12]アフリカツメガエルXenopus laevisではTEAD1のオルソログが筋分化を調節していることが示されている[13]

機能

TEAD2は、PAX3英語版の発現を直接的に制御することで神経発生を調節している[14]。また、TEAD2は増殖中の神経上皮細胞に発現しており、また分化後の神経細胞にはみられないことから、神経細胞の増殖に関与していることが示唆されている[15]。一方で、Tead2ヌルマウス胚の発生は見かけ上正常であり、TEAD1とTEAD2は機能的に冗長であることが示唆されている[16]。Tead1とTead2のダブルノックアウトマウスでは脊索の発生の欠陥に加え、細胞増殖の低下とアポトーシスの増大が観察され、これらの過程の制御にも関与していると考えられている[17]

翻訳後修飾

TEAD2は、タンパク質のC末端領域に位置する保存されたシステイン残基がパルミトイル化される。この翻訳後修飾は、TEADタンパク質の適切なフォールディングと安定性に重要である[18]。TEAD2はリジン75番残基がユビキチン化され、またいくつかの部位がリン酸化されることがバイオインフォマティクスから示唆されている[17]

コファクター

TEADファミリーの転写因子が標的遺伝子の転写を誘導するためには、コファクターの結合を必要とする[19]。TEAD2の特異的コファクターに関する研究は非常に限られているが、TEADファミリー内での高い相同性のためTEADタンパク質の間でコファクターは共通していると考えられている。TEAD2と相互作用するコファクターには次のようなものがある。

YAPとそのパラログであるTAZは全てのTEADタンパク質と相互作用し、TEADの転写活性を高めるコアクチベーターとして機能することが示されている[20][21]。YAP/TAZはHippoシグナル伝達経路におけるエフェクターとして機能し、この経路の活性化によってYAP/TAZはリン酸化されて核外搬出される。この経路は細胞増殖の抑制とアポトーシスの促進によって器官の成長を制限する腫瘍抑制性経路である[22][23]

また、4種類のVGLL(Vestigial-like)タンパク質も全てのTEADタンパク質と相互作用する[24]。TEADとVGLLの相互作用の正確な機能は十分には理解されていないが、TEAD/VGLL1複合体は前立腺がん細胞株の足場非依存性細胞増殖を促進することから、がんのプログレッションに関与していることが示唆されている[25]

TEADタンパク質はステロイド受容体コアクチベーター(SRC)ファミリーのメンバーとも相互作用し、SRCファミリーの全てのメンバーがTEADタンパク質のコアクチベータとして機能することがHeLa細胞において示されている[26]血清応答因子(SRF)とTEAD2は、DNA結合ドメイン、すなわちそれぞれMADSドメインとTEAドメインを介して相互作用し、共に転写を調節していることが示されている[27]。またTEADタンパク質はMEF2とも物理的に相互作用し、MEF2のDNAへの結合は、MEF2結合部位に隣接して位置しているMCAT配列へのTEAD2のリクルートを増強する[28]

臨床的意義

動物モデルでの研究では、TEAD2が無脳症と関連している可能性が指摘されている[29]

出典

関連文献

外部リンク

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