TEAD2
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TEAD2(TEA domain transcription factor 2、別名: ETF、ETEF-1、TEF-4)は、TEAD1などとともに、進化的に高度に保存された転写因子ファミリーであるTEADファミリーを構成するタンパク質である[5][6]。TEADファミリータンパク質は、ショウジョウバエ(Scalloped)、線虫Caenorhabditis elegans(egl-44)、出芽酵母、コウジカビの一種アスペルギルス・ニデュランスのものがよく知られている。TEAD2に関する研究はTEAD1と比較して少ないが、発生過程に関与していることが明らかにされている。
機能
TEAD2は哺乳類のTEAD転写因子ファミリー(当初はTEFファミリーと呼ばれていた)の一員であり、TEA/ATTS型DNA結合ドメインを有する[7]。哺乳類においてこのファミリーに属するメンバーには、TEAD1、TEAD2、TEAD3、TEAD4がある。
組織分布
オルソログ
TEADタンパク質は多くの生物種でさまざまな名称がつけられており、さまざまな機能を有することが反映されていると考えられる。出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおけるホモログであるTEC-1タンパク質はトランスポゾンTY1を調節しており、また偽菌糸(pseudohyphae、栄養不良条件下で生育された酵母が形成する伸長した形状)の形成に関与している[10]。アスペルギルス・ニデュランスAspergillus nidulansでは、TEAドメインタンパク質AbaAは分生子柄の分化を調節している[11]。ショウジョウバエでは、Scallopedが翅原基の発生、生存、細胞成長に関与している[12]。アフリカツメガエルXenopus laevisではTEAD1のオルソログが筋分化を調節していることが示されている[13]。
機能
翻訳後修飾
コファクター
TEADファミリーの転写因子が標的遺伝子の転写を誘導するためには、コファクターの結合を必要とする[19]。TEAD2の特異的コファクターに関する研究は非常に限られているが、TEADファミリー内での高い相同性のためTEADタンパク質の間でコファクターは共通していると考えられている。TEAD2と相互作用するコファクターには次のようなものがある。
YAPとそのパラログであるTAZは全てのTEADタンパク質と相互作用し、TEADの転写活性を高めるコアクチベーターとして機能することが示されている[20][21]。YAP/TAZはHippoシグナル伝達経路におけるエフェクターとして機能し、この経路の活性化によってYAP/TAZはリン酸化されて核外搬出される。この経路は細胞増殖の抑制とアポトーシスの促進によって器官の成長を制限する腫瘍抑制性経路である[22][23]。
また、4種類のVGLL(Vestigial-like)タンパク質も全てのTEADタンパク質と相互作用する[24]。TEADとVGLLの相互作用の正確な機能は十分には理解されていないが、TEAD/VGLL1複合体は前立腺がん細胞株の足場非依存性細胞増殖を促進することから、がんのプログレッションに関与していることが示唆されている[25]。
TEADタンパク質はステロイド受容体コアクチベーター(SRC)ファミリーのメンバーとも相互作用し、SRCファミリーの全てのメンバーがTEADタンパク質のコアクチベータとして機能することがHeLa細胞において示されている[26]。血清応答因子(SRF)とTEAD2は、DNA結合ドメイン、すなわちそれぞれMADSドメインとTEAドメインを介して相互作用し、共に転写を調節していることが示されている[27]。またTEADタンパク質はMEF2とも物理的に相互作用し、MEF2のDNAへの結合は、MEF2結合部位に隣接して位置しているMCAT配列へのTEAD2のリクルートを増強する[28]。