WWTR1

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記号WWTR1, TAZ, WW domain containing transcription regulator 1
終点149,736,714 bp[1]
WWTR1
識別子
記号WWTR1, TAZ, WW domain containing transcription regulator 1
外部IDOMIM: 607392 MGI: 1917649 HomoloGene: 9159 GeneCards: WWTR1
遺伝子の位置 (ヒト)
3番染色体 (ヒト)
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
3番染色体 (ヒト)
WWTR1遺伝子の位置
WWTR1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点149,517,235 bp[1]
終点149,736,714 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
3番染色体 (マウス)
染色体3番染色体 (マウス)[2]
3番染色体 (マウス)
WWTR1遺伝子の位置
WWTR1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点57,363,070 bp[2]
終点57,483,331 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 protein homodimerization activity
transcription corepressor activity
transcription coactivator activity
血漿タンパク結合
細胞の構成要素 細胞質
transcription regulator complex
核質
細胞核
細胞質基質
核内構造体
生物学的プロセス negative regulation of protein phosphorylation
cilium assembly
regulation of metanephric nephron tubule epithelial cell differentiation
negative regulation of fat cell differentiation
regulation of transcription, DNA-templated
negative regulation of protein kinase activity
multicellular organism growth
regulation of canonical Wnt signaling pathway
糸球体発生
negative regulation of transcription by RNA polymerase II
Hippo経路
positive regulation of epithelial to mesenchymal transition
regulation of SMAD protein signal transduction
SCF-dependent proteasomal ubiquitin-dependent protein catabolic process
mesenchymal cell differentiation
stem cell division
protein ubiquitination
osteoblast differentiation
kidney morphogenesis
positive regulation of cell population proliferation
transcription initiation from RNA polymerase II promoter
negative regulation of canonical Wnt signaling pathway
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
transcription, DNA-templated
tissue homeostasis
心臓のプロセス
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001168278
NM_001168280
NM_015472
NM_001348362

NM_001168281
NM_133784

RefSeq
(タンパク質)

NP_001161750
NP_001161752
NP_056287
NP_001335291

NP_001161753
NP_598545

場所
(UCSC)
Chr 3: 149.52 – 149.74 MbChr 3: 57.36 – 57.48 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

WWTR1(WW domain-containing transcription regulator protein 1)またはTAZ(transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)[5]は、ヒトではWWTR1遺伝子によってコードされているタンパク質である。WWTR1は転写コレギュレーター英語版として機能し、単独で転写に影響を及ぼすことはない[5]。WWTR1は結合パートナーとなる転写因子と複合体を形成した際に、発生、細胞の成長や生存と関連した経路の遺伝子発現を補助し、アポトーシスを阻害する[6]。WWTR1の機能の異常はがんの駆動に関与していることが示唆されている[7][8][9]。TAZという略称はタファジン英語版を指して用いられることもあるため、混同しないよう注意が必要である。

YAPとTAZのドメイン構造の差異[10]

WWTR1(TAZ)には、プロリンリッチ領域、TEAD結合モチーフ、WWドメインコイルドコイル領域、PDZドメイン結合モチーフを有するトランス活性化ドメイン(TAD)が含まれている。TAZにはDNA結合ドメインは存在せず、転写を直接的に駆動することはできない。TAZは、同じく転写コレギュレーターであるYAPと構造的相同性がみられる[5]。YAPとTAZはコイルドコイルドメインでの相互作用を介してホモ二量体や両者からなるヘテロ二量体を形成することができる[11]。YAPとTAZは転写因子と協働して組織形成を促進する。TAZはさまざまな転写因子パートナーと相互作用し、TEAD結合モチーフを介してTEADファミリーのメンバー(TEAD1/2/3英語版/4英語版)と相互作用し、WWドメインを介してRunx/PEBP2、AP-2英語版C/EBP英語版c-JunKrox-20英語版Krox-24英語版MEF2B英語版NF-E2英語版Oct-4p73英語版などPPxYモチーフを有するいくつかの因子と相互作用する[6]。C末端(165–395番)のトランス活性化ドメインは、転写への作用を発揮するために重要であることが示されている[6]

機能

WWTR1(TAZ)、そして構造的に類似したタンパク質であるYAPは、どちらも転写コアクチベーターとして機能し、Hippo経路の活性化によって調節されている。

TAZは胚発生のほか、器官サイズの調節[12][13][14]幹細胞の自己複製[15]、組織の再生[15][16]骨形成[17]血管新生[18]など、その後の発生過程にも重要な役割を果たしている[19][20]。こうした機能は、TEADファミリー転写因子、PAX3RUNX1/2英語版など細胞成長、遊走、分化を促進する転写因子に対してコアクチベーターとして作用するすることで発揮されている[10]。TAZとそのパラログであるYAPの増殖機能は、Hippoシグナル伝達経路によって制限されている[21][22][23]。この抑制経路はキナーゼによるシグナル伝達カスケードから構成される。活性化されたセリン/スレオニンキナーゼSTK3/MST2STK4/MST1英語版は調節タンパク質SAV1英語版と複合体を形成してキナーゼLATS1英語版/2英語版をリン酸化して活性化し、活性化されたLATS1/2は調節タンパク質MOB1英語版と複合体を形成してYAP/TAZをリン酸化して不活性化する[12][20][24]。Hippo経路の活性化はこうして増殖遺伝子の発現を低下させることで細胞成長を停止させ、またフェロトーシスによる細胞死の減少[25][26]、アポトーシスによる細胞死の増大をもたらす[12][20]

YAPとの機能的冗長性

類似性

YAPとTAZは類似した配列や結合モチーフを有する[10]。既存の文献においては、YAPとTAZは機能的に冗長なものとみなされていることも多い[10]。両者は器官サイズの成長、細胞遊走創傷治癒血管新生代謝(特にリポジェネシス)に関与している[10][27]。YAPやTAZの不活性化はHippo経路のキナーゼ、すなわちLATS1とLATS2によるリン酸化を介して行われる[10]。リン酸化によって調節タンパク質14-3-3がリクルートされ、YAP/TAZは核移行が妨げられてユビキチン標識がなされ、その後プロテアソームによって分解される[10]

差異

TAZはTEADとヘテロ二量体(TAZ-TEAD)やヘテロ四量体(TAZ-TEAD-TAZ-TEAD)を形成して転写を開始するのに対し、YAPが形成することができるのはYAP-TEADヘテロ二量体のみである[10]。こうした差異によって、PPARγとの相互作用による脂肪細胞分化の調節や、RUNX2(Cbfa1)など骨特異的転写因子に対するコアクチベーター機能による骨形成といった、TAZに固有の機能がもたらされている[10]。さらに、TAZはNFATC5と相互作用して浸透圧ストレス時の腎細胞の転写を抑制する[10]。YAPとTAZはどちらもSMAD複合体と結合してTGF-βシグナル伝達を促進し、分化や発生を駆動するが、TAZだけがこのシグナル伝達カスケードによってアップレギュレーションされる[10]。またTAZはSMAD2英語版SMAD3SMAD4のみと複合体を形成して核移行と転写を促進するのに対し、YAPはこれらに加えてSMAD1英語版SMAD7とも相互作用する[10]。マウスでのin vivo研究では、機能的なTAZを喪失した動物はYAPの発現を喪失した動物と比較して生存性が高いことが示されている[10]。YAPのサイレンシングは細胞増殖、グルコースの取り込み、細胞周期の停止に関して、TAZよりも強力な影響を及ぼす[10]非小細胞肺癌英語版細胞株でのアッセイでは、YAPは細胞分裂や細胞周期の進行の調節と関連した遺伝子を主に調節しているのに対し、TAZは細胞外マトリックスの組織化や接着と関連した遺伝子を主に調節していることが示されている[10]

相互作用

臨床的意義

出典

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