おやき
長野県の郷土料理
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概要
製法
長野県の多くの地域は、急峻な地形や寒冷な気候ゆえに米の栽培に適さない。したがって、コムギやソバが畑作物として栽培され、小麦粉、そば粉を素材とした食品が準主食として食べられていた。おやきはその一つであり、小麦粉や蕎麦粉を練って作った皮で具を包む。一方、豪雪地帯の下水内郡栄村は、小麦の栽培に適さない代わりに稲作には向いているため、米粉を原料とした「あんぼ」というおやきが作られてきた。
あんの材料には野菜・山菜が用いられるのが一般的。長野県の名物である野沢菜漬もよく入れられる。このほか茄子、おから、きのこ、かぼちゃ、切り干し大根、複数の野菜を混ぜたもの、胡桃など様々な種類がある。野菜・山菜のあんは、あらかじめ味噌、塩、しょうゆなどで味付けをしておく。明治初期の記録では、一番多く使用されていたの野菜類はカブであり、穀物の補助的役割を果たしていた[7]。太平洋岸・日本海沿岸と交流が多かった地区では、塩秋刀魚や鰯など魚をあんに用いることもあった。小豆餡やかぼちゃ餡、栗あずき、リンゴを甘く煮詰めたもの[8]を入れた甘い菓子風のおやきもある。地元住民の軽食や観光客向けの土産物として広まるにつれ、カレー味やチーズ入りのピザ風おやきなど一段と多彩になっている。おやきを鍋のシメに入れる「おやき鍋」という食べ方もある[9]。
元は小麦粉や雑穀粉の皮であんを包み、焙烙で表面を軽く焼いて乾かしてから囲炉裏の熱い灰に埋め、蒸し焼きにした食品だった。しかし石油ストーブやガスコンロの普及により各家庭から囲炉裏が失われた昭和中期以降では、油を引いた鉄板で焼くか、オーブンなどで焙り焼きにする。長野市中心部など善光寺平(長野盆地)では、「お焼き」の名前ながら蒸籠や蒸し器で蒸すのが一般的である。生地をシソなどの葉で包んで蒸す、蒸し器の中に笹やミョウガなど葉を敷いて風味をつける方法もある[10]。