アラミス

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アラミスとその従僕バザン(『三銃士』1849年版、アラミスの原著挿画、パブリックドメイン)

アラミス: Aramis)は、アレクサンドル・デュマ・ペールの小説『ダルタニャン物語』に登場する架空の人物。

三銃士の一人で、ダルタニャンアトスポルトスと共に活躍する。剣術に優れ、礼儀正しく、知性と機知に富む美貌の青年。理知的だが、同時に野心家であり、出世や宗教的な野望を抱くこともある。
「アラミス」は仮名。「二十年後」「ブラジュロンヌ子爵」では「ルネ(René)」[1]「デルブレー卿(le chevalier d’Herblay)」として登場する。優雅で洗練された立ち居振る舞いを見せ、仲間との友情を大切にしながらも、政治野心や策略に長けた面を持つ。
ダルタニャン、ポルトス、アラミス(右端)(挿絵、Maurice Leloir、パブリックドメイン)

『三銃士』

アトスポルトスとともにパリの三銃士の1人。正確な年齢は不明だが、三銃士の最年少であり、ダルタニャンより3歳ほど年上[2]
銃士時代は、聖職者に戻る意向をしばしば口にする。しかし俗気があり、決闘好きで恋愛は華やかである。
剣や銃の扱いにすぐれており、カルム・デショーでダルタニャンを加えた4人とリシュリューの親衛隊5人が決闘した際には、アラミス1人で2人を相手にし、そつなく勝利を収めた。
女性関係は華やか。序盤で、ダルタニャンと決闘騒ぎを起こしたのも恋の秘密を守るためである。
アンヌ王妃の友人シュヴルーズ公爵夫人と恋愛関係にあり、後編では、公爵夫人経由でバッキンガム公への書簡の伝達をする描写がある。
家族構成が比較的判明しているアトスたちに対し、アラミスは家族関係の情報はあまり描かれていない。
9才で神学校に入学し、神学生だったが、貴婦人をめぐる決闘で将校を殺めたことから僧籍に戻りにくくなり、銃士になった。
外見は、あどけない顔つき、穏やかな黒い目、ばら色の頬、唇の上には美しい口ひげがある。手はアーモンドや香油で手入れしているので美しい。
住居はヴォージラル通り。従僕はバザンで、アラミスが聖職者に戻る日を待ち侘びている。[3]

二十年後

ノワジー・ル・セックの修道院で司祭をしている。
ロングヴィル公爵夫人が恋人ということもあり、フロンドの乱ではフロンド派。
アンヌ王太后とマザランに仕えるダルタニャンとは対立する立場になるが、友情は変わらないと確認し合う。
フロンドの乱のシャラントンの戦いではシャティヨン公を銃で打ち破る活躍をした。
姿が美しく上品で才識にあふれ明敏な頭脳を持っているため、教養豊かな有力者に気に入られる傾向にある。
アトスと共にアンリエット王妃に頼まれ、清教徒革命のさなかのイングランドへチャールズ1世を救出に行き、クロムウェル軍と戦うが、救出は失敗。
フランスに帰国し、ダルタニャンたちと共にマザランを誘拐し、マザランの生命を助ける交換条件として、ロングヴィル公爵夫人の赦免と領地の回復、ロングヴィル公爵夫人が出産する赤ん坊[4]の名付け親に国王を指定している。このことからロングヴィル公爵夫人が出産する赤ん坊はアラミスの子供ではないかと示唆されているが、明記はされていない。

ブラジュロンヌ子爵

ヴァンヌの司教、イエズス会の新管区長となり、財務大臣ニコラ・フーケの懐刀として、フーケ失脚を企てるルイ14世コルベールと敵対する。
外見はなお若々しくすらりとして、力強い脚と血色のよい顔と白い歯をしているが通風で結石。
1661年、ルイ14世の出生の秘密を握っていた事から[5]ローマ法王になる野心を抱き、ポルトスを味方に引き入れて、国王の身柄をすり替える王位簒奪を画策するが、失敗[6]
自らが築城したベル・イール・アン・メール要塞に籠城するが、国王軍に上陸され、戦闘中にポルトスを失う。
一晩泣き明かしたあと、スペイン亡命した。しかし、1668年にはアラメダ公爵と名を変え、スペインの外交使者としてフランスに来訪。ダルタニャンと再会を果たし、かつて煮湯を飲ませたルイ14世からも手厚い歓待を受けている。
『ダルタニャン物語』終了時点で、四人の銃士の中では、ひとりだけ生存している。
アラミスの肖像(挿絵、Philippoteaux & Piaud、『ブラジュロンヌ子爵』挿絵1852年、パブリックドメイン)

モデル

アラミスには実在のモデルとして、アンリ・ダラミツ(Henri d'Aramitz)という人物がいる。銃士隊長・トレヴィルの甥であったので、コネをたどって銃士隊に入る。ただ、軍人として特に目立つ功績は立てていない。

派生作品など

参考文献

脚注

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