エイプリルフール

嘘をついてもよいとされる日、毎年4月1日のこと From Wikipedia, the free encyclopedia

エイプリルフールApril Fools' Day)とは、毎年の4月1日悪戯をついてもよいという風習のことである[1]。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが[2]、それ以外の地域では一日中行われる[3]

趣旨 冗談
日付 4月1日
概要 エイプリルフール, 種類 ...
エイプリルフール
2001年コペンハーゲン地下鉄の建設時のエイプリルフール
種類 西洋文化
趣旨 冗談
日付 4月1日
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エイプリルフールは、日本語では直訳で「四月馬鹿[1]漢語的表現では「万愚節」、中国語では「愚人節」、フランス語では「プワソン・ダヴリル」(Poisson d'avril, 四月の魚)と呼ばれる。

プリルフールと表記されることがある。

大阪毎日新聞・1932年3月31日付の「四月の馬鹿エプリル・フール」の紹介記事。

起源

BBCは「ビッグベンデジタル化」と嘘の報道をした

エイプリルフールの起源は全く不明で、いつ、どこでエイプリルフールの習慣が始まったかはわかっていない。有力とされる起源説が存在するが、いずれも確証がないことから、仮説の域を出ていない。以下に挙げるのは、その例である。

かつてのヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたが1564年にフランスのシャルル9世1月1日を新年とする暦を採用した。これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、馬鹿騒ぎをはじめた[4]。この説を利用し、さらに「嘘の嘘の新年」なる説まで登場したが、これは2006年に意図的に本項目に書き込まれたデマ情報である(嘘の嘘の新年を参照)[5]

インドで悟りの修行は、春分から3月末まで行われていたが、すぐに迷いが生じることから、4月1日を「揶揄節」と呼んでからかったことによるとする説もある[4][6]。この説によれば、インドの「揶揄節」が西洋に伝わったものがエイプリルフール、中国に伝わったものが「万愚節」になったという[6]。この説は『科学朝日』1965年4月号に載った山川方夫の『僧侶の夢』が元ネタとされる[7]。『僧侶の夢』などの教科書に出てくる作品を国語の授業で教える方法について説いた『教室で「文学」を読む』では「南伝・北伝いずれの仏教伝承の節会を見ても、揶揄節に当たるものはないようだ。作者は明らかにエイプリル・フールを逆手にとって、エイプリル・フールそのもので読者をかついでいるのである。」とあり揶揄節が山川方夫が作品内で登場させたフィクションであることが示されている[7]。『三省堂英和大辭典』では揶揄節はAll Fools' dayの日本語訳として載っていること[8]、揶揄節の英語訳やヒンディー語訳がないこともその証拠とされる。

イングランド王政復古の記念祭であるオークアップルデー(en:Oak Apple Day)に由来を求める説がある。

フランスではエイプリルフールを Poisson d’avril(4月の魚)といい、子供達が紙に書いた魚の絵を人の背中にこっそり張り付けるいたずらをする。この『4月の魚』とはサバのことを指すと言われ、ちょうどこの頃にサバがよく釣れるためこう呼ばれるとされる。

日本には大正時代に欧米のエイプリルフールが伝わったが、前述の中国の「万愚節」が江戸時代の日本に伝わり「不義理の日」と呼ばれていたという説もある[6]。この「不義理の日」も揶揄節同様にエイプリルフールに絡めて作られた嘘である可能性が高い[9]

エイプリルフールとメディア

東京新聞は「東京タワーが傾く。原因は足元の“おなら”」と嘘の報道を行った(2006年)
多摩地区だけはやたらと詳しい3D地球儀ソフト」という偽記事も登場した(2005年)[10]

4月1日には、世界中で新聞の内容のニュース記事を掲載したり、報道番組でジョークニュースを報道したりといったことが広く行われている。インターネットが普及してからは、実用性のない冗談RFCが公開されたり、ウェブサイトではジョークコンテンツを公開するといったことも行われている。

ジョークのスケールは簡易なものから大きな労力をつぎ込んだものまでがあり、サイトは個人発から大手企業発までがある。ときには、閲覧者から嘘の情報の内容についての問合せが来ることもある(BBCの「ビッグ・ベンデジタル化、その時計針のプレゼント」(1980年、2008年)、「ペンギンが空を飛ぶ」(2008年)[11]など)。

かつては通信社が配信した嘘記事を、日本の新聞社が本当のニュースとして掲載したことがあった。1995年には「ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスが初の小説『山々の彼方に』を出版する」という記事が朝日新聞にニュースとして掲載された[12]。しかし、出典のフランクフルター・アルゲマイネの記事がエイプリルフールの冗談であったとして、後に記事を撤回した[13]。2005年に日本の東京新聞が掲載した「スマトラ沖地震の余波で沖縄南端に新島が出現」という記事を、韓国京郷新聞がニュースとして掲載するなど、別のメディアが情報元を真に受けてしまった事例もある。

東京新聞の「こちら特報部」では、2001年平成13年)から4月1日にエイプリルフールの記事を紙面に掲載するとともに、エイプリルフール連動広告を組んでいる[14]

中華人民共和国では、新華社2016年4月1日にエイプリルフールについて「中国の特色ある文化や社会主義の核心的価値に合わない。便乗して参加せず、嘘をつかない、嘘を伝え広げない、嘘に惑わされないように。」と新浪微博で呼びかけた。しかし、中国のインターネットユーザーは「国営メディアは毎日が嘘情報」、「中国人民は67年間も嘘を付かれ続けてきた」、「西洋諸国ではエイプリルフールは4月1日が過ぎれば終わりだが、中国では年中エイプリルフールだからな」、「冗談も言えないような民族は悲しいものだよ」とブラックジョークとして皮肉った。イギリスガーディアンアメリカ合衆国ニューヨーク・タイムズは、「2016年のベストジョーク」として報道した[15][16]

しかし2016年アメリカ合衆国大統領選挙で、いわゆる偽ニュース(フェイクニュース)が社会問題化すると、北欧メディアなどでは伝統となっていたエイプリルフール記事を2017年から自粛するようになった[17]

2020年新型コロナウイルスの流行が拡大するとフェイクニュース対策としてエイプリルフール自粛の流れが世界的に拡大した[18][19]

4月の月初や年度初めなどに報道発表する場合に4月1日を避ける場合もある。例えばアメリカ政府が4月2日に政府発表をした理由として、エイプリルフールに発表する場合より労力がかからないとしている[20]

エイプリルフールと企業

全国の10〜60代の684名を対象とした、企業のエイプリルフールネタは楽しいと思うかどうかを調査した結果(しらべぇ2025年[21]

  Yes (41.4%)
  No (58.6%)

年に一度、ジョークが許容されるエイプリルフールでは、企業が遊び心を出すことによって話題化を狙うマーケティング施策をとることがある[22]。この文化は特に2010年代に入って定着し始めた[23]。比較的、低コストで実施できるため多くの企業がこの流れに参入してきたという経緯がある[22]。一例として、2023年亀田製菓株式会社は、自社が製造販売している米菓ハッピーターン」の「ハッピー(幸せ)」を改変し、「つらターン」をSNS上に投稿したところ大きな反響を呼び、実際に商品化するまでに至った[22][24]2025年サントリーは「暑すぎる夏に!天然水20ℓペットボトル今夏新発売!」というメッセージと共に、巨大なサントリー天然水ペットボトルを片手で飲む少年の写真を投稿[25]Xにて10万件ほどのいいね(高評価)を獲得した。このような良い結果に終わった例がある中、議論を生んでしまう投稿がなされる場合がある。2025年、ほっかほっか亭は全店舗にて、米の価格高騰を理由にライスの販売を停止する旨の文章を投稿[26]。この投稿には「#エイプリルフール」と記載があったものの、「ネタとして面白くない」「米の価格が高騰している中で不謹慎」「事実でないかと誤認する」といった批判が飛び交い炎上してしまった[27]。なお、「#エイプリルフール」とあらかじめ記載する行為はほっかほっか亭の事例に限った話ではなく、他の企業においても多く見られる[28]

メルカリの元広報責任者である矢島聡は、「2000年代から2010年代にかけては、インターネット文化の広がりとともに、IT企業を中心にユニークな取り組みが次々と生まれ、それ自体が一種のカルチャーとして業界の盛り上がりを生んでいた」と振り返っている。また、現在のエイプリルフールにおける企業の動きについて「悪ノリや不謹慎と受け取られるリスクが高まっている」「リターンとリスク、コストのバランスが合わなくなってきている」と指摘している[22]

日本酒「絹乃峰」の製造元である赤名酒造は、「公式さん方はエイプリルフールはもう流行ってないのを理解した方が良いですね」と指摘した[29]漫画家カレー沢薫は、マイナビニュース「+Digital」の記事内にて、エイプリルフールを「企業アカ炎上の日」と表現した[30]

2019年には当時マイクロソフト最高マーケティング責任者英語版(CMO)であったクリス・カポセラ英語版は、従業員宛てにエイプリルフール禁止のお達しメモを送った[31]

また、同年は新元号発表(令和)と重なったため、多くの企業がエイプリルフールでの活動を自粛した[27]

エイプリルフールを題材にした作品

参照

脚注

参考文献

関連項目

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