エドウィン・ディアス
プエルトリコのプロ野球選手 (1994-)
From Wikipedia, the free encyclopedia
エドウィン・オーランド・ディアス・ラボイ(Edwin Orlando Díaz Laboy, 1994年3月22日 - )は、プエルトリコのナグアボ出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。ロサンゼルス・ドジャース所属[2]。愛称はシュガー[3]。
| ロサンゼルス・ドジャース #3 | |
|---|---|
|
ニューヨーク・メッツ時代 (2019年3月2日) | |
| 基本情報 | |
| 国籍 |
|
| 出身地 | ナグアボ |
| 生年月日 | 1994年3月22日(32歳) |
| 身長 体重 |
6' 3" =約190.5 cm 165 lb =約74.8 kg |
| 選手情報 | |
| 投球・打席 | 右投右打 |
| ポジション | 投手 |
| プロ入り | 2012年 MLBドラフト3巡目 |
| 初出場 | 2016年6月7日 |
| 年俸 | $17,000,000(2026年)[1] |
| 経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
| 国際大会 | |
| 代表チーム |
|
| WBC | 2017年、2023年、2026年 |
この表について
| |
| 獲得メダル | ||
|---|---|---|
| 男子 野球 | ||
| ワールド・ベースボール・クラシック | ||
| 銀 | 2017 | |
同じくプロ野球選手のアレクシス・ディアスは実弟である。
経歴
プロ入りとマリナーズ時代
2012年のMLBドラフト3巡目(全体98位)でシアトル・マリナーズから指名され、プロ入り[4][5]。
2014年は、A級クリントン・ランバーキングスで24試合に先発登板し、116.1イニングを投げて、防御率3.33、6勝8敗、WHIP1.19を記録した[6]。
2015年は、A+級ベーカーズフィールド・ブレイズで7試合に先発登板し、37.0イニングで防御率1.70、奪三振42、WHIP0.81、AA級では20試合に先発登板し、104.1イニングで防御率4.57、奪三振103、WHIP1.33を記録した[6]。
2016年6月4日にメジャー初昇格を果たした[7]。6月6日のクリーブランド・インディアンス戦(セーフコ・フィールド)でリリーフ登板しメジャーデビューを果たした[8]。8月2日にボストン・レッドソックス戦でスティーブ・シシェックに代わり抑え投手を務め[9]、初セーブを記録した[10]。以後も継続的に抑えで起用され、最終的には49試合に登板して防御率2.79、0勝4敗18セーブを記録した[6]。新人王投票では5位タイだった(受賞者はマイケル・フルマー)[11]。
2017年は開幕からクローザーを務め、66試合に登板して4勝6敗34セーブ、防御率3.27を記録した[6]。

(2018年6月25日)
2018年は抑えとして防御率1.96、リーグ最多(ボビー・シグペンに並ぶ歴代2位タイ)の57セーブを記録し、最多セーブ投手のタイトルを獲得した[6]。サイ・ヤング賞投票では8位だった(受賞者はブレイク・スネル)[12]。また、自身初となるア・リーグの最優秀救援投手賞(マリアノ・リベラAL最優秀救援投手賞)を受賞した[13]。
メッツ時代
2018年12月1日に2対5の大型トレードでヘルソン・バウティスタ、ジェイ・ブルース、ジャレッド・ケルニック、アンソニー・スウォーザック、ジャスティン・ダンとのトレードでロビンソン・カノと共にニューヨーク・メッツへ移籍した。[14]
2019年はワシントン・ナショナルズとの開幕戦でメッツ移籍後初セーブを記録した[15]。シーズン前半は9イニングあたりの被安打数が前年の2倍以上となり、Adjusted ERA+も前年の210から74にまで低下した。デッドスピンに寄稿したデビッド・ロス氏はこの年の不調選手の中でディアスの不調は「間違いなく最も劇的で最も驚くべきもの」と評した[16]。9月26日の試合で9回にシーズン15本目となる被本塁打を献上し、MLB史上で1人の投手が1シーズンに与えた9回の被本塁打の最多記録を更新した[17]。58.0イニングを投げ26セーブを記録したが、防御率は5.59だった[6]。
2020年はCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中、10回のセーブ機会で6セーブを記録し、25.2イニングで50奪三振、14四球、防御率1.75を記録した[6]。
2021年は、63試合に登板して防御率3.45、5勝6敗32セーブを記録した[6]。
2022年4月8日のナショナルズ戦後に祖母が亡くなってプエルトリコへ帰郷するため、4月9日に忌引リストに登録された[18]。9月1日のロサンゼルス・ドジャース戦で自身最速の102.8mph(約165.4km/h)を記録した[19]。この年は61試合に登板して防御率1.31、3勝1敗32セーブ4ホールド、118奪三振を記録し[6]、チームのポストシーズン進出に貢献した。ナショナルリーグワイルドカードシリーズで自身初のポストシーズンへの出場を果たしたが、2試合を無失点に抑えたもののチームは敗退した。 オフの11月6日にFAとなった[20]。11月9日にメッツと5年総額1億200万ドルで再契約した[21]。6年目の2028年は2000万ドルのチームオプションとなる。救援投手としてはアロルディス・チャップマンの8500万ドルを超えて史上最高額となった[22]。11月16日に全米野球記者協会(BBWAA)から2位票が1、5位票が2の計6ポイントでサイ・ヤング賞9位となった[23]。12月5日にはファーストチームの中継ぎ投手の1人として自身初となるオールMLBチームに選出された[24]。12月6日にナ・リーグの最優秀救援投手賞(トレバー・ホフマンNL最優秀救援投手賞)を受賞した[13]。2018年以来2度目の受賞で、ナ・リーグ移籍後では初受賞であり、両リーグでの受賞はクレイグ・キンブレル以来2人目だった[13]。
2023年は第5回WBCで負傷した影響で登板はなかったが、4月8日のマイアミ・マーリンズ戦(シティ・フィールド、本拠地開幕戦)では、松葉杖姿ながらファンの前に登場した。
2024年3月11日にマーリンズとのオープン戦で約1年ぶりに実戦復帰した[25]。この年シーズンでは54試合に登板。6勝4敗20セーブ2ホールド、防御率3.52、86奪三振を記録した[6]。2年ぶりの出場となったポストシーズンでは6試合に登板して1勝と2セーブを記録したものの、防御率は前年のポストシーズンより悪かった[6]。チームもリーグ優勝決定シリーズでこの年ワールドシリーズ優勝を果たすロサンゼルス・ドジャースに2勝4敗で敗れ、シリーズ敗退となった[6]。
2025年は62試合に登板。6勝3敗28セーブ、防御率1.98、98奪三振を記録した[6]。ただ、死球はリーグ全体で15位となる8個、自己ワーストとなる7暴投と制球難にも悩まされた年となった[6]。また、この年は2022年シーズン以来となるオールスターゲーム(この年はトゥルーイスト・パークで開催)に選手間投票で選出されるとサンディエゴ・パドレスのロベルト・スアレスの後を受けてナショナルリーグ選抜の13番手として登板。シアトル・マリナーズのランディ・アロサレーナの打席において、ロボット審判にも助けられて見逃し三振に抑えるなど0.2イニングを投げて1安打、無失点に抑える好投を見せた[26]。オフの11月4日にオプションでFAとなった[27]。
ドジャース時代
2025年12月12日にロサンゼルス・ドジャースと3年総額6900万ドルの契約を結び、同日中に入団会見を行った[2]。これまでつけていた背番号39はドジャースでは永久欠番(ロイ・キャンパネラの背番号)に当たるため、新しい背番号として3を選んだ[2]。
代表経歴
2017年シーズン開幕前の2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のプエルトリコ代表に選出された[28]。3月22日の決勝アメリカ合衆国戦に敗戦し、2大会連続で準優勝となった[29]。
2023年シーズン開幕前の3月に開催された第5回WBCのプエルトリコ代表に選出された。1次ラウンドで2試合に登板。13日のイスラエル戦では7回に3番手で登板し、コールド8回参考記録の完全試合リレーを達成した[30]。準々決勝進出をかけた15日のドミニカ共和国戦では抑えを務め、3点リードの9回から登板して3者連続三振を奪い、セーブを記録した。直後、マウンドを中心に準々決勝進出の歓喜の輪ができたが、その最中に右脚を負傷するアクシデントが発生。ディアスは座り込んでその場から動けず、弟のアレクシスが涙する中、車椅子で運ばれた[31][32]。翌日、ニューヨーク・メッツGMのビリー・エップラーは、右膝の膝蓋腱の全断裂が判明し、手術を受けたことを発表。全治8カ月の故障であるとされた[33]。レギュラーシーズンは全休する見込みであることが各メディアで報じられた[34][35][36]。
2026年シーズン開幕前に第6回WBCのプエルトリコ代表に選出された[37]。準々決勝のイタリア戦では6-8の2点差ビハインドの状況で8回にマウンドに上がり無失点に抑えたが、最終回で味方打線が得点を入れることができず、準々決勝で敗退した[38]。
選手としての特徴
登場曲
2017年まではメジャー・レイザーのリミックス曲「Watch Out for This」を使用していたが[40]、かつてマリナーズの専属DJだった同球団マーケティング副部長のグリーンは、よりエリートリリーフ投手にふさわしい曲を探していた。2018年のスプリングトレーニング中に、グリーンが選抜した3曲をディアスに聴かせたところ、トランペットの音が気に入った理由でブラスタージャックス&ティミー・トランペットの「Narco」が採用された[41][注 1]。
| 映像外部リンク | |
|---|---|
|
|
ディアスは2018年はこの曲を使い続けていたが、2019年にメッツへトレード後はマイキー・ウッズの「No Hay Limite」に切り替えた[42]。しかし、同シーズンの後半に不振に陥ったため、妻・ナシャリーの「あのトランペットの音があればまた良くなるはず」という助言もあって2020年から再び「Narco」に戻すことを決めた[41]。その後、ディアスは復調しメッツの快進撃と相まって、この楽曲はメッツファンの間で人気が高まった。その影響を受け、メッツの専門チャンネルSNYは、彼がマウンドに向かう場面にはCMを入れなくなった[40]。MLB.comのライターであるマット・モナガンは、この楽曲を「史上最高の登場曲の一つ」と評している[43][注 2]。
2022年8月30日、シティ・フィールドで対ドジャース戦を観戦したティミーがディアスとの初対面を果たし、翌31日にはディアスの登場時にティミーの生演奏を実現させ、セーブを記録した[44]。
詳細情報
年度別投手成績
| 年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | SEA | 49 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 18 | 13 | .000 | 217 | 51.2 | 45 | 5 | 15 | 2 | 3 | 88 | 6 | 1 | 16 | 16 | 2.79 | 1.16 |
| 2017 | 66 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 34 | 2 | .400 | 278 | 66.0 | 44 | 10 | 32 | 2 | 3 | 89 | 3 | 1 | 28 | 24 | 3.27 | 1.15 | |
| 2018 | 73 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 57 | 0 | .000 | 280 | 73.1 | 41 | 5 | 17 | 0 | 6 | 124 | 3 | 1 | 17 | 16 | 1.96 | 0.79 | |
| 2019 | NYM | 66 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 26 | 1 | .222 | 254 | 58.0 | 58 | 15 | 22 | 3 | 4 | 99 | 3 | 0 | 36 | 36 | 5.59 | 1.38 |
| 2020 | 26 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 6 | 1 | .667 | 110 | 25.2 | 18 | 2 | 14 | 0 | 2 | 50 | 1 | 0 | 6 | 5 | 1.75 | 1.25 | |
| 2021 | 63 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 6 | 32 | 0 | .455 | 257 | 62.2 | 43 | 3 | 23 | 1 | 9 | 89 | 5 | 1 | 27 | 24 | 3.45 | 1.05 | |
| 2022 | 61 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 32 | 4 | .750 | 235 | 62.0 | 34 | 3 | 18 | 1 | 2 | 118 | 2 | 0 | 9 | 9 | 1.31 | 0.84 | |
| 2024 | 54 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 4 | 20 | 2 | .600 | 216 | 53.2 | 36 | 7 | 20 | 0 | 3 | 84 | 3 | 0 | 23 | 21 | 3.52 | 1.04 | |
| 2025 | 62 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 3 | 28 | 0 | .667 | 258 | 66.1 | 37 | 4 | 21 | 0 | 8 | 98 | 7 | 0 | 14 | 12 | 1.63 | 0.87 | |
| MLB:9年 | 520 | 0 | 0 | 0 | 0 | 28 | 36 | 253 | 23 | .438 | 2105 | 519.1 | 356 | 54 | 182 | 9 | 40 | 839 | 33 | 4 | 176 | 163 | 2.82 | 1.04 | |
- 2025年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
ポストシーズン投手成績
- 2025年度シーズン終了時
WBCでの投手成績
- 太字は大会最高
年度別守備成績
- 2025年度シーズン終了時
タイトル
- 最多セーブ投手:1回(2018年)
表彰
- 最優秀救援投手賞[48]
- マリアノ・リベラAL最優秀救援投手賞:1回(2018年)
- トレバー・ホフマンNL最優秀救援投手賞:2回(2022年、2025年)
- リリーバー・オブ・ザ・マンス:10回(2017年7月、2018年4月・6月 - 8月、2022年6月 - 8月、2025年5月・7月)
- オールMLBチーム[49]
- ファーストチーム救援投手:1回(2022年)
- セカンドチーム救援投手:1回(2025年)
記録
- MiLB
- オールスター・フューチャーズゲーム選出:1回(2015年)
- MLB
- MLBオールスターゲーム選出:3回(2018年、2022年、2025年)
- シーズン57セーブ(2018年、歴代2位タイ)※フランシスコ・ロドリゲスの62に次いで、ボビー・シグペンに並ぶ
背番号
- 39(2016年 - 2022年、2024年 - 2025年)
- 3(2026年 - )[2]
登場曲
- ナルコ - ブラスタージャックス&ティミー・トランペット
