エピオルニトミムス

From Wikipedia, the free encyclopedia

エピオルニトミムス学名Aepyornithomimus)は、モンゴル国南部に分布するジャドフタ層のツグリキンシレ産地[注 1]化石が産出した、オルニトミムス科に属する獣脚類恐竜[1][5]オルニトミモサウルス類としてはジャドフタ層から産出した3例目、ツグリキンシレから産出した最初の例である[5]。タイプ種はエピオルニトミムス・トゥグルギネンシスAepyornithomimus tugrikinensis[1]

ジャドフタ層産オルニトミモサウルス類のうち保存状態が最も良好であり、ホロタイプ標本MPC-D 100/130には関節した左足を中心とする部位が保存されている[5]。保存部位が少数であるため厳密な系統的位置の特定は困難であるが[1]、当時乾燥環境であったジャドフタ層の堆積環境[3]にオルニトミモサウルス類が生息していたことが示唆される[1]

発見時のMPC-D 100/130

エピオルニトミムスのホロタイプ標本MPC-D 100/130は、1994年に林原自然科学博物館モンゴル科学アカデミー英語版古生物・地質研究機関との共同調査で発見された[5]。発見地はウランバートルから南西約600キロメートルに位置するツグリキンシレであり[1]、発見地点の座標は北緯44度13分5秒、東経103度16分56秒地点であった[5]。保存されていた部位は上行突起を欠く距骨・ほぼ完全な踵骨・第III遠位足根骨および完全な左足であった[5]

標本は2017年、当時北海道大学大学院理学院とモンゴル古生物・地質研究機関に所属していたツクトバートル・チンゾリッグ[注 2]を筆頭著者とし、小林快次ヒシグジャウ・ツクトバートル[注 3]フィリップ・J・カリー渡部真人リンチェン・バルスボルドらによる記載論文が投稿された[1][5]。標本は新属新種エピオルニトミムス・トゥグルギネンシス(Aepyornithomimus tugrikinensis)と命名された[1]。属名は本属と同様の足の骨格形態を示す鳥類エピオルニスにちなみ、ラテン語で「もどき」を意味する mimus が付されている[5]。種小名は本標本がツグリキンシレから産出したことに由来する[5]

特徴

エピオルニトミムスの趾骨

本標本には5個の固有派生形質が認められる[1]。第一に、本標本の第III遠位足根骨の後側面[注 4]には、不均一な1対の窪みが存在する[5]。第二に、第II中足骨の遠位関節面が背側から見て頑強である[5]。第三に、第II基節骨の近位腹側に丸みを帯びた稜が存在する[5]。第四に、第IV趾が長く発達する[5]。第五に、第IV基節骨の内側顆が強く傾斜する[5]。最後に、足の末節骨が長い[5]

エピオルニトミムスの中足骨形態はアークトメタターサルと呼称される第III中足骨が近位側で狭窄する構造をなす[5]。これはアンセリミムスガリミムスといったオルニトミムス科の恐竜と共通する一方、デイノケイルスをはじめとするデイノケイルス科英語版ベイシャンロンをはじめとする基盤的オルニトミモサウルス類と異なる[5]。またオルニトミモサウルス類は3本の中足骨の長さの比率がオルニトミムス科・デイノケイルス科・基盤的オルニトミモサウルス類で異なる傾向にある[1]。エピオルニトミムスの中足骨の長さの比はオルニトミムス科よりもむしろハルピミムスヌクウェバサウルスの比に近く、基盤的な特徴を残している[5]

系統

古環境

脚注

Related Articles

Wikiwand AI