カイル・ヘンドリックス
アメリカの野球選手 (1989 - )
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カイル・クリスチャン・ヘンドリックス(Kyle Christian Hendricks, 1989年12月7日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューポートビーチ出身の元プロ野球選手(投手)。愛称はヘンド[1]。
経歴
プロ入り前
2008年のMLBドラフト39巡目(全体1189位)でロサンゼルス・エンゼルスから指名されたが、ダートマス大学へ進学した。
プロ入りとレンジャーズ傘下時代
2011年のMLBドラフト8巡目(全体264位)でテキサス・レンジャーズから指名され、プロ入り。傘下のA-級スポケーン・インディアンスでプロデビュー。リリーフとして20試合に登板して2勝2敗3セーブ、防御率1.93、36奪三振の成績を記録した。9月にAA級フリスコ・ラフライダーズへ昇格し、先発に転向。1試合に登板した。
2012年はA+級マートルビーチ・ペリカンズに所属し、20試合に先発登板して5勝8敗、防御率2.82、112奪三振の成績を記録した。6月にはカロライナリーグのオールスターチームに選出された[2]。
カブス時代
2012年7月31日にライアン・デンプスターとのトレードで、クリスチャン・ビヤヌエバと共にシカゴ・カブスへ移籍した[3]。移籍後はA+級デイトナ・カブスに所属し、5試合(先発4試合)に登板して1勝0敗、防御率4.24、11奪三振の成績を残した。
2013年はまずAA級テネシー・スモーキーズに所属し、21試合に先発登板して10勝3敗、防御率1.85、101奪三振の成績を記録した。8月にAAA級アイオワ・カブスへ昇格。6試合に先発登板して3勝1敗、防御率2.48、27奪三振の成績を記録した。
2014年1月22日にはカブスの2013年度マイナーリーグ最優秀選手に選ばれた[4]。AAA級アイオワで開幕を迎え、17試合に先発登板。10勝5敗、防御率3.59、97奪三振を記録し、7月10日にカブスとメジャー契約を結んだ[5]。同日のシンシナティ・レッズ戦で先発起用されメジャーデビュー。6回を投げ、5安打、4失点、3四球、7奪三振という内容だったが、勝ち負けは付かなかった[6]。7月22日のサンディエゴ・パドレス戦(リグレー・フィールド)で初勝利[7]。8月は4勝を記録し、ナ・リーグのルーキー・オブ・ザ・マンスに選出された。この年は13試合に先発登板し、7勝2敗、防御率2.46、WHIP1.08という好成績だった[8]。シーズンオフのルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票では2ポイント獲得し、ナ・リーグ7位タイであった[9]。
2015年は完全に先発ローテーションに定着し、32試合に先発登板。5月21日の対サンディエゴ・パドレス戦では、5安打、7奪三振無四球の快投でメジャー初完封を記録したが[10]、シーズン全体では良い時と悪い時の調子の波が大きかった[11]。また、調子が良くて好投した試合で味方打線の援護が得られないケースが頻発したため、防御率3.95、8勝7敗、WHIP1.16という成績で勝ち運に恵まれなかった[11]。また、この年は自身にとって初めてとなるポストシーズンを経験し、2015年のナショナルリーグワイルドカードゲーム1試合に登板した[8]。以降は後述の通り、4年連続でポストシーズン登板を果たした。
2016年は前半戦を防御率2.56の好成績で折り返した。後半戦では投球に一層の安定感が増し、8月1日のマイアミ・マーリンズ戦で完封勝利[12]、9月12日の対セントルイス・カージナルス戦(ブッシュ・スタジアム)では8イニングを投げて1失点など[13]、14試合で防御率1.68を記録した。シーズン通算では31試合(先発30試合)に登板し190イニングを投げ、防御率2.13、16勝8敗、170奪三振などを記録し[8]、同僚のジョン・レスターに0.31の差をつけて最優秀防御率のタイトルを獲得した。サイ・ヤング賞の投票では、マックス・シャーザー、レスターに次ぐ3位だった[14]。また、同年チームはワールドシリーズでクリーブランド・インディアンスを4勝3敗で撃破。自身初、そして結果的に彼の現役時唯一となるワールドシリーズ優勝を経験した。なお、ヘンドリックス自身はこのポストシーズンでリーグ優勝決定シリーズからワールドシリーズまでの計5試合に登板して1勝1敗、防御率1.42、19奪三振などを記録している[8]。
2017年は開幕から11試合で4勝3敗、防御率4.09と調子が上がらず、6月8日に右手中指の腱炎によって故障者リスト入りした[15]。7月24日に本拠地で行われたクロスタウン・クラシックの対シカゴ・ホワイトソックス戦で復帰し[16]、それ以後は13試合で防御率2.19と好投したが、シーズン通算では24試合の先発登板で7勝5敗、防御率3.03で規定投球回にも届かなかった[8]。3年連続の出場となったポストシーズンでは3試合に先発登板。前年と同じ1勝1敗ながら精彩を欠き、防御率は3.94と前年よりも悪化する結果となった。
2018年は33試合すべてに先発登板。2年ぶりの二桁勝利となる14勝を経験した一方で、11敗と敗戦も二桁を数えた[8]。4年連続の出場となったポストシーズンでは1試合にこの年は先発ではなく中継ぎとして起用されたものの、その試合では延長13回にジャスティン・ウィルソンの後を受けて8番手で登板。この試合ではコロラド・ロッキーズのトニー・ウォルターズに勝ち越しとなる適時打を浴びて敗戦投手となった[17]。チームもこの試合に敗れたことにより、ワイルドカードで敗退した。
2019年3月26日、4年総額5550万ドルで契約を延長した。オプションとして2024年シーズンの契約の選択権を球団が持つ[18]。5月3日に本拠地で行われたカージナルス戦では81球を投げて勝利し、キャリア初のマダックスを手にした[19]。マダックスを意識していたため、「ラッキーだったよ。毎回、早めにコンタクトを取って、早めにアウトを取ろうとしている。こうなったら、『見て、やったぞ!』って言えるんだよ。」とコメントした[20]。この年は30試合に登板し、11勝10敗、防御率3.46などの成績だった[8]。
2020年は新型コロナウイルスの影響で60試合制の短縮シーズンとなり、7月24日に自身初の開幕投手でミルウォーキー・ブルワーズに対して3安打(いずれも単打)、無四球、9奪三振、103球の圧巻の投球で完封勝利を記録した[21]。開幕戦での完封勝利はMLBではクレイトン・カーショウ以来7年ぶり、カブスではビル・ボナム以来46年ぶりであった[22]。この年は12試合に先発登板し、6勝5敗、防御率2.88などの成績だった[8]。また、2年ぶりで結果的に現役最後の出場となったポストシーズンでは1試合に先発登板したものの、0勝1敗と先発登板した年唯一となる未勝利に終わった[8]。
2021年4月1日のパイレーツとの開幕戦で2年連続2度目の開幕投手を務めた[23]。この年は32試合に先発登板し、リーグ5位の14勝7敗、防御率4.77などの成績だった[8]。
2022年に3年連続3度目の開幕投手を務めた。7月5日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で右肩の張りを訴えて降板した後、負傷者リストに登録され[24]、結果的にシーズン中に復帰することはできなかった。この年は16試合に先発登板し、4勝6敗、防御率4.80などの成績だった[8]。自身初の負け越しでシーズンを終えるという屈辱を味わう結果となった。
2023年5月25日のニューヨーク・メッツ戦(リグレー・フィールド)で10カ月以上ぶりの復帰登板を果たした(この試合では4.1イニングを投げて被安打6、自責3ながら5失点で敗戦投手)[25]。これと同時にカブスで実働10年となったが、これはカブスの投手としては12人目のことであった[26]。
2024年シーズンも先発投手として期待されたが、4勝12敗とデビュー以来初めて大きく負け越した[8]。その他の成績も軒並み悪化した結果、首脳陣の期待を大きく裏切り、オフの10月31日にFAとなった[8]。
エンゼルス時代
2024年11月6日にロサンゼルス・エンゼルスと1年総額250万ドルの契約を結んだ[27]。
2025年は31試合に先発登板して8勝10敗と前年よりは持ち直したものの、2年連続の負け越しとなり、防御率も4.76と打ち込まれるなど全盛期の面影は無く、オフの11月10日に現役引退を発表した[28]。
選手としての特徴
詳細情報
年度別投手成績
| 年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2014 | CHC | 13 | 13 | 0 | 0 | 0 | 7 | 2 | 0 | 0 | .778 | 321 | 80.1 | 72 | 4 | 15 | 2 | 4 | 47 | 0 | 0 | 24 | 22 | 2.46 | 1.08 |
| 2015 | 32 | 32 | 1 | 1 | 1 | 8 | 7 | 0 | 0 | .533 | 739 | 180.0 | 166 | 17 | 43 | 1 | 8 | 167 | 3 | 1 | 82 | 79 | 3.95 | 1.16 | |
| 2016 | 31 | 30 | 2 | 1 | 0 | 16 | 8 | 0 | 0 | .667 | 745 | 190.0 | 142 | 15 | 44 | 3 | 8 | 170 | 5 | 0 | 53 | 45 | 2.13 | 0.98 | |
| 2017 | 24 | 24 | 0 | 0 | 0 | 7 | 5 | 0 | 0 | .583 | 570 | 139.2 | 126 | 17 | 40 | 1 | 2 | 123 | 0 | 0 | 49 | 47 | 3.03 | 1.19 | |
| 2018 | 33 | 33 | 0 | 0 | 0 | 14 | 11 | 0 | 0 | .560 | 812 | 199.0 | 184 | 22 | 44 | 4 | 9 | 161 | 0 | 0 | 82 | 76 | 3.44 | 1.15 | |
| 2019 | 30 | 30 | 1 | 1 | 1 | 11 | 10 | 0 | 0 | .524 | 730 | 177.0 | 168 | 19 | 32 | 1 | 9 | 150 | 1 | 0 | 78 | 68 | 3.46 | 1.13 | |
| 2020 | 12 | 12 | 1 | 1 | 0 | 6 | 5 | 0 | 0 | .545 | 315 | 81.1 | 73 | 10 | 8 | 1 | 1 | 64 | 1 | 0 | 26 | 26 | 2.88 | 1.00 | |
| 2021 | 32 | 32 | 1 | 0 | 0 | 14 | 7 | 0 | 0 | .667 | 785 | 181.0 | 200 | 31 | 44 | 3 | 13 | 131 | 2 | 0 | 101 | 96 | 4.77 | 1.35 | |
| 2022 | 16 | 16 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 0 | 0 | .400 | 356 | 84.1 | 85 | 15 | 24 | 0 | 3 | 66 | 0 | 0 | 45 | 45 | 4.80 | 1.29 | |
| 2023 | 24 | 24 | 0 | 0 | 0 | 6 | 8 | 0 | 0 | .429 | 578 | 137.0 | 138 | 13 | 27 | 0 | 4 | 93 | 0 | 0 | 68 | 57 | 3.74 | 1.20 | |
| 2024 | 29 | 24 | 0 | 0 | 0 | 4 | 12 | 0 | 0 | .250 | 567 | 130.2 | 147 | 21 | 43 | 0 | 3 | 87 | 0 | 0 | 88 | 86 | 5.92 | 1.45 | |
| 2025 | LAA | 31 | 31 | 0 | 0 | 0 | 8 | 10 | 0 | 0 | .444 | 695 | 164.2 | 167 | 25 | 43 | 3 | 5 | 114 | 0 | 0 | 92 | 87 | 4.76 | 1.28 |
| MLB:12年 | 307 | 301 | 6 | 4 | 2 | 105 | 91 | 0 | 0 | .536 | 7213 | 1745.0 | 1668 | 209 | 407 | 19 | 69 | 1373 | 12 | 1 | 788 | 734 | 3.79 | 1.19 | |
- 各年度の太字はリーグ最高
ポストシーズン投手成績
| 年 度 | 球 団 | シ リ | ズ | 登 板 | 先 発 | 勝 利 | 敗 戦 | セ | ブ | ホ | ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ | ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | CHC | NLDS | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 18 | 4.2 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 3 | 3 | 5.79 |
| NLCS | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 17 | 4.0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 2 | 2 | 4.50 | ||
| 2016 | NLDS | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 15 | 3.2 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 4.91 | |
| NLCS | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 46 | 12.2 | 5 | 1 | 4 | 0 | 0 | 11 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.71 | ||
| WS | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 39 | 9.0 | 10 | 0 | 3 | 0 | 1 | 8 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1.00 | ||
| 2017 | NLDS | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 49 | 11.0 | 11 | 2 | 4 | 1 | 1 | 13 | 0 | 0 | 4 | 4 | 3.27 | |
| NLCS | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 23 | 5.0 | 6 | 2 | 1 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 4 | 3 | 5.40 | ||
| 2018 | NLWC | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 7 | 1.1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 6.75 | |
| 2020 | NLWC | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 28 | 6.1 | 5 | 1 | 3 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 3 | 3 | 4.26 | |
| 出場:5回 | 12 | 11 | 2 | 4 | 0 | 0 | .333 | 242 | 57.2 | 53 | 10 | 16 | 1 | 3 | 51 | 0 | 0 | 22 | 20 | 3.12 | ||
年度別守備成績
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
- 最優秀防御率:1回(2016年)
表彰
- ピッチャー・オブ・ザ・マンス:1回(2016年8月)
- ルーキー・オブ・ザ・マンス:1回(2014年8月)
- プレイヤー・オブ・ザ・ウィーク:1回(2016年8月1日 - 7日)
記録
背番号
- 28(2014年 - 2025年)