カンタリール
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背景
ギターは本来、撥弦楽器であるが、その中で持続音や擦弦的な表現を志向する演奏者も少なくない。過去には、ジミー・ペイジによるバイオリン弓の使用をはじめ、The Gizmoや EBowなどの装置を用いた試みも見られた。しかし、これらの方法は電気的な処理や演奏スタイルの制約を伴い、表現の幅が限定される傾向があった。
カンタリールは、これらの先行事例を踏まえつつ、それらを機械的かつ非電子的な手法で発展させたものである。特に、中世ヨーロッパの擦弦楽器であるハーディ・ガーディに着想を得た手回し式のホイール機構は、音の持続性だけでなく、演奏における身体的感覚の拡張も意図されている。
ハーディ・ガーディでは、弦がホイールの円周上に配置されるのに対し、ギターの弦は共鳴板に平行に張られているため、同様の機構をギターに適用する際は以前より大規模な改造が必要とされてきた。カンタリールでは、ホイールに加えて柔軟性のある摩擦ループを組み合わせることでこの構造上の課題を克服し、ギター本体に改造を加えることなく、擦弦的な持続音の生成を可能としている。[1]