ゲイ・アンセム

From Wikipedia, the free encyclopedia

ゲイ・アンセム英語: gay anthem)、またはLGBTアンセム英語: LGBT anthem)は、LGBTコミュニティ(特にゲイ男性)において広くの間で好まれているを指す言葉。ゲイまたはLGBTの賛歌、応援歌、祝歌とされている。

マドンナ

ゲイ・アンセムは、ジュディ・ガーランドの「オーバー・ザ・レインボウ」をもっとも初期のルーツとしている。音楽ジャーナル「ポピュラー・ミュージック」によると、ゲイ・アンセムとして最もよく知られている曲は、グロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」(原題:アイ・ウィル・サバイヴ)である[1] 。さらにダイアナ・ロスの「アイム・カミング・アウト」[2]も、よく知られたゲイ・アンセムである。他に有名なゲイ・アンセムとして、ヴィレッジ・ピープルの「YMCA」、「マッチョ・マン」、「イン・ザ・ネイビー」、「ゴー・ウェスト」、シルヴェスターの「ドウ・ユー・ワナ・ファンク」、ABBAの「ダンシング・クイーン」、マドンナの「ヴォーグ」、「エクスプレス・ユアセルフ」などがある。2000年代以降にデビューしたアーティストからもパニック!アット・ザ・ディスコの「ガールズ/ガールズ/ボーイズ」、レディー・ガガの「ボーン・ディス・ウェイ」、マックルモアーの「セイム・ラブ英語版」、ケイティ・ペリーの「ファイアーワーク」といったアンセムが生まれた[3][4]

詳細

それぞれの歌は独立したものであるが、「何がゲイ・アンセムとなるか」という基準は時代により傾向が異なる。書籍『Queer』では全てのゲイ・アンセムではないと断りながら、以下の10点が多くのゲイ・アンセムのメインテーマとなる傾向が高いとしている[5]

大きな支持を受けたディーヴァ
女性のゲイ・アイコンでディーヴァスタイルのポップ・ミュージックの歌手に対して多くのゲイ男性が崇拝的とも言えるような支持をしていた。(後述)
恋における困難の克服
過去に恋に破れ、そこから立ち直り昔よりも強く成長した姿を描く物語の歌。
「あなたは一人ではない」
コミュニティにおける連帯を喜ぶ歌や、「孤独を感じているのはあなただけではない」と元気づける言葉を表した歌。
心痛の投げ捨て
苦しみはひとまず忘れて楽しくやろう、と気楽さを勧める歌。
苦労をして築いた自己の称賛
抑圧や悪意、自由への恐れといったものの克服や、美しさ、自己の評価が主題の歌。
セクシャリティの解放の称賛
文化的な「恥の概念」を超え、ありのままのセクシャリティを讃える歌。
受容の探求
自分を受け入れてくれるような世界に対する希望やそこに生きる姿を想像する歌。
人生の困難を描いたトーチソング
欺きや悪意、後悔に生きる姿を描いた歌。
全てを打ち破る愛
愛において、克服できない壁を諦めずに乗り越えた物語を描いた歌。
謝らない強さ
他の人の期待や批判に逆らってでも自分の生き方を貫くことをテーマにした歌。

曲のリスト

曲名 アーティスト 脚注、出典
1920 "The Lavender Song (Das Lila Lied)" 作詞 Kurt Schwabach [6]
1939 "Over the Rainbow"(虹の彼方に ジュディ・ガーランド [7][8]
1954 "The Man that Got Away" [9]
1955 "Tutti Frutti"(トゥッティ・フルッティ) リトル・リチャード [10]
1957 "Somewhere (There's a Place for Us)" ミュージカル『ウエスト・サイド物語 [5][8]
1960 "As Long as He Needs Me" シャーリー・バッシーShirley Bassey [5][8]
1966 "You Don't Have to Say You Love Me"(この胸のときめきを ダスティ・スプリングフィールド [5]
1970 "Ain't No Mountain High Enough" ダイアナ・ロス [5]
1972 "Maybe This Time" ライザ・ミネリ [5]
1975 "Free Man" South Shore Commission [11]
1976 "Dancing Queen"(ダンシング・クイーン ABBA [5][8][12]
"Turn the Beat Around"(妖精のメロディ ヴィッキー・スー・ロビンソンVicki Sue Robinson [5]
1977 "I Feel Love" ドナ・サマー [13]
"サンフランシスコ" ヴィレッジ・ピープル
1978 "Glad to Be Gay"(グラッド・トゥ・ビー・ゲイ トム・ロビンソン・バンドTom Robinson Band [14]
"I Will Survive"(恋のサバイバル グロリア・ゲイナーGloria Gaynor [15][16][8]
"I'm Every Woman" (アイム・エヴリ・ウーマン) チャカ・カーン [17]
"Y.M.C.A."(YMCA ヴィレッジ・ピープル [18]
"You Make Me Feel (Mighty Real)" シルベスター(Sylvester [8]
1979 "Boys Keep Swinging" デヴィッド・ボウイ [8]
"Don't Stop Me Now"(ドント・ストップ・ミー・ナウ クイーン [8]
"Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)"
ギミー!ギミー!ギミー!
ABBA [8][19]
"Go West"(ゴー・ウェスト ヴィレッジ・ピープル [8]
"If You Don't Want to Fuck Me (Then Baby Fuck Off)" Jayne County [5]
"No More Tears (Enough Is Enough)" ドナ・サマー & バーブラ・ストライサンド [5]
"イン・ザ・ネイビー" ヴィレッジ・ピープル
"This Is My Life" シャーリー・バッシーShirley Bassey [20]
"We Are Family" シスター・スレッジSister Sledge [21]
"Knock on Wood"(ノック・オン・ウッド エイミー・スチュワート
1980 "I'm Coming Out" ダイアナ・ロス [22][8][12]
1982 "And I Am Telling You I'm Not Going" ジェニファー・ホリデイJennifer Holliday [5]
"Do You Really Want to Hurt Me?"(「君は完璧さ」) カルチャー・クラブ [8]
"It's Raining Men"(ハレルヤ・ハリケーン ウェザー・ガールズThe Weather Girls [5][8][12]
"Tainted Love"(汚れなき愛) ソフト・セル
1983 "Karma Chameleon" (カーマは気まぐれ) カルチャー・クラブ [23]
"Hand in Glove" ザ・スミス [24]
"Holiday"(ホリデイ マドンナ [5]
"I Am What I Am"(ありのままの私) ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール [25][8]
"So Many Men, So Little Time" ミケール・ブラウン [5][8]
"Where Is My Man" アーサー・キットEartha Kitt
1984 "Like a Virgin"(ライク・ア・ヴァージン マドンナ [5][8][12]
1985 "Sisters Are Doin' It for Themselves" ユーリズミックスアレサ・フランクリン [5]
"Into the Groove"(イントゥ・ザ・グルーヴ マドンナ [8]
1986 "¿A quién le importa?" Alaska y Dinarama [26][27][28][29]
"Greatest Love of All" ホイットニー・ヒューストン [5]
"Open Your Heart" (オープン・ユア・ハート) マドンナ [30]
"So Macho" シニータ [8]
"True Colors (トゥルー・カラーズ)" シンディ・ローパー [31][32]
1987 "I Wanna Dance with Somebody (Who Loves Me)" (すてきなSomebody) ホイットニー・ヒューストン [23]
1988 "A Little Respect" イレイジャー [5]
1989 "Express Yourself"(エクスプレス・ユアセルフ マドンナ [8][30][12]
1990 "Justify My Love"(ジャスティファイ・マイ・ラヴ [33][30]
"Vogue"(ヴォーグ [8][30][34]
1991 "Finally" CeCe Peniston [5]
1992 "Deeper and Deeper" (ディーパー・アンド・ディーパー) マドンナ [8]
1993 "Go West"(ゴー・ウェスト ペット・ショップ・ボーイズ [8]
1994 "Secret"(シークレット マドンナ [8]
1995 "Human Nature"(ヒューマン・ネイチャー [35][30]
1997 "Free"(フリー) ウルトラ・ナテ [5]
"Together Again" (トゥゲザー・アゲイン) ジャネット・ジャクソン [36][23]
1998 "Outside" ジョージ・マイケル [8]
1999 "Believe" シェール [23]
2000 "バッグ・イット・アップ" ジェリ・ハリウェル [12]
"Stronger"(ストロンガー ブリトニー・スピアーズ [37]
2001 "Can't Get You Out of My Head"(熱く胸を焦がして カイリー・ミノーグ [8]
"Your Disco Needs You" [38][12]
"アイム・リアル" ジェニファー・ロペス [39]
"What It Feels Like for a Girl"(ホワット・イット・フィールズ・ライク・フォー・ア・ガール マドンナ [8]
2002 "¿A quién le importa?" タリア [40]
"Beautiful"(ビューティフル クリスティーナ・アギレラ [41][42][43][44]
"Endangered Species" ダイアン・リーヴス [45]
2003 "Defying Gravity" ミュージカル『ウィキッド [46]
2004 "Take Your Mama" シザー・シスターズ [8][34]
2005 "Hung Up"(ハング・アップ マドンナ [8][30]
2006 "Todos Me Miran" グロリア・トレビGloria Trevi [47]
2008 "I Kissed a Girl"(キス・ア・ガール ケイティ・ペリー [48]
2009 "She Wolf" / "Loba" (シー・ウルフ) シャキーラ [49]
2010 "All the Lovers"(オール・ザ・ラヴァーズ カイリー・ミノーグ [50][12]
"Dancing on My Own" ロビン [51]
"Firework"(ファイアーワーク ケイティ・ペリー [52][12]
"Raise Your Glass" P!NK [53]
2011 "Born This Way"(ボーン・ディス・ウェイ レディー・ガガ [54]
2012 "Girl Gone Wild"(ガール・ゴーン・ワイルド マドンナ [30]
"Same Love" マックルモアー [55]
2013 "Let It Go"(レット・イット・ゴー アニメ映画『アナと雪の女王 [56]
"Work Bitch" ブリトニー・スピアーズ [37]
2014 "Break Free" アリアナ・グランデ [36]
2015 "Girl Like Girls" ヘイリー・キヨコ [57]
2021 "Montero (Call Me by Your Name)"(モンテロ (コール・ミー・バイ・ユア・ネーム) リル・ナズ・X [58]
2023 "One of Your Girls" トロイ・シヴァン [59]
"Padam Padam"(パダム・パダム カイリー・ミノーグ [60]

脚注

書籍

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI