シーメンス・チャージャー
From Wikipedia, the free encyclopedia
| チャージャー Charger | |
|---|---|
|
チャージャー(SC-44)(2018年撮影) | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | シーメンス・モビリティ |
| 製造年 | 2016年 - |
| 主要諸元 | |
| 軸配置 | Bo'Bo' |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 全長 | 71.5フィート (21,800 mm) |
| 全幅 | 10フィート (3,000 mm) |
| 全高 | 14.7フィート (4,500 mm) |
| 運転整備重量 |
270,000ポンド (120 t) 280,000ポンド (130 t) |
| 台車中心間距離 | 40.8フィート (12,400 mm) |
| 車輪径 | 44インチ (1,100 mm) |
| 燃料搭載量 | 2,200米ガロン (8,300 l) |
| 機関 | Cummins QSK95 |
| 主電動機 | 誘導電動機 |
| 制御方式 | VVVFインバータ制御方式(IGBT素子) |
| 制動装置 | 回生ブレーキ |
| 最高速度 | 125マイル毎時 (201 km/h) |
| 出力 |
4,000馬力 (3,000 kW) 4,200馬力 (3,100 kW) 4,400馬力 (3,300 kW) |
| 引張力 | 290 kN |
| 備考 | 数値は[1][2][3][4][5][6][7][8]に基づく。 |
チャージャー(Charger)は、シーメンスが展開する旅客用機関車(電気式ディーゼル機関車、電気機関車、バイモード機関車)の名称。アメリカ合衆国やカナダなど北アメリカの鉄道路線へ向けて開発された車両で、2014年に最初の発注を受けて以降、各地の鉄道路線へ向けて導入が進められている[1][2][3]。
構造
シーメンスが北アメリカの鉄道市場向けに開発した、長距離用旅客機関車。モジュール構造を採用しているモノコック式の車体は片側にのみ運転台が設置されており、アンチクライマーや耐衝突性を向上させた連結器など衝突エネルギー管理(CEM)機能を採用する事で乗務員や乗客の安全性を向上させている。また、車体設計に際してはメンテナンスの簡素化が図られている[1][2][3][9]。
発電用のディーゼルエンジンはカミンズが展開する16気筒のQSK95を用いる。これはカミンズが開発したモジュール式コモンレール方式の燃料システム(MCR)と4つのターボチャージャーユニットを搭載しており、廃棄エネルギーを効率よく利用し燃料の消費量の削減や排気ガスの細かな制御が行われる構造となっている。これにより、同エンジンはアメリカ合衆国環境保護庁の排気ガスに含まれる微粒子(PM)や窒素酸化物(NOx)に関する排出基準「Tier 4」に適合しており、既存のディーゼル機関車と比べて二酸化炭素(CO2)排出量が10 %、窒素酸化物が90 %、微粒子が95 %抑制されている他、エネルギー効率も16 %増加している。出力はカミンズが展開する16気筒エンジンで最も高く、4,200馬力 (3,100 kW)から4,400馬力 (3,300 kW)の間で選択可能である[2][4][5][9][10]。
上記のディーゼルエンジンの動力により発電された電力は、4基設置されている制御装置(IGBT素子)を経て各車軸に接続する主電動機(誘導電動機)へ伝達され動力に転換される。制動装置には電力が回収可能な回生ブレーキが採用されており、エネルギー効率の高いLED照明を含めて環境負荷の軽減が図られている。これらの機器はマイクロプロセッサ機構による管理が実施されており、問題が生じた場合必要に応じて速度低下、バックアップ機能の稼働といった措置を自動的に取る事が出来る。また、非常時に備えて客車への電力供給システム(ヘッド・エンド・パワー)には冗長性が持たせられている[2][3][9]。
チャージャー B+AC
「チャージャー B+AC(Charger B+AC)」は、シーメンスによって2025年に発表された同年時点での最新車種である。最大の特徴は、それまで「チャージャー」に搭載されていたディーゼルエンジンの代わりにモジュール式の充電池を搭載している事で[注釈 1]、架線による電化が行われている区間ではパンタグラフ(シングルアーム式パンタグラフ)で集電した電池を用いて速度125マイル毎時 (201 km/h)で走行する一方、非電化区間では充電池に溜めた電力を用い速度100マイル毎時 (160 km/h)で走行可能となっている。また、オプションとしてパンタグラフを搭載せず充電池のみを用いた形態も選択する事が出来る。制動装置は電力を回収可能な回生ブレーキが使用されており、架線からの電気も含め多彩な充電方法が提供されている[8]。
運用
2014年から発注を受けた後、2016年に最初の車両が公開されて以降、チャージャーはアメリカ合衆国やカナダ各地の鉄道事業者へ向けて多数導入が実施され、旅客列車用として使用されている。そのうち、アムトラックに導入されるALC-42Eを始めとした一部の車両については、ディーゼルエンジンを用いた発電に加えて第三軌条からの集電にも対応したバイモード機関車として製造されている[1][2][3]。
| 国名 | 事業者・ブランド名 | 形式 | 両数 | 備考・参考 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ合衆国 | アルタモント通勤急行 | SC-44 | 4両 | [2] |
| アムトラック | ALC-42 | 125両(予定) | [2][9][11][12][13] | |
| ALC-42E | 75両(予定) | バイモード車両(第三軌条対応)[14] | ||
| アムトラック・カリフォルニア (カリフォルニア州運輸局) |
SC-44 | 24両 | [2][15] | |
| アムトラック (ワシントン州運輸局) |
SC-44 | 11両 | [2][15] | |
| アムトラック・ミッドウエスト (イリノイ州運輸局) |
SC-44 | 33両 | [2][15] | |
| ブライトライン | SCB-40 | 21両 | [16] | |
| コースター | SC-44 | 9両 | [2][16] | |
| MARC | SC-44 | 8両 | [2][16] | |
| ロングアイランド鉄道 (メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ) |
SC42-DM | 44両(予定) | バイモード車両(第三軌条対応)[17][18] | |
| メトロノース鉄道 (メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ) |
SC42-DM | 33両(予定) | バイモード車両(第三軌条対応)[19][20] | |
| ? | 13両(予定) | 「チャージャー B+AC」[8][21] | ||
| トリニティ・レールウェイ・エクスプレス | ? | 5両(予定) | [22] | |
| カナダ | モントリオール大都市圏交通局(EXO) | ? | 10両(予定) | [23] |
| オンタリオ州ノースランド交通委員会 | ? | 3両(予定) | 「ノースランダー」用[24] | |
| VIA鉄道 | SCV-42 | 32両(予定) | [2][25] | |