ジンチョウゲ
フトモモ目ジンチョウゲ科の植物
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名称
特徴
常緑広葉樹の低木[5]。樹皮は褐色で滑らか[2]。葉は互生し[3]、濃緑色をしたツヤのある革質で、長さ6センチメートル (cm) 、幅2 cmの倒披針形で[5][9]、ゲッケイジュの葉に似ているが、ゲッケイジュよりも軟弱。
雌雄異株であるが、日本にある木は雄株が多く、雌株はほとんど見られない[5]。そのため種を採取することはできず、増やすためには挿し木を使う。挿し木には、植物の先端部分を使う「天芽挿し」を用いる[10]。
花期は2 - 4月[5][2]。枝先から濃紅色の花蕾が、集まって出てくる[2]。花は花弁がない花を20 - 30個、枝の先に手毬状に固まってつく[5]。花弁のように見えるものは4枚の萼片で[8]、外側が淡紅色、内側が白色で、中にはすべて白色のものもある[3]。雄蕊は黄色、花から強い芳香を放つ。花を囲むように葉が放射状につく。
果期は6月[3]。赤く丸い果実をつけるが、実を噛むと辛く[9]、有毒である。日本には雌株が少ないため、あまり結実しないが、ごく稀に実を結ぶこともある[5][2]。
冬芽は前年枝の先につき、そのほとんどが花芽で、多数の総苞に包まれている[2]。側芽は枝に互生し、かなり小さく、葉が落ちると見えるようになる[2]。葉痕は半円形で、維管束痕が1個ある[2]。
効用
品種
利用・文化
関東地方以南では、庭木や公園樹として親しまれており、墓に植えられることも多い[3][8]。ただし、移植は好まず[8]、耐寒性には乏しい性質がある[5]。日本にあるものはほとんどが雄株のため、挿し木で増やす[3][9]。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われる。
神話
ギリシャ神話にジンチョウゲの逸話が登場する。キューピッドの黄金の矢に射抜かれた太陽神アポロンは、最初に出会った女性に恋焦がれる運命になる。アポロンの前に通りがかったのは、森の妖精ダフネ。アポロンは激しい恋に落ち、ダフネを追いかけまわす。ダフネは逃げ惑い、ゼウスに助けを求めた。ダフネのことを憐れに思ったゼウスは、彼女をジンチョウゲの花へと変えた。ダフネがジンチョウゲの花に姿を変えても、アポロンのダフネに対する愛は失われなかった[7]。
花言葉
俳句
春先に花を咲かせることから、春の季語としてよく詠われる。
歌集
- 沈丁花 月のひかりは… - からしまあきこ(文芸社、発売日:2007年8月1日)
小説
- 「沈丁花」 - 宮本百合子(初出:「文芸春秋」1927(昭和2)年2月号)
映画・楽曲
- 沈丁花 (1933年の映画) - 野村芳亭監督の映画
- 沈丁花 (1966年の映画) - 千葉泰樹監督の映画
- 沈丁花 (石川さゆりの曲) - 石川さゆりの曲
- 沈丁花 (DISH//の曲) - DISH//の曲
関連項目
参考文献
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、95頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 田中潔『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、143頁。ISBN 978-4-07-278497-6。
- 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、143-145頁。ISBN 4-12-101834-6。
- 平野隆久監修『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、43頁。ISBN 4-522-21557-6。