ソグド語
かつて話された言語。現在は死語。
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
歴史
ソグド語の資料として時代の早いものには、敦煌近辺で発見された4世紀前半の手紙がある[3][4]。
より早期のタイプの言語(古代ソグド語)が存在したという確証は得られていないが、古代ペルシア語の碑文によるとアケメネス朝の時代(紀元前550年-323年)には独立した存在としてのソグディアナが認識されていたようである。
5世紀から7世紀にかけてソグド人は貿易商人として活発に活動し、多くのソグド語文献が残っている。内容は世俗的なものから仏教・マニ教・ネストリウス派キリスト教の文献まで多岐にわたる。
8世紀中頃にアラブ人がソグディアナを占領し、また安禄山の乱以降の唐の混乱もあってソグド人による商業活動は衰えた。10世紀後半以降、ソグド人は他の民族に同化されたが[5][6]、ソグド語はおそらく12世紀ごろまでは典礼用の言語として残った[7]。
現在タジキスタンのザラフシャン川上流のヤグノビ峡谷でヤグノビ人に話されているヤグノビ語は、ソグド語の一方言が残存したものと言われている。
影響
音声
表記体系の制約により、ソグド語の音声には不明な点が多いが、以下のような体系になっていたと考えられている[10]。
母音は長短を区別した。二重母音があった(ar̥, aṃ, āu, āi)。
| 前舌 | 中舌 | 後舌 | |
|---|---|---|---|
| 狭 | i i: | u u: | |
| 中舌 | e e: | o o: | |
| 広 | a | a: |
子音は以下のものがあった。
- b d j g は、音韻的には p t č k と同じで、有声子音の後にのみ現れる。歴史的にあった b d j g はソグド語では摩擦音に変化した[9]。
- h, l は主に外来語にのみ現れるが、異化によりソグド語本来の語にも二次的に発生する場合がある。
ソグド語の単語は最初の長い母音を持つ音節に強勢が置かれた。強勢が語幹にある場合と語尾にある場合で形態変化が大きく異なっていた[11]。