ソーサラー (ダンジョンズ&ドラゴンズ)
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ソーサラーは、ファンタジー・ロールプレイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)に登場するキャラクタークラスの一つ。
呪文を主体にするクラス(キャスター)の一つだが、血筋や才能により先天的に使える者であり、同じ「秘術魔法」の使い手でも、研究や修行で身につけた「ウィザード」や、この世ならざる何者かと契約した「ウォーロック」などとは区別される。
Dungeons & Dragons第3版
「ソーサラー」は、『D&D第3版[注 1]』で「ウィザード」とは異なるクラスとして導入された。以前の版の「ヴァンシアン[注 2]」システムよりも、現代のファンタジー小説に近い特徴を持つ[2]。ソーサラーは第3版『プレイヤーズハンドブック(『PHB』)』で初登場し[3]、3.5版『PHB』で更新された。
ウィザードと比べて、ソーサラーの魔法への直感的理解は、瞬間的な柔軟性は高いものの、全体的な汎用性は低い[4]。 つまり、ソーサラーは事前に呪文を準備する必要は無く、呪文書も使用しないが、巻物などから呪文を書き写したりは出来ず、習得できる呪文の数ははるかに少ない。逆に、呪文書を盗まれるといった心配も無い。ソーサラーの直感的なアプローチの他の効果として、1日あたりより多くの呪文を使うことができるが、強力な呪文を習得する速度はウィザードよりもやや遅い。
ソーサラーは魔法のレパートリーに限りがあるため、ほとんどの者は冒険者が最もよく使用する攻撃魔法に特化する傾向にある。非戦闘呪文の数は少ないものの、他のどのクラスよりも純粋な破壊力を有している。彼らの最大の強みは、同時に根本的な弱点でもある。ソーサラーは、ウィザードのように冒険でのあらゆる情報を活用して、幅広い選択肢から呪文を準備できる汎用性を欠いている。一方でその柔軟さから、冒険で得た情報に基づき、予測に関係なく次に、または再び使う呪文を選択することができる[4]。
ソーサラーとウィザードはよく意見が対立する。ウィザードは、ソーサラーをいい加減でだらしない存在と見なす傾向があり、一方でソーサラーは、ウィザードを執着が強くよそよそしいと考えることがある。
コボルド、ワイルド・エルフ、カオス・ノーム[注 3]、Diaboli[注 4]、そしてSpellscale[注 5]は、すべてソーサラーを推奨クラスとしている。
アイコニック・キャラクター[注 6]は、ヒューマンの男「Hennet」である[5]。
Dungeons & Dragons第4版
「ソーサラー」は、『D&D第4版』の『プレイヤーズ・ハンドブックII 第4版(Player's Handbook II)』で初登場し、『秘術の書(Arcane Power)』でさらに拡張された。
ソーサラーは「秘術」のパワー源を持ち[注 7]、役割は「撃破役」で[注 8]、副次的な役割として「制御役」も担う。他の版とは異なり、第4版のソーサラーは、ウィザードとは違う独自の呪文リストを持っている。ソーサラーの攻撃呪文は一般的に【魅力】に依存する。さらに、多くのソーサラー呪文は高い【筋力】や【敏捷力】からも恩恵を受ける。ソーサラーの唯一のクラス特徴は「spell source」である。spell sourceには複数のヴァージョンがあり、キャラクター作成時にそのうちの1つを選択する必要がある。各ヴァージョンは、ソーサラーに1つのダメージタイプに対する耐性(ヴァージョンによっては固定または変動)を提供し、【敏捷力】または【筋力】に基づくダメージボーナスを与え、そのヴァージョン固有の追加効果を少なくとも1つ付与する。spell sourceが【筋力】に基づく場合、ソーサラーは軽装鎧を着用時に、アーマー・クラスの決定に【敏捷力】や【知力】ではなく、【筋力】を使用できる。さらに、多くのソーサラーのパワーは、特定ヴァージョンのspell sourceを持つ場合、追加の効果を発揮する。『PHB2』では、2つのspell sourceのヴァージョンが紹介されている。「dragon magic」は、一部のソーサラーが竜の血筋を受けている、という信仰に由来する。「Wild magic」は、ソーサラーが利用可能な、ランダムで制御不能な魔法である。さらに、サプリメント『秘術の書』では、「storm magic」と「cosmic magic」の2つが紹介されている[6]。
Dungeons & Dragons第5版
ソーサラーは、自ら選んだものではなく、否定することもできない、生まれながらの魔法を持つ。[中略] 多くのソーサラーは、遅かれ早かれ冒険の道へと導かれる。彼らの血管に流れる魔法は、眠ったままではいられない。力を制御する方法を学ばない者は、その才能が予期せぬ形で、そしてしばしば不快な形で溢れ出してしまうかもしれない。[7]
「ソーサラー」は、『D&D第5版』の『PHB』において基本クラスとして掲載され、「魔力の起源」と呼ばれるサブクラスがある[8][9][10]。 『PHB』では、「竜の血脈」と「荒ぶる魔法」の2つの起源から選択できる[11][12]。第5版の発売以降、複数のソースブックが起源の選択肢を拡大してきた。『ソード・コースト・冒険者ガイド(Sword Coast Adventurer's Guide)』(2015)は「嵐の魔法」を追加し、これは『ザナサーの百科全書(Xanathar's Guide to Everything)』(2017)で再収録され、新たに「神の魂」と「影の魔法」の2つが追加された[13]。 『ターシャの万物釜(Tasha's Cauldron of Everything)』(2020)では、さらに「異形の精神」と「機械仕掛けの魂」の2つの起源が追加された[14]。
「竜の血脈」は、キャラクターの血中に流れる竜の魔法から力を引き出し、その特定の竜種の特性をソーサラーに付与する。「荒ぶる魔法」は、暴走魔法の混沌から力を引き出し、キャラクターに予測不能だが強力な呪文の効果を与える。「嵐の魔法」は嵐の力を引き出し、ソーサラーに天候を操る力を与える。「神の魂」は神聖な源から力を引き出し、治癒能力を付与する。「影の魔法」はシャドウフェルから由来し、使用者に暗黒と影の力を付与する[13]。
評価
第3.5版の書籍『Dungeons & Dragons For Dummies』では、最初に使う秘術魔法の使い手として、ウィザードよりもソーサラーを推奨しており、「ソーサラーは、呪術を科学というより芸術として、入念な訓練や研究よりも直感に頼るのに対し、ウィザードは研究一辺倒である。このため、ウィザードはより幅広い呪文の選択肢を持つのに対し、ソーサラーは専門化となりがちである。そのため、ソーサラーの方が多少プレイしやすいと言える。」としている[4][注 9]。
Screen Rantは、第5版の12基本クラスの中で、ソーサラーを5番目に強力なクラスと評価した[16]。
The Gamerは、『ザナサーの百科全書』に登場する32の新キャラクター・オプションの中で、第5版のソーサラーのサブクラス「影の魔法」を、「13の素晴らしいサブクラス」の1つとして紹介している[17]。
FiveThirtyEightのGus Wezerekによる第5版のレポートでは、 2017年8月15日から9月15日までにD&D Beyondでプレイヤーが作成したキャラクター10万人あたりのクラスと種族の組み合わせの内、ソーサラーは7,587件で最下位から2番目だったと報告した。最も一般的な種族の組み合わせはヒューマン(1,324)で、次にハーフエルフ(1,258)、ティーフリング(1,062)が続いた。Wezerek自身が『D&D』を始めた時、最初のキャラクターがドラゴンボーンのソーサラーだったらしい。しかし、「最近では最もよくある組み合わせ"ヒューマンのファイター"が理解できるようになった」とも語っている[18]。