タウシュベツ川橋梁
北海道上士幌町の糠平湖にあるコンクリート製アーチ橋
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概要
元々は、鉄道省士幌線(当時。後の日本国有鉄道。1987年〈昭和62年〉廃線)が1939年(昭和14年)に十勝三股駅まで開通した際に、音更川の支流であるタウシュベツ[5]川に架けられた橋梁である。その後、音更川での水力発電を目的とした糠平ダムの建設により、周辺がダム湖(糠平湖)の水没範囲に含まれることから、1955年(昭和30年)に士幌線は湖を避ける新ルートへ切り替えられ、旧ルート上の本橋梁は開通から約16年で役目を終えることとなった。その際に橋梁上の線路は撤去されたものの、橋梁自体は湖の中に残されることとなり、現在までその姿を留めている。
糠平湖は季節や発電量によって水位が劇的に変化するため、橋梁全体が水没してしまう時期もあれば、水位が低くなって橋梁全体が見渡せる時期もある。その様子から、「幻の橋」とも呼ばれる[6][7]。
糠平市街に上士幌町鉄道資料館があり、士幌線の説明資料や他の橋梁についての情報がある。
沿革
- 1937年(昭和12年):タウシュベツ川橋梁竣工[1]。
- 1939年(昭和14年)11月18日:士幌線の糠平駅 - 十勝三股駅間が延伸開通し、供用開始。
- 1955年(昭和30年)8月1日:糠平ダム建設のため、清水谷駅 - 糠平駅 - 幌加駅のルートを変更。タウシュベツ川橋梁を通る旧線が廃止される。
- 2001年(平成13年)10月22日:「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」が第1回北海道遺産に選定される。
- 2010年(平成22年)10月14日:北海道旅客鉄道(JR北海道)により「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として準鉄道記念物に指定される。
- 2018年(平成30年)1月25日:北海道新聞社より、写真集「タウシュベツ川橋梁」が出版される[8]。
基礎情報
水位
保存状態
糠平湖付近に残されている30余りのアーチ橋梁群は1997年(平成9年)、解散を控えた国鉄清算事業団により解体計画が立案された。これに対する地元有志の保存活動が実り、上士幌町が買い取る。
しかし、水没中の水圧、結氷期前後の氷による外力及び、凍結・融解を繰り返す凍害から、躯体の損傷は拡大を続けている。
工法として、現場打ち鉄筋コンクリート枠の内部に割石を詰める、現代でも法枠工で用いられる手法が採用されている。これは、安く、早く、優美な形状のアーチを築造せしめた当時の鉄道省技術陣の良案であった。一方、もし外側の枠が崩れたなら、内部の詰め石が容易に崩壊する欠点を抱えてもいた。経年によりこの弱点が露わとなり、2017年(平成29年)時点で橋の崩壊は時間の問題と見られていた[10]。2003年(平成15年)9月26日の十勝沖地震で中央部の側壁が崩落したのを始め、2010年代後半より他の側壁の崩落も相次いで確認されている[11]。
土地を管理する電源開発は「橋梁は国鉄が放棄したもので、いわば廃墟。ダム湖は管理下にあるが、橋梁を管理しているのではない。地元から保存に関する要望があるわけでもなく、対応は考えていない」と述べ、保存には否定的な見解を示している[12]。
アーチ橋梁群は北海道遺産に選定されているが、タウシュベツ川橋梁はその立地の悪さから、保存措置の対象外とされている[13]。
