ツーリストファミリー
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| ツーリストファミリー | |
|---|---|
| Tourist Family | |
| 監督 | アビシャン・ジーヴィント |
| 脚本 | アビシャン・ジーヴィント |
| 製作 |
ナザラト・パーシリヤン マヘーシュ・ラージ・パーシリヤン ユヴァラージ・ガネーサン |
| 製作総指揮 | ハリーシュ・ドゥライラージ |
| 出演者 |
シャシクマール シムラン ミドゥン・ジェイ・シャンカル カマレーシュ・ジャガン |
| 音楽 | ショーン・ロールダン |
| 撮影 | アラヴィンド・ヴィシュワナーダン |
| 編集 | バラト・ヴィクラマン |
| 製作会社 |
ミリオンダラー・スタジオ MRPエンターテインメント |
| 配給 |
|
| 公開 |
|
| 上映時間 | 127分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | タミル語 |
| 製作費 | ₹70,000,000[1][注釈 1] |
| 興行収入 | ₹900,000,000[3] |
『ツーリストファミリー』(Tourist Family)は、2025年のインドのタミル語コメディドラマ映画。アビシャン・ジーヴィントの監督デビュー作品であり、主要キャストとしてシャシクマール、シムラン、ミドゥン・ジェイ・シャンカル、カマレーシュ・ジャガンが出演している。スリランカ経済危機をきっかけにインドに不法入国した移民家族と住民たちの間で巻き起こる騒動を描いている。
『ツーリストファミリー』は批評家から高い評価を得ており、製作費7000万ルピーに対して興行収入は9億ルピーを記録し、タミル語映画年間興行成績第10位にランクインするなど、同年公開されたインド映画で最も高い興行収入を記録した作品の一つとなった[3]。また、2026年にはアカデミー作品賞の候補作品リスト入りを果たしている[4]。
スリランカのジャフナに暮らすスリランカ系タミル人のダースは、同国で発生した経済危機から逃れるため、家族を連れてインドへの脱出を決意する。彼はヴェルヴェッティトライから船に乗り込み、妻ワサンティの兄プラカーシュと合流するためラーメーシュワラムに上陸するが、巡回中のバイラヴァン巡査長に発見され拘束されてしまう。バイラヴァンはダース一家を強制送還するために連行するが、ダースの次男ムッリの機転で解放される。ダース一家はプラカーシュと共にチェンナイに向かい、「ケララ人」と素性を偽り、ラーガヴァン警部補が貸し出しているアパートの2階で暮らし始める。ダースは隣家のリチャードの運転手の求人に応募して臨時採用されるが、プラカーシュからスリランカ方言を出して素性が露見しないように住民との接触を避けるように忠告される。しかし、ダースやワサンティは隣人たちと交流を深めていき、ワサンティは隣家の老夫婦(グナシェーカル、マンガイヤルカラシ)と親しくなる。
そんな中、ラーメーシュワラムで爆弾テロ事件が発生し、バルワン・シン警部が捜査を担当することになる。監視カメラの映像にダースが映っていたことから、ムルガン巡査はダースを疑いバルワンに報告しようとするが、ダースに好感を抱いていたバイラヴァンは報告を止めさせる。一方、バルワンは容疑者を拷問して重傷を負わせたことが発覚し、ウダイ・シャンカル警視総監から責任を追及され、暴行による逮捕を取り下げる条件として爆弾犯の早期逮捕を命じられる。一方、ニドゥはアパートに忍び込んだ不審な男を捕まえるが、男の正体がラーガヴァンの娘クナルの恋人であることが判明する。その騒動の中、恋人がクナルの友人と浮気していることが発覚し、恋人と破局したクナルは次第にニドゥと親しくなる。クナルに心を許したニドゥは自分がスリランカ人であることを明かし、自分たちの意見を無視して移住を決めた父への不満を語る。同じころ、リチャードから正式採用を断られたダースは自暴自棄になり、ムッリが海岸で拾ってきた子犬を捨ててしまい、ニドゥから自分勝手な考えで家族を巻き込んだことを責められ口論になる。その後、ダースと和解するニドゥだったが、スリランカにいる恋人が別の男と結婚したことを知って落胆し、家族やクナルの励ましを受けて気持ちを持ち直した。
バイラヴァンは爆弾テロ事件の捜査を進める中、家出した子犬の捜索を求める男を対応する。しかし、その子犬はムッリが「スリランカから連れてきたペット」と話していた子犬と同一の個体だったことが判明し、騙されたことを知ったバイラヴァンは激怒し、ダース一家のことをバルワンに報告する。報告を受けたバルワンはダースが爆弾犯であると確信し、一家の捜索を開始する。同じころ、チェンナイではマンガイヤルカラシが亡くなり、グナシェーカルは悲観に暮れる。2人が駆け落ちして実家と絶縁状態であることを知ったダースは近所を駆け回り、隣人たちを集めてマンガイヤルカラシを見送る。その後、ダースはリチャードに自分がスリランカ人であることを告げ、リチャードは素性を正直に話したダースを受け入れ、運転手として正式に採用する。教会でマンガイヤルカラシの葬儀が行われる中、近所の爪弾き者だった酒浸りの青年が話し始め、ダースに命を救われたことを明かす。彼はアルツハイマー病を患っていた母と死別したことで酒浸りとなり衝動的に自殺を図ったところをダースに救われ、彼が自分を気遣ってくれたおかげで立ち直ることができたことを語り、ダースへの感謝を伝える。隣人たちと和解した青年はドバイで働き口を見つけてチェンナイを離れ、隣人たちと親しくなったダースは自分の素性を明かし、彼らとの交流を深めていく。
数日後、バルワン率いる捜査チームがチェンナイに到着し、住宅地の捜索を開始する。バルワンはダース一家の尋問を始めるが、バイラヴァンが「彼らはラーメーシュワラムで会った家族とは別人だ」と告げたため激怒する。そこに「尋問で重傷を負った容疑者が死亡し、バルワンに対する逮捕命令が出た」という知らせが入り、バルワンは捜査員を連れて住宅地から撤収する。ダースはバイラヴァンに自分たちをかばった理由を尋ね、バイラヴァンは住民たちがスリランカ方言を話して捜査を攪乱してダースたちをかばっていたことを告げる。バイラヴァンが立ち去った後、行方不明だった子犬がダースの前に現れ、彼は子犬と共に隣人たちのもとへ戻っていく。
キャスト
- ダルマダース(ダース) - シャシクマール
- ワサンティ - シムラン
- ワサンティの声 - サヴィタ・ラーダクリシュナン
- プラカーシュ - ヨーギ・バーブ
- A・バイラヴァン巡査長 - ラメーシュ・ティラク
- リチャード - M・S・バースカル
- グナシェーカル - イランゴー・クマラヴェール
- マンガイヤルカラシ - シュリージャー・ラヴィ
- R・ラーガヴァン警部補 - バガヴァティ・ペルマール
- ニトゥシャン(ニドゥ) - ミドゥン・ジェイ・シャンカル
- ムラリ(ムッリ) - カマレーシュ・ジャガン
- N・ウダイ・シャンカル警視総監 - アジット・コーシー
- ラーガヴァンの妻 - サウンダリヤ・サラヴァナン
- R・バルワン・シン警部 - ラームクマール・プラサンナ
- カヴィタ - ポルコディ・センディル
- 酒浸りの青年 - アビシャン・ジーヴィント
- ムッリの先生 - スダルシャン・ガンディー
- クナル - ヨーガラクシュミ
- ムルガン巡査 - S・ラージャパンディ
製作
企画
2024年9月28日にミリオンダラー・スタジオは新作映画の監督にアビシャン・ジーヴィントを起用したことを発表し、10月から撮影を開始することが明かされた[5]。当初はカマル・ハーサン主演作『Thenali』の精神的続編として構想が練られていたが[6]、最終的に『Thenali』とは無関係なオリジナル作品として製作されることになった[7]。同作ではナザラト・パーシリヤン、マヘーシュ・ラージ・パーシリヤン、ユヴァラージ・ガネーサンがプロデューサーを務め、ミリオンダラー・スタジオとMRPエンターテインメントが共同製作として参加するほか[8]、アラヴィンド・ヴィシュワナーダン(撮影監督)、バラト・ヴィクラマン(編集技師)、ラージ・カマル(美術監督)が起用された[9]。12月6日には新作映画のタイトルが「Tourist Family」となることが発表された[10][11][12]。
主人公の夫婦役にはシャシクマールとシムランが起用され[13]、アビシャン・ジーヴィントも脇役として出演している[14]。また、ドラマシリーズ『Heart Beat』で知られるヨーガラクシュミが『ツーリストファミリー』で映画デビューすることが発表されたほか、ニドゥ役にはマラヤーラム俳優のミドゥン・ジェイ・シャンカルが起用された。彼は俳優デビュー作『Aavesham』が公開された5か月後にミリオンダラー・スタジオから出演依頼を受けてタミル語映画に初めて出演することになり[15]、役作りのために2週間かけてスリランカのタミル語方言を学んだという[16]。主要撮影はチェンナイに建設された撮影セットで35日間かけて行われ[17]、2025年1月2日に撮影が完了した[18]。吹き替え作業は2024年12月14日から開始され[19]、同時期にはポストプロダクション作業も行われていた[20]。
音楽
| 『ツーリストファミリー』 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ショーン・ロールダン の サウンドトラック | ||||
| リリース | ||||
| ジャンル | サウンドトラック | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | ティンク・ミュージック | |||
| プロデュース | ショーン・ロールダン | |||
| ショーン・ロールダン アルバム 年表 | ||||
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| 『ツーリストファミリー』収録のシングル | ||||
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| ミュージックビデオ | ||||
| Tourist Family – Jukebox - YouTube | ||||
背景音楽とサウンドトラックの作曲はショーン・ロールダンが手掛け[21]、2025年2月21日にファーストシングル「Mugai Mazhai」がリリースされ[22]、4月16日にセカンドシングル「Aachaley」がリリースされている[23]。
| # | タイトル | 作詞 | 歌手 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1. | 「Aachaley」 | モーハン・ラージャン | ショーン・ロールダン | |
| 2. | 「Vaazhndhu Paaru」 | モーハン・ラージャン | S・P・チャラン | |
| 3. | 「Iragey」 | モーハン・ラージャン | ヴィジャイ・イエースダース | |
| 4. | 「Iragey Reprise」 | モーハン・ラージャン | ヴェンカトラーマナン | |
| 5. | 「Mugai Mazhai」 | モーハン・ラージャン | ショーン・ロールダン、サインダーヴィ | |
| 6. | 「Maname」 | モーハン・ラージャン | マノージュ・クリシュナ、ショーン・ロールダン | |
| 7. | 「Ore Vaanam」 | モーハン・ラージャン | ユヴァン・シャンカル・ラージャー、ミーハー・アグルワール | |
合計時間: | ||||
公開
2025年4月29日にインドで公開された後[24]、5月1日から海外市場での公開が始まった[25]。また、イギリスでは小規模予算で製作されたタミル語映画として初めてスーパースクリーンで上映された[26]。その後、6月2日からJioHotstarで配信が開始され[27]、12月15日にはチェンナイ国際映画祭のタミル語長編映画部門で上映された[28][29]。
評価
興行収入
インドでは『Retro』『Raid 2』『HIT:第三の事件』と同日に公開され[30][31]、公開初日に2000万ルピーの国内興行収入を記録した[32]。また、公開3日目には海外興行収入が2300万ルピーを記録しており、シャシクマール主演作として歴代最高額を更新した[33]。公開初週末の累計興行収入は2億3000万ルピーを記録し[3]、5月中旬までに5億ルピーを超えている[34]。『Box Office Mojo』によると、海外市場(ノルウェー・アラブ首長国連邦・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド)の興行収入は56万ドル(4700万ルピー)を記録している[35]。最終的な興行収入は9億ルピーであり、製作費が7000万ルピーであることから、2025年公開のインド映画の中で最も収益性の高い作品の一つに挙げられている[3]。
批評
『ツーリストファミリー』は批評家から好評を博しており、演出・音楽・キャスト(シャシクマール、シムラン、カマレーシュ・ジャガン、ヨーギ・バーブ)の演技が高く評価されている[36][37][38]。『OTTプレイ』のアヌーシャ・スンダルは3.5/5の星を与えて「アビシャン・ジーヴィント監督は、"逆境の中における人間性と絆"というテーマを巧みに探求し、彼が起用した多様なアンサンブルキャストが心に響くような演技を見せてくれた」と批評し[39]、『インディアン・エクスプレス』のアヴィナーシュ・ラーマチャンドランも3.5/5の星を与えて「シャシクマールとシムランがダブル主演を務めたこの映画は、ユーモアの面で非常に高い評価を得ており、こうした場面では、観客が様々なことを考えさせられる映画の中で、すべてを忘れてただ笑いたいと願っていることを思い起こさせてくれる」と批評したほか[40]、『シネマ・エクスプレス』のジャヤブーヴァネシュワーリー・Bも3.5/5の星を与えて「一見軽妙な作品に思えるが、実際は悲しみとユーモア、そして温もりを均等に盛り込んだ作品であり、シャシクマールの人間味あふれる深い演技と、日常を生きる人々の混沌の中に垣間見える善良さを体現したキャストの演技が作品を支えている」と批評している[41]。
『ヒンドゥスタン・タイムズ』のラター・シュリーニヴァーサンは3.5/5の星を与えて「『ツーリストファミリー』はアビシャン・ジーヴィント監督が手掛けた素晴らしい物語であり、隣人を、そして何よりも人類を愛さなければいけないという教訓を明示している」と批評し[42]、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』のアビナウ・スブラマニヤンは2.5/5の星を与えて「『ツーリストファミリー』は、やや定型的な物語であるものの、人生を一からやり直すことの困難を優しく見つめた作品と言えるだろう」と批評している[24]。また、『ザ・ヒンドゥー』のシュリーニヴァーサ・ラーマヌージャンは「けたたましい銃声と感傷的な恋愛劇が支配する映画界において、『ツーリストファミリー』は一服の清涼剤となる作品だ」と批評したほか[43]、『ハリウッド・リポーター・インディア』のプラトユシャ・パラースラーマンは「強引にも思える優しさを漂わせるトーンとは裏腹に、映像表現は冷静・鮮明であり、どこか距離を感じさせるものだ。喜びも不安も、すべての表現を忍耐強く描き出している」と批評している[44]。
受賞・ノミネート
| 映画賞 | 授賞日 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| チェンナイ国際映画祭 | 2025年12月18日 | タミル語長編映画部門作品賞 | 『ツーリストファミリー』 | 第2位 | [45] [46] |
| タミル語長編映画部門男優賞 | シャシクマール | 受賞 | |||
| インド・ナショナル・シネ・アカデミー賞 | 2026年4月16日 | タミル語映画部門作品賞 | 『ツーリストファミリー』 | 受賞 | [47] |
| タミル語映画部門女優賞 | シムラン | ||||