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トライアスロン

水泳・自転車・長距離走を続けて行う競技 From Wikipedia, the free encyclopedia

トライアスロン英語: triathlon)は、水泳自転車ロードレース長距離走の順に連続して3種目を行い、その所要時間または着順を競う競技。アメリカにて1974年に初開催された比較的新しいスポーツである[1]

起源 1974年
身体接触
男女混合
概要 統括団体, 起源 ...
トライアスロン
水泳(スイム)・自転車(バイク)・長距離走(ラン)の順に連続して行う。
統括団体 ワールドトライアスロン
起源 1974年
特徴
身体接触
男女混合
カテゴリ 屋外競技
実施状況
オリンピック 2000年 -
世界選手権 1983年 - (アイアンマンは1978年 - )
パラリンピック 2016年 -
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概要

夏季オリンピック・トライアスロン競技のシンボルマーク

triathlonは、ギリシャ語数字の「3」を意味する接頭辞 tri- と、「競技」を意味する athlon の合成語で、英語発音にならって「トライアスロン」と呼ばれる。

この言葉自体は、具体的な種目名を示していないが、現在では、水泳自転車長距離走(スイム・バイク・ラン)の3種目を、この順番で、それぞれの距離・コースを設定し1人のアスリートが連続して行い、その時間または着順を競う競技を指す。また、種目の切り替え(トランジション)もみどころであり、靴やヘルメット(状況によりウエットスーツも)の着脱作業が必要で、このスピードがレースの勝敗を分けることもあるため「第4の種目」と呼ばれることもある[2][3]

競技距離は、オリンピックでも実施されるスタンダードディスタンス[注 1] は合計51.5km(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km)で行われる。スプリントディスタンスはその半分の合計25.75km(スイム0.75km・バイク20km・ラン5km)で行われる[注 2]ロングディスタンスはスイム3km以上、バイク91km以上、ラン22km以上のレースを指し、その中でもアイアンマンレースは合計約226km(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km[注 3])で行われる。大会により様々な距離設定で行われている(規格について詳しくは「種類」の節を参照のこと)。

「ロングディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「スタンダードディスタンス」等のレースでは一般の市民アスリートの参加も多く、現在、このレース距離の大会が多くを占めている。

チームリレーでは1人が3種目を連続して行い、例えばオリンピックでは男女各2名の4人で行われる。またこの種目の他に、3名で1種目ずつ分担する「コーポレイト」という種目もあり[4]、こちらは一般参加の大会でも広く行われている。

オリンピックにおいては、2000年シドニーオリンピックから正式種目となった。パラリンピックの正式種目となるのは、2016年リオデジャネイロパラリンピックからである[5][6]。日本では、2009年トキめき新潟国体から国民スポーツ大会の公開競技となり、2016年希望郷いわて国体から正式競技となった。

歴史

国際的な経緯

日本での経緯

皆生温泉にある「日本トライアスロン発祥の地」の看板

種類

ワールドトライアスロン競技規則23条(附則A)[18]の定めによるレース距離は以下の通り。大会によって距離は変更される。基準となる規格の背景は黄色。ディスタンスとは距離の意味。

さらに見る 種類, スイム ...
ワールドトライアスロン競技規則による規格
種類 スイム バイク ラン 備考
リレー(1人あたり) 250 - 300m 5 - 8km 1.5 - 2km 混合リレー、2×2混合リレー、3人リレー。
スーパースプリントディスタンス250 - 500m6.5 - 13km1.7 - 3.5km
スプリントディスタンス750m20km5km
スタンダードディスタンス1500m40km10km オリンピック個人戦でも実施。
ミドルディスタンス1900 - 2999m80 - 90km20 - 21km
ロングディスタンス3000 - 4000m91 - 200km22 - 42.2km
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さらに見る 種類, スイム ...
その他の参考規格
種類 スイム バイク ラン 備考
アイアンマン3.8km180.2km42.2km五島長崎国際(日本ウルトラロング選手権)など。
アイアンマン70.31.9km90km21.0975kmアイアンマンの半分。
トライアスロン1013.0km130km30km合計約101マイル2007年から。
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ルール

自転車のドラフティングと周回遅れの扱い

バイク(自転車)では、ドラフティング(いわゆるスリップストリーム)について、競技会により以下のどちらかのルールが適用される。

  • ドラフティング禁止
  • ドラフティング許可、ただしバイクの周回遅れでレースから除外 : 主にエリート部門(スタンダード以下の距離)などで適用。

以下ではそれぞれ解説する。

「ドラフティング禁止」ルール

一般大会で適用。また、ミドルディスタンス以上では、エリート含め全部門で適用[19]

このルールでは、通常の自転車レースに見られる集団走行、他人を風よけに使っての走行は禁止されている。具体的には、前方選手の前輪先端から後方12m以内に入ることができない。追い越しで通過するときは、25秒以内にこの範囲から抜け出さなくてはならない[20]。また、並走や集団走行、他の選手のブロックも禁止であり、追い越した後は車間距離を保って左側通行を行わなければならない[21]

さらに見る 距離, 1回目 ...
ドラフティング違反のタイムペナルティ
距離 1回目 2回目 3回目
スーパースプリント
スプリント
30秒 失格-
スタンダード 1分 失格-
ミドル 2分 2分 失格
ロング 3分 3分 失格
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違反した場合、審判からタイムペナルティとして所定のペナルティボックスで待機するよう告げられる。待機時間は、スプリント以下の距離は30秒、スタンダードディスタンスは1分、ミドルディスタンスは2分、ロングディスタンスは3分[22]。スタンダードディスタンス以下は2回目の違反で、ミドルディスタンス以上は3回目の違反で失格となる[23][注 10]

トライアスロンでのトラブルの多くは、ドラフティングによる失格判定の問題である。ルールを明確化するためいっそのことドラフティングを認める方が良いという意見もある。しかし、ドラフティングを許してしまえば、スイム・バイクでは集団に着いていく力さえあればそれ以上の能力は不要。ランだけで勝負が決まることになるとの批判も多い。特にロング大会においては、自らの力で走りきることを主旨としており、ドラフティングが認められていない(コンペティティブ・ペーシェンスとしての側面が強い)。

ドラフティング禁止というルール、そしてUCI管轄外でバイクはその制限を受けない、という2点があるために、ロードレースでありながらタイムトライアルバイクに複数のボトルや補給食、スペアチューブや畳めるタイヤ、携帯工具など修理機材を積めるように小改修したバイクを使用する選手が多い(UCIの制限は受けないが、トライアスロンとしてのバイクの規定はある。)。

「ドラフティング許可」ルール

スタンダードディスタンス以下のエリート部門(オリンピック世界トライアスロンシリーズワールドカップ日本選手権を含む)などで適用。

このルールでは、バイクの周回コースで周回遅れとなった場合は、審判によってレースから除外される[24][注 11]。つまり強制的に棄権の扱いとなり、選手はその場で競技中止となる。周回遅れのレース除外は記録上「ラップ(LAP)」といい、周回遅れにされることを「ラップされる」という[24]。なお、スイムやランでは周回遅れとなっても除外されない。

ドラフティング許可レースであっても、性別が異なる選手へのドラフティングは禁止であり、またオートバイや通行車両を風よけにすることは危険回避のやむをえない場合を除き禁止されている[25]

競技会によっては、バイクで周回遅れになってもレース除外とならない(競技続行を認める)よう変更することも可能。その場合は、周回遅れとなった選手が周回遅れとした選手の後ろに付く事が禁止となる(114条2項)。国民スポーツ大会などで採用されている[注 12]

その他のルール

  • 第三者の手を借りてはならない。
    • パンクやメカトラブルも自分で対応・処置しなければならない。
(※:パルクフェルメ#自転車競技におけるパルクフェルメも参照)

世界の主な大会

2024年パリオリンピック

スタンダードディスタンス

ロングディスタンス

チャレンジ・ファミリー

すべての年代、あらゆる能力のアスリートにレースを提供し、観客に感動と興奮をもたらすイベントとして、世界各国でロングディスタンスレースを開催している。ドイツロート発祥。

日本の主な大会

スタンダードディスタンス

スタンダードディスタンス(オリンピックディスタンス)およびそれ以下の距離の大会は、全国各地で数多く行われており、多くの市民アスリートが出場している[30]

エリート

エリート(プロ選手・実業団等に属す選手等)部門を対象とするレースは、国内大会の最高峰として日本トライアスロン選手権などがある。日本トライアスロン選手権は後述の「ジャパンランキング」(後述)の対象レースとなっており、この成績と世界ランキングの点数を合わせて国内年間ランキングを決定する。また、同じく登録選手から選考会を経て出場権を得られる大会として国民スポーツ大会がある。

学生・U23以下

学生の最大規模の大会(通称インカレ)では日本学生トライアスロン選手権(個人戦・団体戦)が毎年行われている。団体戦はチーム上位3名の合計タイムを競う。

  • 日本学生トライアスロン選手権(インカレ
  • 日本U23トライアスロン選手権
  • 日本U23スプリントトライアスロン選手権
  • 日本ジュニアトライアスロン選手権
  • 全国高等学校トライアスロン選手権
エイジグループ

エイジグループ(一般の部)を対象とした大会は、全国各地で多数開催されている[30]。また、エイジグループの上位成績者による日本選手権も開催されている。

  • 日本エイジグループトライアスロン選手権 / 日本エイジグループスプリントトライアスロン選手権

ジャパンランキング

NTTジャパンランキングは、日本国籍[注 14]のトライアスロンジャパン登録選手による年間ランキング[31]1996年(平成8年)からトライアスロンジャパンカップの名称で始まった[32]2015年以降の基準では、ワールドトライアスロンの最新1年間の獲得ポイントに、日本トライアスロン選手権の特別ポイントを加え年間ランキングを決定している[31][33]

2014年までの基準

対象となる大会のレベルによりSS、S、A、B、Cの5つのカテゴリー分けられ、選手たちは成績に応じてポイントが付与された。SSカテゴリーは、ITUワールドチャンピオンシップシリーズの世界ランキングを点数化して付与するが、Sカテゴリー以下は各大会ごとの成績で付与される。Sカテゴリーは同シリーズの各大会にあたり、日本ではWCS横浜大会が同カテゴリーで開催される。Aカテゴリーは、日本において伝統的に国内最高峰大会に位置づけられてきた大会で、開幕戦(石垣島大会)と最終戦(東京港大会)にて行われる。石垣島大会は、ITUワールドカップの1つでもあった。東京港大会は日本トライアスロン選手権にあたる。Bカテゴリーは、その他の日本国内における国際大会であり、アジアを転戦するITUアジアトライアスロン大会のシリーズ戦に含まれている(東京港大会以外のSおよびAカテゴリーもアジアのシリーズ戦に含まれる)。CカテゴリーはJTUによる国内大会である(大会名に「国際」が付いているが、ITU国際大会ではない)[34]。参加資格は、日本トライアスロン連合強化指定選手(S、A、B、C)、認定記録会7級以上、加盟団体推薦選手(都道府県連合、学生連合)のいずれかであった。

ミドルディスタンス

アイアンマン70.3を2010年から2020年まで知多半島(2020年時点ではアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンとして愛知県知多市新舞子マリンパーク周辺)[35][注 15]、2023年に渥美半島(アイアンマン70.3東三河ジャパンin渥美半島として田原市豊橋市)で開催した。アイアンマン70.3世界選手権(9月開催:ラスベガス)の参加資格を得られた。

ロングディスタンス

ロングディスタンスの大会は、2026年現在、日本国内では前述のアイアンマンジャパンみなみ北海道に加え、以下の4つが行われている。

日本の大会と「アイアンマン」

「アイアンマン」という名称は、アイアンマンレースの主催者であるワールド・トライアスロン・コーポレーション英語版(WTC)の登録商標であり、WTCの許可がなければ使用できない。

2009年(平成21年)までアイアンマン・ジャパントライアスロン五島長崎が行われた。2010年(平成22年)は口蹄疫の発生等が原因で中止になった。2013年からアイアンマン・ジャパンが北海道洞爺湖周辺で開催されていたが、体制の見直しを理由に2015年(平成27年)大会を最後に一時休止中[39]

五島長崎国際トライアスロン大会については、2011年(平成23年)以降について「アイアンマン」の商標権所有会社と五島市の間で「アイアンマン」の商標使用に関する契約締結はなく、独自ブランド「五島長崎国際トライアスロン大会」(愛称:バラモンキング)で、2011年(平成23年)以降もトライアスロン大会を継続することになった。

2024年からアイアンマンジャパンみなみ北海道が北海道函館市北斗市木古内町で開催されている[40]

認定記録会

トライアスロンジャパン主催の元、毎年、全国各地で認定記録会が行われている。16歳以上カテゴリの課題はスイム400mとラン3000mを別々に計測した合計タイムである。以下、男女ともにU15、U12、U10(男女共通)、U8(男女共通)とパラに分けられる。

16歳以上の場合は、最上級の1級から最下級の50級まで標準記録が設定されている。標準記録は数年ごとに変更されている。2022年からの標準記録は、16歳以上男子の1級で11分35秒81(内訳はスイム400mが3分50秒00、ラン3000mが7分45秒81(アレックス・イーの3000m走自己記録))。16歳以上女子の1級で13分06秒94(内訳はスイム400mが4分13秒00、ラン3000mが8分53秒94(ベス・ポッターの3000m走自己記録))[41]

強化指定

スイム、ラン両方が7級を超えるとトップ・オブ・トップス大会以外のジャパンカップに出場できる。 (スイム×2+ラン)の合計タイムが(スイム5級×2+ラン5級)を超えると強化指定選手となり、ワールドカップに出場できる。

有名人の参加

トライアスロン大会に参加・完走した経験がある有名人

トライアスロン出身の主な自転車競技選手

トライアスロンが登場する作品

小説
漫画
  • 『10月の満月に一番近い土曜日』石渡治
映画
  • 風の歌が聴きたい』(大林宣彦監督・脚本)
  • 『太陽(てぃだ)』(小田大河監督・脚本)
  • 『宮古島トライアスロン』
  • 『グレート デイズ! ―夢に挑んだ父と子―』
  • 『セーヌ川の水面の下に』

脚注

関連項目

外部リンク

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