トロル (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

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トロル(Troll)は、ファンタジーロールプレイングゲーム(RPG)『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)に登場する架空のモンスター。

トロルは世界中の民間伝承に登場するが、 D&Dのトロルはそれらとほとんど共通点が無い。むしろ、北欧神話ポール・アンダースンの『魔界の紋章(Three Hearts and Three Lions)』に登場するトロルに着想を得ており[1][2][3]、特に「再生(傷を非常に速く治癒する能力)」と火への弱さに顕著である[4][5]。トロルは背が高く、痩せて不格好なヒューマノイドで、知能が低く、鼻は長く、ゴムのような緑色の肌をしている[4][6][7][8]。トロルは多くのAD&Dの世界に見られる特徴的な住人である[9]

出版物での歴史

Original Dungeons & Dragons

トロルは、『Dungeons & Dragons[注 1]』の「white box[注 2]」セット(1974)で、ゲームの最初期に導入されたモンスターの1つであり、再生能力を持つ「薄くてゴムのような」そして「不快な」生き物として描写されている[10]

Dungeons & Dragons Basic set

D&D Basic Set[注 3]』(1977)には独自版のトロルが含まれており[11]、『Dungeons & Dragons Expert Set』(1981、1983)に収録されている[12][13]。トロルはガゼッタ『The Orcs of Thar』(1989)で、プレイヤー・キャラクター種族として登場した。トロルは後に、『Dungeons & Dragons Game』セット(1991)、『Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia』(1991)[14]、『Classic Dungeons & Dragons Game』セット(1994)、『Dungeons & Dragons Adventure Game』セット(1999)にも登場した[15]

Advanced Dungeons & Dragons第1版

トロルは、『AD&D[注 4]第1版』の『モンスター・マニュアル(『MM』)』(1977)に登場し[16]、恐れ知らずで、ダメージを受けても再生する「恐ろしい肉食者」として描写されている。

1981年の『Fiend Folio』では、giant two-headed trollgiant trollice trollスピリット・トロルなど、いくつかの新しい種類のトロルが登場した[17]モジュール『ツォジキャンスの失われし洞窟網(The Lost Caverns of Tsojcanth)』(1982)[18]では、marine troll(別名「スクラグ」)が登場し、後に『Monster Manual II』(1983)に再録された[19]

black trollrock trollは、『ドラゴン』#141のコラム「Dragon's Bestiary」(1989年1月)で紹介された[20]

Advanced Dungeons & Dragons第2版

トロルは『Monstrous Compendium Volume One』(1989)で初登場し[21]、『Monstrous Manual』(1993)にいくつかのトロルの亜種族と共に再録された[22]

『Monstrous Compendium Ravenloft Appendix』(1992)では、ice trollが再登場した[23]snow trollは『ダンジョン』#43(1993年9月)で初登場し、後に『Monstrous Compendium Annual Volume One』(1994)に再録された[24]

『ドラゴン』#199のコラム「Dragon's Bestiary」(1993年11月)では、fire trollgray trollphaze trollstone trolltrollhoundなど、いくつかの新しいタイプのトロルが紹介された[25]。fire trollは後に、Paizoの『Dragon Compendium, Volume 1』(2005)で再紹介された。

『Monstrous Compendium Annual Volume Four』(1998) には、彼方の領域のクリーチャーであるtroll mutateが含まれていた。

Dungeons & Dragons第3版

トロルは、『D&D第3版[注 5]』(2000)の『MM』に登場する[26]

トロルについては、『ドラゴン』#301(2002年11月)の「The Ecology of the Troll」でさらに詳しく説明されており、deep sea trollfiendish troll、ice troll、rock troll、スクラグも紹介されている[27]

『Savage Species』(2003)では、トロルが種族とプレイ可能なクラスの両方として登場した[28]フォーゴトン・レルムの製品である『Unapproachable East』(2003)では、fell troll、ice troll、mur-zhagul(または「demon troll」)、slime trollが導入された[29]

Dungeons & Dragons第3.5版

トロルは、『D&D第3.5版[注 6]』(2003)の改訂版『MM』に登場し、スクラグの情報も含まれている。cave trollcrystalline trollforest trollmountain trollウォー・トロルなど、いくつかの新しいトロルが『モンスターマニュアルIII』(2004)で導入された[30]wasteland trollは『Sandstorm: Mastering the Perils of Fire and Sand 』(2005)で、filth-eater trolltunnel thug trollは『Drow of the Underdark』(2007)で、bladerager trollは『Monster Manual V』(2007)で導入された。

Dungeons & Dragons第4版

トロルは、ウォー・トロルやfell trollと共に、『D&D第4版』(2008)の『MM』に登場する[31]

Dungeons & Dragons第5版

トロルは、『D&D第5版』(2014)の『MM』に登場し、ダイア・トロル、ロット・トロル、スピリット・トロル、ヴェノム・トロルは[32]、全て『モルデンカイネンの敵対者大全(Mordenkainen's Tome of Foes)』に登場する[33]

生態

環境

トロルは寒冷な山岳地帯に最も多く生息するが、それ以外のほぼどこでも遭遇する可能性がある。

典型的な身体的特徴

平均的なトロルの身長は約9ft(約2.7m)、体重は約500lbs(約230Kg)だが、女は男よりも少し大きい傾向がある。トロルの皮膚はゴムのように硬く、通常は苔のような緑色、腐ったような灰色、または灰と緑のまだらである。粗い毛は、一般的に鉄灰色、または緑がかった黒をしている。

トロルは、肩を落として前かがみになる傾向があるため、一見すると実際よりも背が低く見える。歩き方は不安定で、走る時は腕をぶらぶらさせて地面を引きずる。この不器用な様子とは裏腹に、トロルは非常に機敏である。

トロルはその再生能力で悪名高く、どんなにひどい傷でも回復し、時間をかければ四肢全体を再生させることも可能である。頭部を切断してすら死に至らず、一時的に行動不能になるだけである。トロルの頭部やその他の四肢を切断した後は、再生を防ぐために火や酸で傷口を封じる必要がある。そのため、ほとんどの冒険者は、何らかの火を起こす道具を携帯している。

属性

トロルは通常、“混沌にして悪”の存在である。

社会

トロルは巨人語を話し、一般に“破壊者”ヴァプラクを崇拝している。

トロルの亜種族

  • Black troll – 角があり「demon troll」としても知られる。アビスに生息し、強力な魔法の能力を持っている。
  • Blood trollデヴィルに仕えることが多い、“秩序にして悪”の赤い肌のトロル。
  • cave troll – 地下に生息することが多い、強力で野生的なトロル。
  • crystalline troll – クリスタルのような肌を持つ、カリスマ性のあるトロル。
  • deep sea troll – 水と原始的な繋がりを持ち、海と海岸線を恐怖に陥れる。
  • Desert troll – カメレオンのような肌を持った、待ち伏せするハンター。
  • ダイア・トロル – 他のトロルを食べて、切断された体の一部を自分自身に貼り付け、再生させることで巨大化したトロル。
  • fell troll – 巨大な双頭のトロル。第4版では、単に大型のトロルになった。
  • Fire troll – 通常のトロルと違い、[火]と[酸]に耐性があり、[冷気]に弱い。
  • forest troll – 森に生息し、「muskwarts」も含まれる。
  • Gray trollアンデッドにエネルギーを吸い取られ、死にそうになったこれらの衰弱したトロルは、負のエネルギーと強いつながりを築き、有毒な唾を吐く。
  • ice troll – 寒冷地に生息するトロル。
  • mountain troll – 山を徘徊する巨大なトロル。Halruuan山のトロルも含まれる。
  • mur-zhagul – トロルとデーモンの血を引く、プレインタッチト[注 7]
  • Phaze troll – 高濃度の魔法やアンダーダークの放射線によって変異したこれらのトロルは、ある程度の魔法の力を持ち、同胞よりも高い知能を持つ。
  • Pseudo-troll – pseudonaturalクリーチャー・テンプレートを備えた、彼方の領域からのトロル。
  • rock troll – 大地との親和性を持ち。岩石地帯ではカモフラージュ能力を発揮する。地の元素界で発見されることもある。
  • ロット・トロル – [死霊]エネルギーを注入されたトロルは再生能力を奪い、代わりに壊死のオーラを発散する。
  • スクラグ – 水生版のトロル。
  • slime troll – 地下に生息するこのトロルの体は、常に酸を分泌している。
  • スピリット・トロル – トロルとインヴィジブル・ストーカーの混血種。第5版では、サイキック・エネルギーを吹き込まれ、非物理的な形態へと再生する。
  • Stone troll – ざらざらとした岩のような肌をしており、一般に山岳地帯に生息している。
  • Tree troll – 魔法により誤って生み出された、小型で樹上のトロル。
  • Troll hunter – 普通のトロルだがより狡猾で、文明人を食べるだけでは満足せず、執拗に彼らを狩る訓練を受けている。
  • Two-headed troll – トロルとエティンの恐ろしい交雑クリーチャー。
  • ヴェノム・トロル – 大量の毒により変異したトロル。[毒]ダメージを与えたり、毒の血を攻撃に使用することができる。
  • ウォー・トロル – 戦争のために育てられ、傭兵団を形成するトロル。
  • wasteland troll – 山や砂漠の荒れ地に生息する。

関連クリーチャー

  • Thoul – トロル、ホブゴブリン、グールの組み合わせ。これらは通常、ミスタラ設定に特有のもの。
  • Trollhound – 強力な再生能力など、トロルと多くの共通点を持つ狼のようなクリーチャー。トロルとしばしば共存する。
  • ノール – 開発中にはノーム(Gnome)とトロルのハイブリッドとして考えられており、「Gnoll」という名前もそのため[34]。後にこのアイディアは放棄され、ハイエナのような外見のクリーチャーにその名を付けた。

評価

トロルは、『Dungeons & Dragons For Dummies』の著者らによって、「中レベルモンスターベスト10」の2位にランクされた。著者はトロルを「様々なレベルで英雄に挑戦できる素晴らしい中レベルモンスター」と評し、「トロルはプレイヤーが初めて出会う再生モンスターであり、火を使わない限り、倒すことはほぼ不可能なクリーチャーである」と述べている[35]

ゲームデザイナーのポール・カルザグとローレンス・シックは、ゴブリンをAD&Dにおける「5つの主要なヒューマノイド種族」の1つとした[36]

RPGの作者グレアム・デイヴィスは、「かつて北欧神話では区別なく使われていた『ジャイアント(巨人)』と「トロール』という名称が、現在では『完全に異なる存在である』という認識が広まっている主要因は、『D&D』にあると考えている」という[37]

ミニチュア

トロルは、『D&D Miniatures: Harbinger』セット #77 (2003) に登場する。

その他出版社

トロルについては、Paizo Publishingの書籍『Classic Monsters Revisited』(2008)の58~63ページに詳しく記載されている[38]

脚注

参考文献

外部リンク

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