矢野顕子の初のセルフ・プロデュース作品。ニューヨークで録音が行われ、ウィル・リー(ベース)をはじめとして現地のミュージシャンがバックを務めている。『いろはにこんぺいとう』に続き、シンセサイザープログラマに松武秀樹が参加し、発表当時としてはエレクトロニック色の濃い作品であった。1978年には松武の参加により坂本龍一のアルバム『千のナイフ』(10月25日発売)、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』(11月25日発売)が発売されており、松武から見ればほぼ同時並行的に制作されていたことになるが、この時点では矢野と坂本やYMOとの、クレジットに名が残る形での接点はなく、『いろはにこんぺいとう』に続き、矢野は独自に電子楽器の応用を目指していたということができる。もっとも、その後行われた「ト・キ・メ・キ ツアー」(その模様は『東京は夜の7時』に収録されている)にはYMOメンバーの参加があり、その後YMOとの協働関係が急速に展開することになる。