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ハルマゲドン

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ハルマゲドン(ギリシア語: Ἁρμαγεδών Harmagedṓn ハルマゲドーン/(アルマイェゾン)、ラテン語: Harmagedon ハルマゲドーン/(アルマジェドン))は、アブラハムの宗教における世界の終末における最終的な決戦の地[1]。世界の終末的な善と悪の戦争や世界の破滅そのものを指す(戦争を終わらせる最後の戦争。一説では大艱難の頂点がハルマゲドンとも言われている)。アルマゲドン(教会スラヴ語: Армагеддѡнъ/Армагеддон Armageddon(ʼ))、アーマゲドン(英: Armageddon)、ハーマゲドン、最終戦争ともいう。

新約聖書の『ヨハネの黙示録』16章に出てくる言葉であり、「メギドの山」を意味する[2]。なお、実際のメギドの丘と関係するとも、あくまで比喩でしかないとも様々な解釈が乱立しており、一定しない[要出典]。この天変地異の描写により、終末論は「世界最終戦争」を示唆するものとなり、ハルマゲドンは「決戦の地」と解釈されるようになった[3]。

ここで語られる「終末」は、必ずしも未来のこととは限らない[4]。「ヨハネの黙示録」の成立時(西暦90年前後)は、ローマ帝国がキリスト教を弾圧した時期であり、ヨハネが記した「神の裁き」は、ローマ皇帝に対する制裁を願望として表現しているとされる[4]。

聖書

ヨハネの黙示録16章にはこのように書かれている[5][6]。

それから、大きな声が聖所から出て、七人の御使にむかい、「さあ行って、神の激しい怒りの七つの鉢を、地に傾けよ」と言うのを聞いた。そして、第一の者が出て行って、その鉢を地に傾けた。すると、獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々とのからだに、ひどい悪性のでき物ができた。第二の者が、その鉢を海に傾けた。すると、海は死人の血のようになって、その中の生き物がみな死んでしまった。第三の者がその鉢を川と水の源とに傾けた。すると、みな血になった。それから、水をつかさどる御使がこう言うのを、聞いた、「今いまし、昔いませる聖なる者よ。このようにお定めになったあなたは、正しいかたであります。聖徒と預言者との血を流した者たちに、血をお飲ませになりましたが、それは当然のことであります」。わたしはまた祭壇がこう言うのを聞いた、「全能者にして主なる神よ。しかり、あなたのさばきは真実で、かつ正しいさばきであります」。第四の者が、その鉢を太陽に傾けた。すると、太陽は火で人々を焼くことを許された。人々は、激しい炎熱で焼かれたが、これらの災害を支配する神の御名を汚し、悔い改めて神に栄光を帰することをしなかった。第五の者が、その鉢を獣の座に傾けた。すると、獣の国は暗くなり、人々は苦痛のあまり舌をかみ、その苦痛とでき物とのゆえに、天の神をのろった。そして、自分の行いを悔い改めなかった。第六の者が、その鉢を大ユウフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。また見ると、龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。(見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。)三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。第七の者が、その鉢を空中に傾けた。すると、大きな声が聖所の中から、御座から出て、「事はすでに成った」と言った。すると、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが起り、また激しい地震があった。それは人間が地上にあらわれて以来、かつてなかったようなもので、それほどに激しい地震であった。大いなる都は三つに裂かれ、諸国民の町々は倒れた。神は大いなるバビロンを思い起し、これに神の激しい怒りのぶどう酒の杯を与えられた。島々はみな逃げ去り、山々は見えなくなった。また一タラントの重さほどの大きな雹が、天から人々の上に降ってきた。人々は、この雹の災害のゆえに神をのろった。その災害が、非常に大きかったからである。 — ヨハネの黙示録16章1節から21節(口語訳)[リンク切れ]?

キリスト教終末論の相違点

ハルマゲドンの戦いとゴグ・マゴグの戦い

2つの終末戦争をハルマゲドンの戦いと、ゴグ・マゴグの戦いについて、前千年王国説では、2つの異なる戦いとし、無千年王国説と後千年王国説 では同一の戦いとする[7]。

注意すべき点

岡山英雄は注意すべき点として「獣と地上の王たちとその軍勢」と「キリストとその軍勢」の戦いであること、戦いの武器は、「鋭い剣」、「神のことば」であること、この戦いによって、すべての悪が滅亡するのは目的の一つに過ぎず、キリストの花嫁である教会の結婚こそが重要であるとする[8]。

最後の七つの災害が満ちている七つの鉢を持っていた七人の御使のひとりがきて、わたしに語って言った、「さあ、きなさい。小羊の妻なる花嫁を見せよう」。 — ヨハネの黙示録21章9節(口語訳)[リンク切れ]?

キリストの勝利

尾山令仁は、悪霊の支配下にある地上の支配者たちとの軍勢と、主の軍勢との戦いであるので、この世のいかなる戦争とも異なる戦いであり、メギドの丘で行われるわけではなく、悪とその勢力が滅ぼされるキリスト勝利の戦いであるとする[9]。

奥山実はハルとメギドという2つの言葉からできているこの語は「虐殺の丘」を意味し、竜であるサタンと獣である独裁者と偽預言者からの悪霊に集められた者が、主の軍勢と戦い、子羊の軍勢が勝利すると説明する[10]。

教会への迫害

ウィリアム・ヘンドリクセンは、反キリストのリーダーシップのもとに、汚れた者たちが教会に恐ろしい迫害を加える時がハルマゲドンであると教える。ヘンドリクセンによれば、反キリストは目的をとげられず、邪悪な者たちの軍勢に神の怒りが注がれ、悪魔が「火と硫黄の池に投げ込まれ」るという。[11]

その後

ハルマゲドンの後に起こることについては、教派によって解釈が異なる。ハルマゲドンは最後の審判と直接の関係はないが、キリスト教の教理では、最後の審判の後に、キリスト者にとって天国に行く喜びのときだが、不信者は地獄に落ちるとされる[12]。

しかし、おくびょうな者、信じない者、忌むべき者、人殺し、姦淫を行う者、まじないをする者、偶像を拝む者、すべて偽りを言う者には、火と硫黄の燃えている池が、彼らの受くべき報いである。これが第二の死である」。 — ヨハネの黙示録21章8節(口語訳)[リンク切れ]?

比較宗教学

メギド遺跡

比較宗教学によれば、ハルマゲドンはアブラハムの宗教における世界の終末における最終的な決戦の地を表す用語であり、ヘブライ語のハル・メギド(メギドの丘)に由来する。イスラエル北部にあるメギドは戦略上の要衝であったため、古来より幾度も決戦の地となった(著名なものに、トトメス3世のメギドの戦いなどがある)。このことからハル・メギドという言葉がこの意味で用いられたと考えられている。世界の終末的な善と悪の戦争や世界の破滅そのものを指す言葉である。

カルトとの関係

歴史上、ハルマゲドンを含む終末思想は、しばしばカルトの信者獲得や教祖の自己実現に利用されやすく、アメリカ合衆国でのブランチ・ダビディアンによる事件や、日本での地下鉄サリン事件など、オウム真理教による一連の事件などドゥームズデー・カルトを引き起こすことが少なからずあった(オウム真理教事件)。

レヴィアタンによる破壊、 ギュスターヴ・ドレの挿絵(1865)

現代の文化との関わり

SF小説・SFアニメ・SF映画などサイエンス・フィクション作品、特に終末ものにもこの構図は使われつづけている。

五島勉の著書による『ノストラダムスの大予言』本がブームになり、オウム真理教が、教義においてハルマゲドンの到来を主張し、1995年(平成7年)の地下鉄サリン事件以降、ワイドショーで度々報じられ、幅広い年代にまで「誤ったハルマゲドン」が広く知られるようになった。

関連作品

漫画

  • 『デビルマン』 - 日本では、1972年(昭和47年)に連載の始まった永井豪の漫画。ハルマゲドンという単語の意味を知る人は当時少なかったようである(永井談)。

アニメ・映画

  • 『幻魔大戦』 - 1983年(昭和58年)に公開された、角川春樹制作のアニメ映画。「ハルマゲドン接近」というキャッチコピーがテレビや雑誌で多用され、キリスト教信者でない日本の若者にもこの単語が普及する。
  • 『アルマゲドン』 - 1998年に公開された映画。20世紀末に地球の大気圏を流星雨が突破して地球環境が致命的な打撃を受ける恐れが判明する。被害が生じる前に宇宙飛行士らが決死の覚悟で厳しい任務に当たるストーリー。善と悪の決戦を描いたものではない。

小説

  • 『ニセコ要塞1986』 - 1986年に発表された荒巻義雄の架空戦記。IBM軍(日本列島防衛軍)の軍事コンピュータに「封鎖情報」として登録されており、スキーの最中に偶然この言葉を発見し、調べようとしたある将官が謎の死を遂げる。
  • 『琵琶湖要塞1997』 - 上記の続編。「コード1995」でIBMから独立した日本列島防衛軍が、これまで「グロブロー」の「封鎖情報」とされていたハルマゲドンの謎に迫ろうとする場面がある。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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