パーリンカ

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パーリンカ(ハンガリー語:pálinka['paːliŋkɒ])は、ハンガリーで造られる、果物を原料とする蒸留酒である。なお、ハンガリー国外で造られる同様の蒸留酒はパーリンカを名乗ることはできず、フルーツブランデー、ツイカラキヤなどと区別される。語源はスロバキア語で「燃やす(蒸留する)」を意味する「pálenka['paːlɛŋka]」、さらに基はスラヴ語の「páliť」から。

素材として使われるフルーツは様々なものがあるが、最も一般的なものはプラムで、次いでリンゴ洋ナシチェリーアプリコットなどがある。

基本的には「素材の果物名+パーリンカ」の名前で分類される。(例:プラムの場合「Szilva pálinka」、アプリコットの場合「Barack pálinka」)

オン・ザ・ロック水割りなど、冷やしたり薄めたりする飲み方は香りが立たないため、一般的にはストレートで飲まれることが多い。ハンガリーではショットグラスに注いだパーリンカを一気に飲む飲み方がよく見られる。ただしアルコール度数が強いため、グラスに室温と同程度のパーリンカを少量入れ、香りとともに楽しむ飲み方も一般的である。適度に温度が上がると香りが立つので、グラスを手のひらで包み込むようにして温めながら味わうことでより香りを楽しむことができる。ただし注いだ時から充分に香りが強いため、ブランデーとは違い香りの変化は少なく温めずとも果物の香りを楽しめるので温める必要はない。

製法

製法は一般的なブランデーと同様である。パーリンカの品質は、使用する果物の品質に大きく影響されるため、生産者は良質の果物を厳選する必要がある。

果物をペースト状(フルーツマッシュ)にする。この時、種のある果実は種を取り除くことが一般的であるがこれは蒸留後に毒性のあるシアン化合物が残らないようにするためである。蒸留所や造り手によっては種を残す場合もある。

次にこれを発酵させる。果物によってはこの際にクエン酸酵母などを添加する必要があるがこれはパーリンカ法で制限される添加物には含まない。この時室内の温度は14~16℃が理想とされ、発酵期間は蒸留所によって異なるが2週間前後が一般的である。発酵が終わった後にこれを蒸留器へ移す。この時に濾過はしない。蒸留回数は二回で造ることが多く、一回目の蒸留では主にアルコール分を、二回目の蒸留では果物の香りを抽出することが目的とされる。一般的な蒸留酒と同様に精製物のヘッド、ハート、テール(前半、中盤、後半)部分で分ける。この時の分別具合は造り手によって異なるが前半部分は有害物質が多いため使用せず、破棄することが多い。蒸留酒によっては廃棄せず次回の生産時に混合することがあるがパーリンカはパーリンカ法によってこれができない。

蒸留後のアルコール度数は80%ほどあるが、加水しアルコール度数を40%~60%ほどに調節した後に熟成をする。この時の水は濾過し、よりクリアにしたものを使用する蒸留所が多く、加水した後にもう一度濾過してから熟成を行う蒸留所もある。

熟成は(オークが多い)で行うものもあるが、一般的にステンレスタンクで行われるため、完成したパーリンカは無色透明になる。この場合は樽の香りがないため、純粋な果物の香りを楽しむことができる。木(樽)の香りによって、果物の香りが楽しめないという捉え方をするため、樽熟成したパーリンカを嫌うハンガリー人もいる。

種類

  • Kisüsti - 1000リットル未満の銅製ポットスチルで二回蒸留して造られたもの。
  • Érlelt - 1000リットル未満の木製ので少なくとも3ヶ月間、または1000リットル以上の木製ので少なくとも6ヶ月間熟成したもの。
  • Ó 1000リットル未満の木製ので少なくとも12ヶ月間、または1000リットル以上の木製ので24ヶ月間熟成したもの。
  • Ágyas - パーリンカに果物を最低3ヶ月漬け込んだもの。パーリンカの原料と同じ果物を漬け込むことが一般的だが、異なる種類のものでもよい。この時漬け込む果物はドライフルーツが好ましい。100リットルのパーリンカに最低10kgの熟した果実、または5kgのドライフルーツを漬け込む。
  • Törköly - ブドウの搾りかすから造られたもの。パーリンカの中でも最も古いタイプの一つで、食後酒として飲まれることが多くハンガリーでの人気も非常に高い。グラッパやマールと製法が同じため味わいや香りは非常に近い。

パーリンカ法

脚注

関連項目

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