ファイター (ダンジョンズ&ドラゴンズ)
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ファイターは、ファンタジー・ロールプレイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)に登場するキャラクタークラスの一つ[1]。
ファイターは、D&D最初期から存在するクラスであり、オリジナル版での呼び名は「ファイティング・マン(Fighting Man)」であった。スキルや戦術を駆使し、武器を重視して戦う万能の戦士である。一般的かつ幅の広いクラスであり、個々のファイターには、冒険者、元兵士、ボディガード、盗賊、剣の達人など、様々な背景やスタイルがある。
Original Dungeons & Dragons
「ファイティング・マン」は、『Original Dungeons & Dragons[注 1]』における3つのクラスのうちの1つであり、他の2つのクラスはマジックユーザー[注 2]とクレリックであった[2][3][4]。
「パラディン」はファイティング・マンのサブクラスとして、『Supplement I: Greyhawk』(1975)に登場した[5]。
Dungeons & Dragons Basic set
『D&D Basic set[注 3]』では、使用可能なキャラクタークラスに「ファイター」が登場した。
Advanced Dungeons & Dragons第1版
「ファイター」は、オリジナルの『プレイヤーズハンドブック(『PHB』)』で使用できる標準的なクラスの1つであり[6]、5つの基本クラスの1つとして紹介されていた[7]。第1版『Advanced Dungeons & Dragons[注 4]』において、ファイターは物理的な戦闘に最も適したクラスであり、他の能力を持たないという弱点でバランスがとられていた。ファイターは通常、【知力】、【判断力】、【魅力】を高めても大きな恩恵は無く、【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】を上げることで、戦闘力を高めることができた。高いヒット・ポイント(HP)、強力な鎧を装備できる、そしてTHAC0[注 5]の低下が最速であることも、戦闘において強みだった。よく使われるオプションルールとして、ファイターは武器を専門化することで、命中とダメージにさらなるボーナスを得るというのもある。
『PHB』では、ファイターのヒット・ダイスはd10に増加した[8]。
Advanced Dungeons & Dragons第2版
「ファイター」は「ウォーリアー」グループの一つとして[注 6]、第2版『PHB』で使用可能な標準クラスの1つである[6]。第2版『PHB』には、伝説上の有名なファイターの例をいくつか挙げている。ヘーラクレース、ペルセウス、ハイアワサ、ベーオウルフ、ジークフリート、クー・フーリン、リトル・ジョン[注 7]、トリスタン、シンドバッドなどである[9]。この本には、偉大な将軍や戦士の名前も多く挙げられている。エル・シッド、ハンニバル、アレクサンダー大王、カール大帝、スパルタクス、リチャード獅子心王、ベリサリウスなどである[9]。
『The Complete Fighter's Handbook』には、ファイターといくつかのサブクラスが詳述されている[6]。この本は、このクラスの特殊能力の欠如を補う試みがなされた。スワッシュバックラー[注 8]、グラジエーター、ノーブルウォーリアーといった様々なキットを提供することに加え、ハンドブックではプレイヤーがウォーリアーの戦闘能力をカスタマイズできる、いくつかのスキルを紹介した。新ルールには、グループ武器の習熟度、継続的な特殊化、素手戦闘の追加ルール、4つの異なる戦闘スタイル(シングルウェポン、ツーウェポン、ウェポン&シールド、ツーハンドウェポン)が導入された。
Dungeons & Dragons第3版
『D&D第3版[注 9]』では、ファイターの能力のほとんどが「combat feats(ファイターがbonus featsとして選択可能なもの)」となり、そのメカニズムが大きく変更された[10]。これにより、ファイターは単純な攻撃よりも、専門化した様々な戦闘技術を選択できるようになった。
アイコニック・キャラクター[注 10]は、ヒューマンの男「Regdar」である[11]。
Dungeons & Dragons第3.5版
『D&D3.5版』では、ファイターは第3版と比べて大きな見直しは行われなかった。主な変更点は、「Greater Weapon Focus」と「Greater Weapon Specialization」(どちらも選択した武器による攻撃力を上げる)の特技がファイター専用になったことである。3.5版では、ファイターの主要な(そして唯一の)クラス特徴である、特技ツリーの深みを増すことに重点が置かれた。
2006年の『Player's Handbook II』では、ファイターが使用できる特技の数が大幅に増加し、武器特化能力と同様に高レベルのファイターのみが使用できる能力が多数追加された。
Dungeons & Dragons第4版
「ファイター」は『D&D第4版』の基本クラスであり、他のクラスと同様に新たなパワー・システムを採用し、「武勇」のパワー源を持つ[注 11]。ファイターの役割は防衛役であり[注 12]、高いHP、優れた防御能力、他のパーティ・メンバーを敵から守る能力を持つ。もう1つの防衛役である「パラディン」とは異なり、ファイターは味方を回復することができず、遠隔戦闘能力も制限されるが、与ダメージ能力と移動力のコントロールに長ける。
『プレイヤーズ・ハンドブック』には、攻撃重視の「Great Weapon Fighter」と、防御重視の「Guardian Fighter」の2種類のビルドが紹介されている。『武勇の書(Martial Power)』では、さらに2つのビルドが紹介されている。2つの軽武器を使用する「Tempest Fighter」と、斧とハンマーを使用し、一時的なHPという形で回復力が大幅に強化された「Battlerager Fighter」である[12]。ファイターの攻撃パワーは一般的に武器をベースとし、攻撃ロールに【筋力】を使用するが、【敏捷力】、【判断力】、【耐久力】の恩恵を受けるパワーも多い。ファイターの攻撃の中には、アックス、スピア、ライトブレードなど、特定のグループの武器で使用すると追加効果が得られるものもある。
Dungeons & Dragons Essentials
エッセンシャルズ・ルールブック『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ 墜ちた地の勇者(Heroes of the Fallen Lands)』では、ファイターの別バージョンとして、「ナイト」と「スレイヤー」の2種類が紹介されていた。ナイトは防御に重点を置き、スレイヤーは攻撃と防御の両方に重点を置く。
Dungeons & Dragons第5版
「ファイター」は、『D&D第5版』の『PHB』に基本クラスとして含まれている[13]。プレイヤーは3レベル時、ファイターのサブクラス「戦士の類型」から1つを選ぶことができる。シンプルなパワーに重点を置いた「チャンピオン」、「戦技」という武器の威力を高める独自リソースを持つ「バトル・マスター」、一部の呪文が使用可能になる「エルドリッチ・ナイト」である[14]。
後に出版されたソースブックでは、追加のサブクラスを与えることで、ファイターというクラスを拡張している。『ソード・コースト・冒険者ガイド(Sword Coast Adventurer's Guide)』 (2015)では、「パープル・ドラゴン・ナイト」が追加され、味方の支援とサポートに重点が置かれている。『ザナサーの百科全書(Xanathar's Guide to Everything)』(2017)では、魔法を込めた弓術を使う「アーケイン・アーチャー」、騎乗戦闘や味方の防御、敵との交戦のためのマーキングなどに重点を置いた「キャヴァリアー」、回復力、素早い攻撃、社交的な交流に重点を置く「サムライ」が追加された。『Explorer's Guide to Wildemount』(2020)には「Echo Knight」が追加された。『ターシャの万物釜(Tasha's Cauldron of Everything)』(2020)では、「サイ・ウォーリア―」と「ルーンナイト」が追加された[15]。
ノンプレイヤーキャラクター
第3版には「ウォリアー」という、ファイターを簡略・弱体化したものがあり、町のガードマンなどのノンプレイヤーキャラクターとして使用することを想定している。
評価
スコット・テイラーは、Black Gateにおいて「確かに、多くのゲーマーはファイターから始まる。ファイターは基本的に "簡単"であり、新規プレイヤーのクラスだ。武器を振ってダイス運を祈るだけでいいからだ。呪文を覚える必要も、祈祷書や聖印も、盗賊道具も必要ない。ただ鎧を着て、剣を持って行くだけだ。お分かりだろうが、私は本当にそれが好きなのだ!」と語っている[16]。
Screen Rantは、ファイターを第5版の12基本クラスの中で、2番目に強力なクラスと評価した[17]。
The Gamerは、『ザナサーの百科全書』に登場する32の新キャラクター・オプションの中で、第5版のファイターのサブクラス「サムライ」を「13の素晴らしいサブクラス」の1つとして紹介している[18]。
FiveThirtyEightのGus Wezerekによる第5版のレポートでは、2017年8月15日から9月15日までに、プレイヤーがD&D Beyondで作成したキャラクター10万人あたりのクラスと種族の組み合わせの内、ファイターが合計13,906人と最も多く作成されたと報告した。種族の組み合わせではヒューマン(4,888)が最も多く、次いでドワーフ(2,009)、そしてドラゴンボーン(1,335)の順だった。Wezerekは、「5年前に『D&D』をプレイし始めたとき、このゲームで最も人気のある組み合わせである、"ヒューマンのファイター"を選ぶことはなかっただろう。私の最初のキャラクターは、アルビノのドラゴンボーンのソーサラーだった。でも最近は、この組み合わせのシンプルさが理解できるようになった。」と語っている[19]。