ブチクスクス

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ブチクスクス(学名:Spilocuscus maculatus)は、クスクス科に分類される哺乳類の一種。オーストラリアおよびニューギニア島に分布し、森林に生息する。樹上性であり、主にを食べる。体毛は白から灰色で、雄では褐色の斑模様が入る。

1803年にフランス博物学者であるエティエンヌ・ジョフロワ・サンティレールによって、Phalangista maculata として記載された[3]。タイプ産地は西パプア州マノクワリであった[4]パプアニューギニアカラム語では「aklang」や「gabi」と呼ばれる[5]

分布と生息地

オーストラリア北東部のヨーク岬半島ニューギニア島、西はスラウェシ島から東はソロモン諸島までの島嶼部に分布する。過去100万年の間、海水面が低下することでトレス海峡の海底が露出し、オーストラリアとニューギニア島が繋がるたび、本種の移動が生じたと考えられる[6]。クスクスの起源がオーストラリアにあるのか、ニューギニア島にあるのかは議論されている[7]

標高1,200mまでの熱帯雨林マングローブ林広葉樹林ユーカリの林に生息する。クスクスの中では珍しく、熱帯雨林以外でも見られる[8]。農地など人間の生活圏にも進出することがある[9]

形態

雌は斑模様が入らない

普通のイエネコほどの大きさで、体重は1.5-6kg、体長は約35-65cm、尾長は32-60cmである[10]。頭部は丸く、耳は小さく目立たない。体毛は厚く、尾は枝を掴むことができる。虹彩は黄色、橙色、または赤色で、瞳はヘビのように縦長である。四肢には五本の指があり、後肢の親指以外には湾曲した強靭な爪を持つ。後肢の人差し指と中指は部分的に皮膚や関節で繋がっているが、爪は分かれている。これらの小さな爪は、毛づくろいの際に櫛の役割を果たす。前肢では親指と人差し指が他の指と対向しており、木の枝を掴みやすくなっている。また後肢の裏側に毛は無く、筋があるため、木や食べ物を掴むのに役立つ。後肢では親指が他の指と対向しており、親指に爪は無い[6]。尾の先は巻いており、物を掴むことが出来る。尾の基部から半分は体毛で覆われるが、先端から半分は、内側が粗い鱗状になっており、物を掴むのに役立つ[10]

体毛は厚く、羊毛のようであり、地域や年齢、性別によって色が異なる。雄の体色は灰色と白色または茶色と白色で、背側には斑模様が入り、腹は白い。斑模様は雄のみが持つ[10]。雌は一般的に白または灰色で、斑模様は入らない。雌雄ともに、完全に白い個体も見つかっている。幼獣は1年で性成熟し、それまでに体色が変化する。体色は赤と白から、淡黄色、茶色、明るい灰色、黒色へと変化する。他のクスクス科の種と異なり、背中に縞模様は入らない[7]

生態と行動

一般的に非常に警戒心が高いため、特にオーストラリアでは見ることが難しい。夜行性であり、夜間に行動して摂食を行い、昼間は木の枝に足場を作ってそこで眠る。木の洞や根の下、岩の間で眠ることもある。動きは遅く、ナマケモノポッサムサルと間違えられることがある。日中にも摂餌を行うことがある[10]

基本的には単独で生活し、摂餌や巣作りも単独で行う。雄同士が出会うと、対立して攻撃的になる事がある。雄は体と臭腺から強烈なムスクの香りを放ち、縄張り内にマーキングを行うことで他の雄に警告する。木の枝や葉に唾液を付けて縄張りを主張する。縄張り内で他の雄と出会った場合、吠え声や唸り声、シューという音を発し、立ち上がって縄張りを守る。攻撃的であり、捕食者を引っかいたり噛んだり蹴ったりすることがある[8]

歯の形状は特殊化していないため、様々な種類の植物質を食べることが出来る[8]イチジク属Alstonia 属などの、花の、イチジク属、マテバシイ属Aglaia 属、おそらく Mischocarpus 属やマトア果実を食する[11]昆虫や小型の脊椎動物を捕食することもある。パプアオウギワシシロハラウミワシヒトが天敵である[9]

一年中繁殖し、複数の相手と交尾する。求愛行動は太い枝の上で行われる[8]。妊娠期間は約13日で、その後約6-7ヶ月間は育児嚢の中で過ごす[10]。育児嚢の中には4つの乳首があり、雌は最大3匹の子を産む。ただし3匹の子を育てることは稀である[8]。新生児の体重は1gにも満たず、前向きに開いた育児嚢に入る。1歳ごろに性成熟し、寿命は11年である[10]

人との関わり

出典

関連項目

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