プラコドゥス
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P. gigasの復元骨格 | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Placodus Agassiz, 1833[14] | |||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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| 種 | |||||||||||||||||||||||||||
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プラコドゥス(学名:Placodus)は板歯目に分類される三畳紀の爬虫類。もっぱら海で摂食する海棲爬虫類の一つである[27]。化石はヨーロッパ(ドイツ、オランダ、ポーランド、フランス)とイスラエル、中国から知られる[28][29][30][31][32][33][34][35][36][37][38][39]。学名は「板のような歯」[40]「平らな歯」[36][37][41][42][43][44]の意。
頭部


全長2m[36][37][41][42][43][45][46][47][48][49][50][51]-3m[44][52][53][54]。体型はトカゲまたはワニに似る[45][47]。首が短く、頭部は小さい[36][45][47]。体表はおそらく大きな鱗に覆われていた[47][48][49]。背には一列の皮骨を持つ[44][55][56][57][58]。板歯類の中で甲羅を持たないのはプラコドゥスとパラプラコドゥスのみである[39][58]。
四肢や尾は水を掻くのに適し、熟達した泳者であった[45][46][47][53]。陸上での活動は不得意であったと想像されるが、摂食や交尾、産卵のために上陸することがあったと考えられる[47][53]。
プラコドゥスやその近縁種は海牛類との収斂進化が指摘されている[52][59][60]が、これは一般的に過剰な解釈であると見做される[61]。収斂進化を指摘したDiedrichは、プラコドゥスは海藻や水生植物を主食とし、沿岸生の海牛類のように大規模な群れを作っていたと考えている[52]。
大腿骨の組織学的分析では、プラコドゥスが急速に成長したことが示唆されている[62]。
頭骨は短く丈が高い。下顎に突出した烏口突起をもち、強大な咀嚼筋の付着点となっていた[57]。上顎に比べて下顎は短い[63]。
鼻孔は目の前に位置する[57]。
頭骨頂は隙間があり、光を感知する器官が収められていた[44]。鱗状骨と方形頬骨は癒合して複合骨(compound bone)を形成する[64]。前庭(vestibular apparatus)は、海棲爬虫類に見られる背腹方向に圧縮された垂直半規管 (vertical semicircular canals)を示し、これにより20°の角度に頭を向けていたことが示されている。これらの特徴はプラコドゥスの高度な水棲適応を示唆している[65]。
歯
パラプラコドゥスと比べると頭部に対する歯の大きさが大きい[66]。 P.gigasの場合、前上顎歯3対・上顎歯4対・口蓋歯3対である[66]。殻を噛み砕くのに都合の良い丸みを帯びた奥歯を持ち、前歯はほぼ水平方向に突き出している[45][47][67]。この特徴から、切歯で獲物を拾い扁平な奥歯で殻を砕いて食べていた[注 2][57][68][69]とされるほか、前歯で魚を突いて仕留めた可能性もある[53]。また、海牛類との収斂を指摘したDiedrichは、前歯は葉を切り離すのに使われたとしている[52]。2010年のDiedrichの研究によれば、プラコドゥスの歯の磨耗段階は上下の前歯の30%が高度の磨耗を示すステージ3、口蓋歯・上顎歯・歯骨歯は1%が同じくステージ3で、多くの歯はステージ2であるという[52]。Diedrichによれば口蓋歯・上顎歯・歯骨歯の摩耗が少ないことは、柔らかなものを食べていたことを示しているという[60]。また、2024年のGereらの研究によれば、パラプラコドゥスと比較するとプラコドゥスの歯には磨耗特徴は少なく、ピット(pits、穴状の窪み)の割合が多く、大きな擦過痕を伴うピットが多いという。磨耗やピットの様子は哺乳類ラッコ、マナティー、ジュゴンのものとは異なる[66]。
ほとんどの歯は不規則に生え変わったが、口蓋歯は後ろから前へと生え変わった[52]。歯骨歯の数は成長過程で変動しない[70]。
奥歯は発見当初魚のものと誤認された[44][45][47]。
頭部以降
胴体はずんぐりしている[50]。肋骨と腹肋骨が合わさり、胴体の骨が籠状になっていた[56]。この構造は内臓を支え、腹の下側の防御にも役立った[57]。肩帯や腰帯等の腹側の骨は比較的強固であるが、その一方で背側の骨は退化している[57]。このため、断面はほぼ三角形をしていた[63]。